ここでしか味わえない、老舗洋食屋オリジナルメニュー誕生の秘密

特集

老舗の洋食が食べたい!

2017/08/07

ここでしか味わえない、老舗洋食屋オリジナルメニュー誕生の秘密

オーソドックスな洋食ではなく、その店でしか食べることができないオリジナルメニューがある。実は店のイチオシメニューよりも人気があることも。東京の老舗洋食屋『Restaurant ito』、『洋食屋大越』、『小春軒』の店主に、オリジナルメニュー誕生のきっかけとおいしさの秘密を聞いた。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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きっかけはさまざま! 偶然誕生したオリジナルメニュー

洋食と聞いて真っ先に思い浮かべるのはオムライスやハヤシライス、ハンバーグ、ステーキなど。定番メニューで長く愛される店もあれば、その店でしか食べることができないオリジナルメニューが人気の店もある。そこで今回は、一風変わったメニューを提供している老舗洋食屋の店主に、オリジナルメニュー誕生秘話を聞いた。

\老舗洋食屋のオリジナルメニュー3選/
1. Restaurant ito(東中野駅)
「ボンボーヌ(800円)」
2.洋食屋 大越(麻布十番駅)
「みかライス(720円)」
3.小春軒(人形町駅)
「カツ丼(1300円)」

1. Restaurant ito(東中野駅)「ボンボーヌ(800円)」

突然のひらめきで誕生したハンバーグ+デミグラスソース+チーズのオーブン焼き

オーブンから取り出し熱々で出される「ボンボーヌ」(800円)
東中野駅から徒歩1分のところにある『Restaurant ito』。1969年の創業以来、多くの人に愛されてきた名店。どんな店かわからない店構えが印象的だ
カウンター席10席のみでこじんまりとした店内。実際に調理をしている姿を見ながら食事ができる

今回、「ボンボーヌ」についてお話をうかがったのは、初代店主の中澤重次さん。「ボンボーヌ」誕生のきっかけを教えてもらった。

現在71歳という中澤さん。一度話し出すと止まらないほどおしゃべりが大好き

——「ボンボーヌ」はどういった経緯で誕生したんですか?

中澤さん
中澤さん
「itoをオープンしてすぐの頃はハンバーグやステーキ、シチューなど定番メニューを提供していましたが、料理人である以上は何かオリジナルのメニューを考案しなければならないと日々悩んでいました。そんな時、とあるレストランで食事をしていたら、突然『ボンボーヌ』の作り方をひらめいたんです」

——「ボンボーヌ」はどんな手順で作っているんですか?

中澤さん
中澤さん
「牛と豚が7:3の合挽き肉でこねたハンバーグのタネを、真ん中にへこみを作るようにして皿に薄く広げ、へこみにデミグラスソースとベシャメルソース、チーズを乗せ、左右にプチトマトを飾り付け、オーブンで焼けば完成です」

——家庭でも再現できそうなレシピですね。

中澤さん
中澤さん
「そう思うでしょ? それがね、難しいんですよ。今の『ボンボーヌ』が完成するまでに私も何度か失敗しましたし(笑)。それから、デミグラスソースが『ボンボーヌ』の味のカギを握っていて、簡単には再現できないんです。2〜3週間かけてデミグラスソースを作っていますからね…」
メニュー表の革はレザークラフトショップ『goro’s』によるもの。『goro’s』のファンがメニュー表を見ることを目的に店を訪れることもあるんだとか

\Restaurant itoのこだわり/

中澤さん
中澤さん
「itoでは食材よりもソースにこだわってきました。ステーキやシチュー、煮込み料理などを提供していますが、いずれもデミグラスソースを使っています。itoの料理はソースが命。『ボンボーヌ』だけでなく、定番の洋食メニューもそろっていますので、ぜひ一度お越しください。itoは何を注文してもお客様を裏切りませんよ!」
ご飯にも合うデミグラスソース。中澤さんはご飯に合う味付けを心がけてきたという
Yahoo!ロコレストラン イト
住所
中野区東中野1-57-2 柴沼ビル 1F

地図を見る

アクセス
東中野駅[西口(南側)]から徒歩約1分
東中野駅[東口(南側)]から徒歩約3分
落合(東京都)駅[2]から徒歩約8分
電話
03-3371-5746
営業時間
[月~水・金・土]11:30~14:30 18:00~22:00[木]11:30~14:30[日・祝]18:00~22:00
定休日
なし
口コミ・写真など

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2.洋食屋 大越(麻布十番駅)「みかライス(720円)」

お客さんの要望により誕生したカレーとミートソースのコラボレーション

ライスの上にカレーとミートソースの2種類がかかっている「みかライス」(720円)
麻布十番駅から徒歩1分のところにある『洋食屋大越』。1963年に創業し、現在は3代目が腕をふるっている
カウンター4席、テーブル席16席の明るい店内
「当店は全て手作りですので、『ご飯少なめ』など、お客様のさまざまなご要望にお答えします」と店主の大谷広司さん

今回、「みかライス」についてお話をうかがったのは、3代目店主の大谷広司さん。「みかライス」誕生のきっかけを教えてもらった。

——「みかライス」はどうやって誕生したんですか?

