B級グルメの聖地で話題沸騰!個性豊かな「久留米焼きめし」3選

特集

チャーハンに、恋い焦がれて。

2017/08/23

B級グルメの聖地で話題沸騰!個性豊かな「久留米焼きめし」3選

福岡県南部に位置する久留米市は、豚骨ラーメンや焼鳥など、福岡を代表するB級グルメの宝庫。なかでも近年、注目をあびているのが「久留米焼きめし」だ。なぜ久留米で焼きめしがブームなのか? その謎に迫っていく!!

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

久留米のラーメン店では「焼きめし+ラーメン」が当たり前!?

数年前、飲食プロデューサーの高松武司さんと地元フリーペーパーが共同で行ったアンケート調査によると、久留米市内にあるラーメン店のうち8割以上がメニューに「焼きめし」を置いていることがわかった。さらに、読者アンケートではラーメン店で「焼きめし」を注文する人が7割を超えることが発覚。
今回は、そんな地域に根付いた「久留米焼きめし」の魅力についてご紹介。
「久留米焼きめし」を発掘した高松さんに話を伺いながら、注目の3軒を巡ってみた。

\紹介してくれるのはこの方! /
T-produce代表 飲食プロデューサー 高松武司さん

 
高松武司さん

高松武司さん

T-produce代表 飲食プロデューサー

「久留米焼きめし」ってなに?

大学時代を久留米で過ごした、ライター浅原(左)。今回「久留米焼きめし」を紹介してくれる高松さん(右)
ライター浅原
ライター浅原
「本日はどうぞよろしくお願いします! 私も以前久留米に住んでいたことがあるのですが、確かにラーメン店ではラーメンと一緒に焼きめしを食べるというのが当たり前でした。同じ福岡でも福岡市内のラーメン店と比べて焼きめしの普及率は大きく違いますよね」
高松さん
高松さん
「私もなぜこんなに久留米のラーメン店で焼きめしが多いのか気になって調査を行ったところ、想像以上の浸透率に驚かされました」
ライター浅原
ライター浅原
8割以上のラーメン店に置かれていたなんてビックリですよね。ちなみに素朴な疑問なのですが、なぜチャーハンではなく『焼きめし』なんですか? 何か違いはあるのでしょうか」
高松さん
高松さん
「チャーハンと焼きめしに明確な違いはありません。『久留米焼きめし』のルーツは、大正6年に誕生した中華料理店『光華楼』といわれ、そこのメニューにあったのがチャーハンではなく『焼きめし』だったんですね。チャーハンだとどんな料理かわかりづらいため、馴染みやすいように『焼きめし』と呼んでいたそうですよ」
ライター浅原
ライター浅原
「その呼び名が今も定着しているということですね。ではなぜその中華料理店から始まった『焼きめし』が、ラーメン店や食堂で流行したんでしょう? 」
高松さん
高松さん
「当時、『光華楼』は高級料理店で、庶民は頻繁に行くことができませんでした。そこに目を付けた飲食店が、リーズナブルな価格で提供できるよう、カマボコやタマネギなど安価で手に入る具材を取り入れた『焼きめし』を生み出したんです。それが瞬く間にラーメン店や食堂で置かれるようになり、一気に広まったといわれています」
ライター浅原
ライター浅原
「でも身近な食材を使っているのに、ラーメンとの相性がすごくいいですよね」
高松さん
高松さん
「それは、ラーメン店で出している『焼きめし』の多くにラーメン秘伝の元ダレが入っているからでしょう。これこそが王道の『久留米焼きめし』なんです! 今回はそんな昔ながらの『久留米焼きめし』が食べられる3店をご紹介しますね」

\高松さんイチオシの久留米焼きめしはココ/

1.ルーツに迫る「光華楼 エマックス店」
2.ラーメンを引き立たせる名脇役「来福軒」
3.ラーメンの元ダレが決め手「清陽軒 本店」


\最初のお店はコチラ/

1.光華楼 エマックス店

西鉄久留米駅構内のエマックス・クルメ2F、味のタウン一角に位置する「光華楼」

中国・福建省出身の翁善畊(おきな・ぜんこう)さんが開業した、筑後地区初の中華料理店。1号店を日吉町にオープンさせたが空襲により店舗がなくなり、その後、六ツ門町などに店を展開した。現在、営業を続けているのは「エマックス店」のみとなる。

注文は入口横のレジで先払い。ピークの昼時は、なんとも味のある手作りの食券が手渡される
創業者の孫・翁幸光さんが現在の社長。久留米の繁華街「文化街」の名前の由来といわれる、映画館「文化会堂」経営にも携わっていた

飲食店が少なかった昭和中期まで、久留米の食文化の第一線を走っていたのがここ「光華楼」。当時は、久留米の飲食店店主らが「光華楼」の厨房に集まり、食に関する情報交換を頻繁に行っていたのだとか。

\調理場をのぞき見/

時間短縮のため、あらかじめ味付けを施した食材とご飯を用意
十分に中華鍋を温めてから、時間をかけずにサッと炒めるのがコツ

「光華楼」では駅構内という立地を考慮し、時間をかけずに手早く調理が行われる。「焼きめし」も同様で、事前に下ごしらえしておいた材料を用意。注文から5分ほどでテーブルに運ばれるため、電車を待つ間にサクッと食べられるのがうれしい!

