瀬戸田レモンに恋したレモン研究家に聞く「レモンのある生活」

瀬戸田レモンに恋したレモン研究家に聞く「レモンのある生活」

2017/08/14

どこか愛嬌のあるコロンとした見た目に反して、頬が痛くなるくらいの刺激的な酸味。レモンは、そんなギャップがなんともニクい果物だ。今回は日本一(?)のレモン愛を誇るレモン研究家に、レモンのある生活の魅力を教わった。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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レモン研究家が瀬戸田のレモンに恋をした話

すっかり梅雨も明け、少し歩いただけで汗が背中を伝う7月某日。今回は「この時期に飲む酒ならレモンサワー一択」と譲らないライター・田代が、「レモンは私たちの日常をどう豊かにしてくれるのか」というテーマで、レモン研究家の国吉純さんにインタビューをさせていただくことになった。

時刻は夕方5時。国吉さんからインタビュー場所として指定されたのは、東京・上野のアメ横そばにある居酒屋「ふくまめ」である。雑居ビルの4階に店を構える、一見何の変哲も無い、普通の居酒屋だ。

一足お先に店内でインタビューの準備をしていると……本日の主役、登場。

国吉純さん

園芸家でありレモン研究家の国吉純さん。とてもオシャレで素敵なマダムだ

有限会社ジュリエッタ・ガーデン代表取締役。レモン研究家。国産レモンの普及活動のため各地で講演活動などを行い、国産レモンの販売も行っているセレクトショップも運営する。また、乳がんを患った経験からレモンを女性の胸に見立てた乳がんチェックのレクチャーも行っている。園芸家でもあり、園芸企業のアドバイザー、造園からベランダのガーデニング、店舗植栽まで提案する。

国吉さん
国吉さん
おまたせしました〜! 今日も暑いですねぇ……。

日本一のレモンLOVERであるレモン研究家・国吉純さんのご到着! さすが国吉さん、愛らしいレモン柄のハンカチで首元の汗をフキフキ。さらにレモンの扇子で上品に風をパタパタ。すごい、早速レモン愛が全開だ。

ライター田代
ライター田代
国吉さん、今日はよろしくお願いします! つかぬ事をお聞きしますが、今回はなぜこちらのお店を指定されたのですか?
国吉さん
国吉さん
あ、お伝えし忘れていましたね。実はこのお店では、私が惚れ込んでいる国産レモンを使ったメニューを提供していらっしゃるんです。特にレモンサワーは絶品なんですよ。
ライター田代
ライター田代
おおおお、レモンサワー! イ、イ、インタビューは必ずマジメにやりますので、まずはレモンサワーで乾杯してもよろしいでしょうかッ!
国吉さん
国吉さん
もちろんです!
こちらがお店で人気の「檸檬サワー」(650円)
ライター田代
ライター田代
しゅごい! レモンが大量に入っている!
国吉さん
国吉さん
そうなんです。ここではレモンの名産地である広島県尾道市瀬戸田、高根島にある長畠農園さんのレモンを使っているんですよ。はい、乾杯!
キンキンに冷えまくったグラスを持つだけでとんでもない胸の高鳴りを感じた
ライター田代
ライター田代
いただきます……(ゴクゴクと半分ほど完飲)。なんなんだこれは……こんなレモンサワー飲んだことがない……めちゃくちゃレモンの味が濃い。
国吉さん
国吉さん
こちらのお店では氷は使わずに、凍らせたレモンを氷がわりに使っているんです。溶けながらレモンの旨味も一緒に溶け出すので、すごく贅沢なレモンの香りや味を楽しむことができます。ノーワックスのレモンだからこそ、こうしていただけるんですよ。
おもむろに箸でレモンを取り出し、そのまま口に運んでしまった国吉さん
ライター田代
ライター田代
先生! いやいや、いくらレモン好きと言え、流石にそのまま食べるのはムリなのでは……? 見ているこちらが酸っぱいです。
国吉さん
国吉さん
いえいえ、実はここのレモンは酸味の中にちゃんと甘みもあるので、皮ごと食べられるんですよ。
ライター田代
ライター田代
皮ごと⁉︎
国吉さん
国吉さん
以前、まだ私がここまでレモンに心酔していなかった時、ある日テレビを見ていたらこの瀬戸田のレモンを丸ごと美味しそうに食べている少年が映ったんです。そして彼はレモンを「甘い!」と言ったんですよ。私はもともと園芸家で、その時ちょうど家庭菜園がブームになっていたので、レモンの栽培に少し興味は抱いていたのですが、その少年の姿があまりにも衝撃的で、「これは自分の舌で確かめるしかない!」と、瀬戸田に向かったんです。
ライター田代
ライター田代
その少年が、国吉さんとレモンを赤い糸で結んでくれたんですね……!
国吉さんが惚れてしまったという長畠農園でのレモン栽培の様子
国吉さん
国吉さん
ふふふ、そうかもしれませんね。そして早速瀬戸田へお邪魔した時に出会ったのが、このレモンを作っている長畠農園さんでした。長畠農園さんのレモンは、先ほどお伝えした通り糖度が9〜10ほどもあって、酸っぱさの中にやさしい甘さが垣間見えるレモンなんです。が、私がすっかりそのレモンに惚れ込んでしまって、何度も何度もラブコールを送って、東京での販売許可をいただけて……。
ライター田代
ライター田代
恋、実ってるじゃないですか! もうちょっと国吉さんとレモンの恋バナ聞きたいです!
国吉さん
国吉さん
それは昨年の秋に出版した、私の本『瀬戸田レモンに恋して』(ザメディアジョンプラス)に詳しく書いてありますから、ぜひご覧ください。
国吉さんの著書『瀬戸田レモンに恋して』(1482円)は書店のほか、Amazonでも発売中
ライター田代
ライター田代
さりげない宣伝、ありがとうございます!
国吉さん
国吉さん
実はこの本、出版社さんもカバーイラストを描いてくださったのも広島の方なんですよ。出版社もあえて、広島に。カープの赤にあやかりながら、きいろ色のレモンもどんどん普及していきたいな!と広島づくしの一冊になっています!

