長きにわたり愛される名古屋の洋菓子・喫茶 ボンボン

2017/08/13

長きにわたり愛される名古屋の洋菓子・喫茶 ボンボン

名古屋を代表する純喫茶であり、洋菓子の製造や販売も行う「ボンボン」。毎朝コーヒーを飲みにくる常連から、ガイドブックを片手に訪れる観光客まで、さまざまな人に愛され続ける理由に迫ります。

中広

中広

昭和を感じる空間も魅力
名古屋が誇る純喫茶

喫茶店文化が根付く名古屋。その中でも純喫茶として知られる一軒が「ボンボン」です。間接照明が周囲を照らす中、赤色の革張りソファに腰掛けると、どこか懐かしさを感じます。

喫茶に併設された販売店には、先代の父である岩間五郎さんがドイツ人と並ぶ写真が飾られています。

岩間浩衣さん
岩間浩衣さん
「このフルーガンさんが、名古屋で最初にケーキを作った人だといわれています」
レンガ調のパーテーションやステンドグラスが配され、先代の美意識が感じられるインテリア

第一次世界大戦後、ドイツの租借地だった中国・青島を攻めた日本は、ドイツ兵捕虜を国内各地に連れて帰りました。当時東区にも、現在の旭丘高等学校の場所にドイツ人捕虜収容所がありました。捕虜の中でも職人や技術を持った人は周辺の会社で働き、日本人に先進技術を伝えたのです。 五郎さんはフルーガンさんから洋菓子作りを習い、製造販売を開始。武平町に「ドイツ式カフェー」を開店しました。  

そんな五郎さんの姿に影響を受け、現在の「ボンボン」を築いたのが先代の岩間盟路さんです。東京の洋菓子店で修業後、第二次世界大戦に出征し、復員。すでに父・五郎さんは亡くなり、技術を継承することはできませんでしたが、「洋菓子に自分のルーツを見出し、その道へ進んだのでしょう」と浩衣さんは話します。

昭和24(1949)年、カステラどら焼きなどの卸業をスタートした盟路さん。昭和31(1956)年に、現在の泉2丁目で喫茶店とケーキ販売の「ボンボン」を開業します。 

岩間浩衣さん
岩間浩衣さん
「となりには系列の中華料理店のほか、鶏料理店がありました。戦後、祖父は生きる道を模索していたのでしょうね」
ケーキの包み紙もアートのよう

当時コーヒーは50円。経営は軌道に乗り、5年後には昭和区の桜山に支店を開業します。

一方で、大きな災難にも遭遇しました。「昭和42(1967)年に、火事で店舗が全焼してしまったのです」。それでも前向きで行動的な盟路さんは、年内に仮の場所で営業を開始。翌年には店舗を再建しています。当時から地下に工場を併設し、製造したケーキを階段で運ぶスタイルでした。 


カリスマ性ある先代が
独自の感性で造り上げた店

「ボンボン」という店名は、「ン」を重ねることで運が重なるようにと盟路さんが考えたもの。また小さな菓子「ボンボン」から名付けた店を、自分たちの力で大きくしていきたいとの思いも込められています。現在の立地も縁起をかついで選定したといいます。

「先代にはカリスマ性がありました」と、盟路さんの娘で現社長夫人の岩間邦子さんは話します。仕事に厳しく、味にこだわりを持っていた盟路さん。

岩間浩衣さん
岩間浩衣さん
「ケーキも系列の中華料理店も、全て自分の舌で味を決めていました。毎朝、一杯目のコーヒーを試飲して味を見る習慣は、現社長にも受け継がれています」
邦子さんが小学生の頃、父である先代に「描いてみて」といわれたというくまのロゴマーク。看板ケーキ「マロン」を持っています

日持ちするバタークリームが主流の当時、いち早く高価な生クリームを取り入れたことにも、先見の明が感じられます。生クリームを扱うには冷蔵庫が必要ですが、「小売りを始めた昭和31年の写真に、すでに冷蔵式のショーケースが写っています」。間もなく、今と同じように生クリームを使ったケーキが並び、瞬く間に人気に。セール時は、店の外の歩道橋まで人が並んだそうです。

岩間浩衣さん
岩間浩衣さん
「『食べもの屋なら舌が肥えるように』と、祖父は幼少期から、私たちにおいしいものを食べさせてくれました」
岩間邦子さん
岩間邦子さん
「独自の美意識を持っていたので、お店のロゴや内装も先代によるものです」

レンガ調のパーテーションやステンドグラスなど、モダンで印象的なインテリアは、ファンに愛される理由の一つになっています。

1番人気は生クリームがたっぷりの「マロン」。洋酒を使った「サバラン」や外側がシュー皮の「ボンボン生ロール」と共に店の顔です

おいしいケーキとコーヒーは
地域の人々の生活の一部に

現在も熟練のパティシェ達によって、地下にある自社工場で作られているケーキ。「時間が経ってもおいしく食べられるように」と生クリームを甘めにしているのは、創業時からの伝統です。

先代が考案した「マロン」「サバラン」「ボンボン生ロール」は不動の人気。季節の新商品も加わり、常時約40種というラインナップです。また、250円や300円といったリーズナブルな価格帯が主流なのは、「良いものをお値打ちにご提供するという、先代からの考えです」とのこと。あれもこれもと、選ぶ楽しみを与えてくれます。歴史があるだけに、三世代で通う人もいるのだとか。

岩間浩衣さん
岩間浩衣さん
「喫茶の常連さんは、何もおっしゃらなくてもご注文がわかるので、いつもと同じメニューをお出しします」
火災の後再建した、昭和44年の外観。当時のロゴは現在もそのままです

周辺に会社が多いこともあり、ビジネスマンの息抜きや、手土産を買い求める場所にもなっています。

岩間浩衣さん
岩間浩衣さん
「定年まで毎朝、出勤前に立ち寄ってコーヒーを飲んで行かれた方もみえます。今も年賀状のやり取りをしていますよ」

地域で暮らす人々にとって、生活の一部といえる存在です。

クリスマスなどの時期には、多世代で楽しめるさまざまなホールケーキが登場します。定番の生クリームケーキのほか、ブッシュ・ド・ノエルや、限定数のいちごタルトなども楽しめます。

懐かしい味のケーキを囲んではいかがでしょうか。

Yahoo!ロコボンボン
住所
名古屋市東区泉2-1-22

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アクセス
高岳駅[1]から徒歩約4分
久屋大通駅[2(久屋大通駅)]から徒歩約13分
栄町(愛知県)駅[7A(セントラルパーク)]から徒歩約13分
電話
052-931-0442
営業時間
[火~土]8:00~22:00(L.O.21:45)[日・祝・月]8:00~21:00(L.O.20:45)Morningサービス(平日のみ)AM8:00~AM10:00Lunchサービス(平日のみ)AM11:00~PM2:00
定休日
無休
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

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