最高のツマミについて門前仲町のレモンサワーの名店で考えてみた

特集

うま〜いツマミで今宵も乾杯!

2017/08/03

最高のツマミについて門前仲町のレモンサワーの名店で考えてみた

名酒場ぞろいの門前仲町で、ひときわ注目を集めるオーセンティックバーの「酒肆一村(しゅしいっそん)」。50種以上のツマミとレモンサワーなどのバリエーション豊かな酒が楽しめる名店へ、まだ見ぬ最高のツマミを体験しに出かけた。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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大野尚人さん

大野尚人さん

「酒肆一村」店主

店に頼り過ぎることなかれ

地下鉄の門前仲町駅を6番出口から地上に上がり、首都高9号深川線をくぐってすぐのビルの2階に酒肆一村(しゅしいっそん)はある。

ジンをベースにした5種類のレモンサワー「名代(なだい)」「塩味」「甘味」「辛味」「苦味」と、手間ひまをかけた50種を超えるツマミで、2016年11月のオープン直後から繁盛店となった。バーマンを務めるのは大野尚人さん。同じく門仲にある日本酒の名酒場「沿露目(ぞろめ)」の店主でもある。

大野さんの生み出すレモンサワーは、全国のファンから熱い注目を集める

無理を言って仕込みの時間にお邪魔し、「オススメのツマミを教えてください」とお願いすると大野さんは、「この店のツマミは、ちゃんとした料理店で修行していない自分が好みの酒場で食べ歩き、気に入ったものをなんとなくつくっているだけ」と飾らない言葉で話す。

看板のない店舗だが敷居が高すぎるということはない

「好みのお酒やツマミに出会うのも酒場に出かける楽しみのひとつ。ですからお店に頼りすぎてはもったいないと思うんです。自分の食べたい物を自由に楽しんではいかがでしょうか」とも。ちょっと突き放されたような気もするが、あくまで自分の好みのツマミにたどり着く道のりこそ、酒場人の楽しみだというのが大野さん流の心遣いのようだ。

手書きで丁寧に書き込まれた品書きは眺めているだけで楽しくなる

お供は3杯のレモンサワー

「それならば」ということで、焼酎ではなくジンを使うことで一躍注目を集めた5種のオリジナルレモンサワーの中から、定番「名代レモンサワー」、酒粕塩の「塩味レモンサワー」、鷹の爪を漬け込んだジンがベースの「辛味レモンサワー」(各864円)の3つを選び、手書きのお品書きを眺めつつ、気になる5つのツマミを注文。性格の異なるレモンサワーで味わい尽くすことにした。

ー本日のオーダーはこの5品ー
1.肉春巻き(540円)
2.あゆ風干し(864円)
3.アボカドととうもろこしの茶わん蒸し(648円)
4.カツサンド改(1404円)
5.鴨つみれ汁(864円)

レモンの皮を短冊状に薄く切る

繰り返しになるが、大野さんのつくるレモンサワーの特徴は、ベースリキュールにジンを使うこと。理由は明快「ジントニックが好き」だから。

レモンサワーを看板メニューに据えたのは、あくまで親しみやすいカクテルの一種として捉え、「バーやカクテルに詳しくない人でも気軽にオーダーできるから」というのがその理由だそう。

レモンはプレスジューサーでしっかり絞る

カウンターの正面で、3種類レモンサワーづくりを見学する。どのサワーもまずはフレッシュレモンの皮を長方形の短冊状に切り取り、半割にしてジューサーで絞る。

グラスは「うすはり」製を使用

グラスの内側にぴったり沿う大きさに整えた氷は、-20℃の超低温でしめたもの。サワーと触れる面積が少ないため、最後の一滴まで薄まることなく飲み干せる

冷凍庫で冷やしたジンをメジャーで計って注ぐ

ベースはビーフィーターのジン。「辛味」のベースジンは唐辛子を漬け込んだ自家製で、「塩味」にはビーフィーターに酒粕塩を足すことでまろやかなうま味が際立つようだ。

トニックウォーターを注ぐ

レモンジュースやトニックウォーター、ソーダ水を適宜注ぎ、丁寧にステアする。

レモンピールはひねって香りを立たせる

グラスと氷の隙間のドリンクにレモンピールを滑り込ませれば完成だ。

「名代(なだい)」「塩味」「辛味(からみ)」が完成

左から「名代レモンサワー」「塩味レモンサワー」「辛味レモンサワー」(各864円)