レモンは料理に、掃除に、リラックスタイムに大活躍

ライター田代
ライター田代
こんな美味しいレモンでしたら、レモンサワー以外にもいろいろな使い道がありそうですね!
国吉さん
国吉さん
私のオススメは、書籍でも紹介しているオリジナルの「レモンペースト」です。ノーワックスの国産無農薬レモンを柔らかくなるまで茹でて、レモンと同量のグラニュー糖で絡めて置き、馴染んだらフードプロセッサーでかけてペースト状にして完成。スイーツづくりにはもちろん、お食事に合わせることもできます。こちらのお店のメニューでも、このレモンペーストを使ったものを提供していただいているんですよ!
お店の名物である生つくねにレモンペーストをのせたもの(1本=170円)。ほんのり塩気のあるつくねと甘酸っぱいレモンペーストの相性は◎
国吉さん
国吉さん
レモンはスイーツの材料だけでなく、和食、洋食、中華、イタリアン、どんな料理にも使える万能柑橘。肉にも魚にも、そして野菜にも合いますから、相方を選ばない、どんなものとでも仲良くできる“デキる子”なんです。アイディア次第でレモンを使ったオリジナルの調味料やドレッシングを作ってみても楽しいですよ。
こちらの「親鶏炭焼き」(800円)は、国吉さんがプロデュースするレモン胡椒といっしょにいただく人気メニュー。レモンサワーのツマミに最高
ライター田代
ライター田代
なるほど〜。勝手なイメージですけど、料理にレモンを使える女子ってデキる女っぽいですね。しかし先生、残念ながら私には台所に立つ習慣すらほとんどなく、国産の良いレモンを一個手に入れられても使い切る自信もない……もっと女子力の低い私めのような人間もレモンをたしなめるアイディアはございませんか。
国吉さん
国吉さん
それなら、水にくし切りにしたレモンを入れて冷やして飲むだけの「レモンウォーター」がオススメですよ。レモンには疲労回復に効果があると言われているクエン酸がたくさん含まれていますから、夏バテしがちなこの季節にはピッタリ。少し塩を入れてもいいですね。熱中症予防効果も。このレモンウォーターは、現地のレモン農家の方も愛飲しているんですよ。
ライター田代
ライター田代
ふむふむ。それならズボラ女子でもできそうですな〜!