大谷さん
大谷さん
「名前はミートソースカレーを合わせているから『みか』です。もともとメニューにはなかったのですが、カレーライスとミートソースはそれぞれメニューにあり、お客さんから、どちらも食べたいとリクエストがあったことがきっかけ「みかライス」を作ることになりました」

——お客さんの声で誕生したのはすごいですね。ルーの上に紅ショウガが添えられているのが気になりますね。

大谷さん
大谷さん
「先代から、カレーライスには紅ショウガを添えて出していたので、今でも一緒に出しているんです」

——カレーはとってもスパイシーですね。

大谷さん
大谷さん
「カレーの具材は豚肉と玉ねぎでシンプルですが、スパイシーになるように山椒を入れています。それから、いろいろなカレー粉をブレンドしてこの味を作っているのも特徴だと思います」

——「みかライス」のおいしい食べ方はありますか?

大谷さん
大谷さん
「まずは、カレーとミートソースのそれぞれの味を楽しんでください。その後、混ぜて食べてみてください。1つのお皿で3つの味わいを楽しめます。さらに、お客さんの中には目玉焼きをトッピングして楽しんでいる方もいらっしゃいます。目玉焼きは1つ150円ですので、目玉焼きのトッピングもおすすめですよ!」

\洋食屋 大越のこだわり/

大谷さん
大谷さん
「初代からデミグラスソースの味は大事にしてきました。それがベースですね。その時代に合った味付けやメニューにすることもありますが、デミグラスソースの味は守るそれが『洋食屋 大越』の伝統です」
デミグラスを使ったミートソース
Yahoo!ロコ洋食屋 大越
住所
港区東麻布3-4-17

地図を見る

アクセス
麻布十番駅[6]から徒歩約1分
赤羽橋駅[中之橋口]から徒歩約8分
六本木一丁目駅[2]から徒歩約11分
電話
03-3583-7054
営業時間
[月~金]11:00~20:00[土]11:00~15:00祝日営業
定休日
日曜
口コミ・写真など

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3.小春軒(人形町駅)「小春軒特製カツ丼(1300円)」

初代が考案したカツ丼の味を頼りに3代目が再現

「小春軒特製カツ丼」はしじみ汁がついて1300円
1912年(明治45年)創業で100年以上の歴史がある『小春軒』。月曜日から木曜日はサラリーマンが多く、金曜日・土曜日は人形町に遊びに来た人たちが店を訪れるという
「『小春軒特製カツ丼』と揚げ物が7種類の『特製盛り合わせ(1400円)』を食べれば『小春軒』の味がわかる」と4代目の小島祐二さん

今回、「カツ丼」についてお話をうかがったのは、4代目店主の小島祐二さん。「カツ丼」誕生のきっかけを教えてもらった。

——「カツ丼」はどのように誕生したんですか?

大谷さん
大谷さん
『カツ丼』は初代が考案しましたが、一度メニューからなくなりました。明治時代、カツ丼はご馳走だったんですよね。20年ほど前、私が修行から戻った際に、私の父親にあたる3代目が初代に作ってもらった味を思い出しながら作ったのがこの『カツ丼』なんです」

——カツの上に目玉焼きと野菜が重なっているカツ丼ってなかなか見かけませんね。

小島さん
小島さん
「初代がカツ丼を作っていた頃は、卵を1つ乗せるだけで高級感があったんです。それから、当時からすき焼きの文化が始まったので、その名残で卵を使っているのかもしれません」

——『カツ丼』のおいしい食べ方を教えてください。

小島さん
小島さん
目玉焼きの黄身の部分を割って、野菜に絡めてもいいですし、カツにつけて食べるのもおすすめです。まだ食べたことがない方は自分に合う食べ方を探してみてください」
ご飯の上にあるカツが見えなくなるほど野菜がたっぷり

\小春軒のこだわり/

小島さん
小島さん
「『カツ丼』の卵の回りにある野菜は、ジャガイモ、タマネギ、ニンジン、グリーンピースです。ビーフシチューの具材ですね。これをデミグラスを加えた割り下で煮込んでいます。いろいろな具材が乗っていますが、初代は一つの丼で和洋折衷を表現したかったようです。それから、全てのメニューに言えることですが、当店では作り置きをしないことは代々受け継がれてきました。これもおいしさの秘密かもしれません」
店内には『小春軒』の歴史を感じられるものも
Yahoo!ロコ小春軒
住所
東京都中央区日本橋人形町1丁目7-8

地図を見る

アクセス
人形町駅[A2]から徒歩約0分
水天宮前駅[8]から徒歩約2分
人形町駅[A5]から徒歩約2分
電話
03-3661-8830
営業時間
[月~金]11:00~13:4517:00~20:00
定休日
日曜日、祝日、土曜日不定
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

取材メモ/オリジナルメニュー誕生のきっかけを聞くだけでもお腹いっぱいになってしまいます。スタンダードな洋食ももちろんいいのですが、時にはその店でしか食べることができないメニューを食べに行ってみてはいかがでしょうか? 老舗洋食屋では1000円前後で食べられるメニューがたくさんありますよ!

取材・文=佐々木悠(シーアール) 撮影=中邑ヒロシ

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