3つのレモンサワーが一気にできあがったところで、いよいよツマミを楽しむことにしよう。

1品目
肉春巻き(540円)

味も量もしっかりとした食べごたえ

豚ヒキ肉、春雨、タマネギに、オイスターソースを加えた具を春巻きの皮で巻いて揚げたもの。おかずとは一味違う複雑な味わいで、酒のツマミ向けにアレンジされていると想像できる。

大野さんによると、醤油や辛子をつけずに「塩味」や「辛味」のレモンサワーと交互に楽しみ、調味料や薬味代わりにしてもいいのだとか。さっそく春巻きを一口かじってから「辛味」を流し込むと、ヒリヒリする爽快な唐辛子の辛みと柚子の香りが抜群に合うので感心した。

2品目
あゆ風干し(864円)

夏に旬を迎える鮎を丸ごと味わえる

水分を適度に飛ばして色艶よく焼き上げることで、鮎特有のキュウリのような爽やかな香りが凝縮されている。

なんと言っても日本酒と合わせたいところだが、骨まで食べられる香ばしさは「塩味レモンサワー」の塩麹の風味との組み合わせが夏の気分をかき立てるようで気に入った。季節感のあるものに出会えるのも良質な酒場の魅力だ。

3品目
アボカドととうもろこしの茶わん蒸し(648円)

アボカドを合わせたシンプルな茶碗蒸しにとうもろこしのあんかけを乗せたもの

アボカドが想像以上に茶わん蒸しになじんで、卵とダシの風味を全く邪魔していないことに驚いた。日本酒や焼酎に合わせたいシンプルな味。あんかけにはとうもろこしの甘みが効いており、「名代レモンサワー」に合う印象。

「これは女性も喜ぶ味ですね」と、味見した下戸のカメラマンも太鼓判を押す。「お酒が飲めないと飲み会のお声がかからないけど、こんなおいしいツマミが出てくるお店なら、積極的に出かけたい」と、酒の苦手な人でも酒場の雰囲気が好きな人もいる。そんな女性と一緒に楽しむにはツマミの充実したこんなオーセンティックなバーこそ最適な店だというわけだ。

4品目
カツサンド改(1404円)

肉の分厚さに圧倒される

「シメの軽食なので、特定の飲み物でなく、何にでも合うようにつくっています」と大野さんが話す「カツサンド改」。上質なロース肉に甘めのソースがちょうどいい。下戸カメラマンも「カツサンド専門店よりもおいしいかも」と、2つとも平らげる勢いで少々焦りながら味見する。

「名代」「塩味」「辛味」のどれを合わせても受け止めてくれる懐の深さ。分厚いカツと大量のキャベツを、こんがりと焼いたトーストで挟んでいるが、食べ進めてもパンと具がズレないのは見事の一言。

5品目
鴨つみれ汁(864円)

昆布のダシがしっかり感じられる

ホロリと崩れるカモのつみれ団子がシメにぴったりな、いかにも胃に優しそうな味わい。カモから出た濃厚な脂を切り離すように「辛みレモンサワー」を口に流し込むと、最後のひと口を汁にするか、レモンサワーにするか迷っているいるうちに、気がつけばどちらも空になっていた。

3種のサワーと5品のツマミを堪能して

箸置きにもレモンの意匠が取り入れられている

駆け足の取材となったが、極めつけのツマミと飲み物を堪能させていただいた。適度な距離感で見守ってくれるバーマンのいる空間でレモンサワーをすすり、ツマミを口に運んでいると楽しさだけが満ち溢れ、難しいことは何もわからなくなった。だからまた近いうちに、食べたことのないツマミに出会いに、この店に来たいと考えている。

酒肆 一村

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


取材メモ/短時間でテキパキとツマミとドリンクを用意してくれた大野さんとスタッフの手さばきには惚れ惚れしました。

取材・文=杉山元洋
写真=洲脇理恵(MAXPHOTO)

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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