レモンは“デキる子”! 料理以外にも大活躍

国吉さん
国吉さん
レモンは料理以外に、お掃除にも使えます。先ほどお伝えしたように、レモンにはクエン酸が含まれていますから、例えば水垢で白っぽくなってしまったお風呂の鏡をレモンの皮で掃除してあげるとキレイになるんです。ほかにも、レモンの香りには自律神経を整えたり、肺の免疫機能を高める効果も。私も使い終わったレモンを入浴時に湯船に浮かべたり、長期出張の時にはレモンを丸ごと持ち運んで、香りを嗅いで気持ちをリラックスさせることもあります。
ライター田代
ライター田代
「食べる」以外にもそんな使い道があるんですね!
国吉さん
国吉さん
そうなんです。けれど、レモンって実用的なだけじゃないんですよ。
ライター田代
ライター田代
レモンは“デキる子”なだけじゃない、と?
インタビューに持って来ていただいた長畠農家のレモン。鮮やかな黄色がまぶしい
国吉さん
国吉さん
レモンって、すごく愛らしい形をしているじゃないですか。こう、手で握ったり、コロコロ転がすだけで、なんだか癒される。味わいや香り、栄養はもちろんですけれど、ちょこんとした佇まいがね、なんとも言えないんです……(うっとり)。レモン一つひとつ、とても丁寧に育てている長畠農園さんの愛情が伝わって来る美しさですよね。
ライター田代
ライター田代
先生、本当にレモンに恋しちゃってるんですね(うっとり)。
国吉さん
国吉さん
でもこうした国産の質の良いレモンってなかなか手に入らないんですよね。レモンは栽培中に葉っぱや実に傷がつくとそこから菌が入り込んでしまったり、寒波に弱かったりと、育てること自体難しいんです。長畠農園さんをはじめ瀬戸田のレモン農家さんは、そんな繊細な農産物をできるだけ農薬や化学肥料を使わず、一生懸命育てて、こうして私たちに届けてくださっている。後継者不足といった苦悩がありながらも、生産量を増やして、旬の冬以外にも一年を通して高品質なレモンが販売できるように農業組合法人を立ち上げ、規模の拡大、農業の共同化・効率化に力を入れていたりもします。そんな農家さんたちの愛情と努力を知ると、瀬戸田のレモンがもっともっと愛らしく感じるんです。
ライター田代
ライター田代
国吉さんのお話を聞くと、このレモンサワーも一層美味しく感じます!
国吉さん
国吉さん
そう言ってもらえると嬉しいです。これからも瀬戸田レモンの素晴らしさを発信するために、イベントを開催するなど活動していくので、お店で見かけたらぜひ一つ買って、ご自身の目と舌で瀬戸田のレモンを楽しんでくださいね!

国吉さんオススメの瀬戸田のレモンサワーが飲めるのはココ!

今回国吉さんとお会いした居酒屋「ふくまめ」をはじめ、東京・立川の居酒屋「磯坊主」でも、国吉さんオススメのレモンサワーがいただける。

2010年にオープンした「磯坊主」。店先の大きなのれんが目印だ

こちらの瀬戸田のレモンサワー「広島レモンサワー」(499円)も、同じくレモンを凍らせて提供中。お店にあるマグロ保管用のマイナス60度の冷凍庫でレモンを凍らせて提供しているそうだ。客に出す際にはレモンを解凍し、1杯につき1〜1/2個分のレモンを入れてサーブするという。

「広島レモンサワー」はお店でも大人気。お客さんの笑顔にこちらも幸せな気持ちになる

「レモンを焼酎と氷砂糖で漬け込み、その液体を少量加えて提供することでより飲みやすくなったと好評。初めて飲まれるお客さまには、敢えて調理場からあしらい用の輸入レモンを差し上げて味の違いを試してもらうと、皆さん広島レモンの旨さに納得していただけます」と、店長の佐々木悟志さん。レモンサワー好きなら、こちらにもぜひ一度足を運んでみてほしい。

取材・文・撮影=田代くるみ

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