店の実力はこれでわかる。東京の町中華「絶品チャーハン」3選

特集

チャーハンに、恋い焦がれて。

2017/08/23

店の実力はこれでわかる。東京の町中華「絶品チャーハン」3選

昔からある中華料理店が「町中華」と呼ばれ注目を集めている。そして、中華料理店の人気メニューといえば、やはりチャーハンだ。町中華の実力を計るバロメーターでもある。おいしい町中華はチャーハンもおいしい。人気の3店をご紹介する。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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町中華へ出かけよう

【この3店がうまい!】
1.芸人に愛され続ける「尚チャンラーメン」(新中野)
2.グルメ雑誌などでおなじみ「龍朋」(神楽坂)
3.東京5大チャーハン「味一」(不動前)

1.「尚チャンラーメン」(中野区・本町)

新宿から丸の内線に乗って3駅目の新中野にある

新中野駅から歩いておよそ5分。十貫坂上という交差点近くにある「尚チャンラーメン」。交通量の多い道路に面していることもあり、近隣住民はもちろん、タクシードライバーなども多く訪れる人気の中華料理店だ。

清楚の行き届いた綺麗な店内。名店の条件の一つである

この界隈には昔から多くの芸人が住んでいるが、「美味い」「安い」「量が多い」と評判のこちらの店は、有名無名の芸人たちに広く愛されている。例えば玉袋筋太郎氏は売れない頃からずっと通っていて、仕事帰りにここでレバニラ炒めを食べるのが何よりも楽しみだったそうだ。

こちらの名物は「木耳肉(きくらげ)定食」(750円)

もともと洋食のコックをしていたという店主が、独立してこの店を開いたのが32年前。以来、チャーハンは変わらぬ人気メニューであり続けている。一体どんなチャーハンが出てくるのか。

それでは作ってもらおう

鍋を火にかける。鍋の色が変わったら、油を入れる。ポイントは多めに油を入れること。こうすることで旨味はもちろん、しっとりとした仕上がりになるのだ。

強火であおる。ご飯が踊る
はいできあがり

味付けのベースは醤油だ。強火で炒める過程で、決して焦がさないように細心の注意を払う。最後に塩コショウなどで味付けをしたら完成。チャーシュー・玉子・ネギとご飯が渾然一体となったビジュアルはもはや芸術作品である。

「チャーハン」(650円)

盛り付けた直後、ほろっと崩れてご飯が割れた。これは全体に油が回っているため、ご飯同士が一体化して、その結果綺麗に二つに割れるのだ。

「これがおいしいチャーハンの証だよ」(店主・中園さん)

口当たりが優しく感じるのは、旨味をまとったご飯がしっとりとしているから。米の甘さと醤油の香りが作る絶妙のハーモニー。これこそが、懐かしくも正しき中華料理店のチャーハンなのだ。

仲良しの奥さんと一緒に

尚ちゃんラーメン

住所:東京都中野区本町5-33-15
アクセス:新中野駅[1]から徒歩約6分
中野富士見町駅[1]から徒歩約6分
中野新橋駅[出入口]から徒歩約8分
電話:03-3384-0729
営業時間:11:30~27:00
定休日:月

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

2.「龍朋」(新宿区・矢来町)

神楽坂から一本入った路地にある

神楽坂はおしゃれな街である。表通りは華美な装いの店も多い。だが、少し坂を登って一本裏通りに入れば、まだまだ昔ながらの店が元気に営業している。「龍朋」(りゅうほう)もそんな店の一つだ。

店内は常に満席状態。毎日のように足を運ぶ常連も多い

近くに大きな出版社があることから、昔から味にうるさい編集者の舌を満足させてきたこちらのお店。料理はボリュームがあるし、何よりおいしいと評判を呼び、創業から39年経った今では、雑誌やメディアでも多く取り上げられるようになった。

そんなわけで昼時の厨房は戦争だ
人気の「回鍋肉」(820円)

チャーハンは不動の人気メニューだ。平成元年に現在のラーメン店のスタイルになったが、それ以前から、ずっと変わらぬ人気を誇っている。このチャーハンを食べに、遠くから足を運ぶ人も多い。その秘密はどこにあるのか。

強火で鍋をあおる

味を特徴付けているのは醤油味のチャーシューだ。強火にかけた鍋を手際よく振る。ゴロッと入った肉の旨味が、鍋全体に行き渡る様子が見てとれる。オーダーが入ってから約5分。油と肉の旨味に包まれた美味なるチャーハンの完成である。

「チャーハン」(770円)

まず大きなチャーシューが目を引く。そして光り輝く米粒。なんと美しい見た目なのだろうか。米を舌にのせる。その瞬間に甘さがやってくる。次に醤油の香ばしさが強い印象を残す。お米はパラパラとしっとりの中間といった口当たりで、シンプルな具材ゆえ、米の旨味をとことん楽しむことができる。鶏ガラ、豚足などを使ったスープも絶品で、これをつまみに酒が飲めそうだ。ああ、これはおいしいぞ。

店主の松崎さんと従業員のみなさん。アットホームで居心地の良い名店である

3.「味一」(目黒区・下目黒)

交通量の多い山手通り沿いにある

こちら「味一」はとある媒体の企画で東京5大チャーハンに選ばれた実績を持つ名店だ。昼時には行列ができる人気店だが、植木屋をやっていたという店主が12年前に店をオープンした経緯は実にユニークだ。

店内に掲げられた店名の由来

店主が生まれ育った港区の三田に、かつて「味一番」という店があった。その味に惚れ込んだ店主は、店に通いつめてその味を教えてもらった。「味一番」は残念ながら閉店してしまったが、あのおいしいチャーハンを世に残したいと思った店主は、なんと中華料理店を始めることを決意したのだ。

人気メニューの「餃子」(390円)は少し厚めのモチっとした皮に特徴がある
餃子のタネに投入されたキャベツ。鶏がらスープも味のポイントだ

「味一番」の主人から教わった一番大事なこと。それは「料理は繰り返し作って体で覚える」という当たり前の事実だった。以来、欠かさず修行を重ね、あの味に近づけるように努力を続けた。店主の思い出が詰まったチャーハンは、一体どんな味がするのだろうか。

強火で米を踊らせ旨味をまとわせる

米はチャーハンに適した水分少なめのものを使用し、固く炊き上げている。使われている具材も、昔ながらのチャーハンらしく、チャーシュー・玉子・ナルト・ネギとオーソドックスなものばかりだ。

「チャーハン」(660円)

ナルトのピンクが可愛らしいチャーハンが完成した。できあがりは見事にパラパラで、箸ではすくえないほど。口に入れると、ご飯の一粒がそれぞれ存在感を主張している。パンチはあるがどこか優しい味付けは、店主の人柄ゆえだろうか。シンプルだからこそ、毎日食べて飽きない。それこそが町中華の正しい在り方なのかもしれない。今は亡き「味一番」のDNAは、確かにこの店に引き継がれているようだ。

店主の今野さんと従業員のみなさん。元気をもらえる名店である

シンプルな料理なのに、各店のチャーハンの味は見事に違った。チャーハンの味は作り手の思い。私たちはチャーハンの向こうに、誰かの面影を見るのかもしれない。そういえば、オカンが作ったチャーハン、おいしかったな。

チャーハンはロマンである

取材・文/キンマサタカ(パンダ舎)
撮影/木村雅章

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