\実食タイム/

具材がたっぷり~♪ 噛むたびにいろんな食材の旨味が訪れる
ライター浅原
ライター浅原
「ジューシーな焼豚、タマネギ、卵のほかにプリッとしたエビも入っていますね」
高松さん
高松さん
「元々、『光華楼』の『焼きめし』はコース料理のシメでした。そのため、コース料理で使った高級食材の一部を細かく刻み、具材として盛り込んでいたようです。エビ、焼豚が入っているのはその名残でしょうね」
卵スープが付いた「炒飯」(500円)。炒飯(チャーハン)と書くが、スタッフさんは「焼きめし」と呼ぶことが多いという
高松さん
高松さん
「『光華楼』は『久留米焼きめし』だけでなく、『久留米ちゃんぽん』の発祥店としても有名なんです。日本で初めてちゃんぽんを出した長崎の『四海樓』と縁戚関係でもあります」
ライター浅原
ライター浅原
「『久留米ちゃんぽん』の原点でもあったんですか! すごい歴史を持つお店ですね。せっかくなので、ちゃんぽんもいただきましょう」
「ちゃんぽん」780円。野菜のほか、エビ、イカなどこちらも具材たっぷり!
ライター浅原
ライター浅原
「おぉ。魚介のダシがきいたあっさり系のスープですね。野菜の甘味も感じられます」
高松さん
高松さん
「実は、豚骨ラーメンの発祥店『南京千両』の創業者・宮本夫妻が、ここのちゃんぽんのスープを研究し、豚骨スープを生み出すヒントを得たというエピソードがあります。『光華楼』は、久留米の食文化を語るうえで欠かせないお店です」
ライター浅原
ライター浅原
「そうだったんですね、豚骨ラーメンの誕生にちゃんぽんが関係していたとは知りませんでした…。このちゃんぽん麺はもっちり太麺で、スープがよく絡みますね」
高松さん
高松さん
「『光華楼』さんは自社製麺所を持っていて、ちゃんぽん麺はそこで作られたものなんです。ほかにも、ラーメン餃子の皮、ワンタンの皮なども製造しているんですよ」

店内での食事以外に、テイクアウトも対応可能。昔ながらの老舗の味を自宅で楽しむ地元民がいまでも多い。


\続いてのお店はコチラ/

2.来福軒

JR久留米駅そばに佇む「来福軒」。昭和29年、屋台から始まった老舗

久留米ラーメン会の会長を務める二代目店主・吉野さんが営む。呼び戻し製法と呼ばれる半世紀以上煮込み続けたコクのある豚骨スープが自慢のラーメン店だ。また、ラーメン以外に中華料理も多数ラインナップ。久留米では珍しいスタイルで長年、地元民に愛されている。

気さくで明るい店主の吉野さん。数年前にリニューアルした店内は、昭和の列車をイメージ
高松さん
高松さん
「ここの『焼きめし』は、ラーメンとの相性をとことん追求しています。あくまでもラーメンが主体と、少量の調味料で作る『焼きめし』は、あっさりとした味のなかにもコクを感じられる一皿です!」

\調理場をのぞき見/

手早く調理できるよう、ご飯の上にあらかじめ塩をふるのが「来福軒」流
熟練の技で、細かく刻んだ具材をご飯と混ぜ合わせていく

通常、風味を出すためにラードを使って炒める店が多いが、「来福軒」では客の健康を考えサラダ油を使用。あっさりと食べられるため、男性だけでなく、女性や家族連れの常連客が多いというのも納得だ。

\実食タイム/

一番人気の「サービスセット(ラーメン+焼きめし小)」(820円)。普通サイズの焼きめしはこれの1.5倍!
本日2皿目の焼きめしだが、全然余裕! おいしいもんはいくらでも入るぜ
ライター浅原
ライター浅原
「確かに、あっさりとした味付けでラーメンがすすみますね。ラーメン、焼きめし、ラーメン、焼きめし……と交互に食べるとその相性の良さがよくわかります」
高松さん
高松さん
「こちらは隠し味で醤油ベースの元ダレが使われています。それもラーメンと合う秘密でしょうね」
セットで付いてくるラーメン。創業時から継ぎ足し続けてきた豚骨スープは、思っていた以上にスッキリとした後口

濃度が異なる3つの羽釜のスープを組み合せて作るラーメンは、まろやかながらも深いコクを感じられる一杯。創業時から付き合いのある「光華楼製麺」で取り寄せた麺を使用している。

「焼きめし」は持ち帰りOK。「冷めても十分おいしいですよ」と店主・吉野さん

創業時と変わらない屋台の味がいまでも食べられるとあって、昔ながらのファンが多い「来福軒」。気さくに話しかけてくれる店主の人柄も人気の理由のひとつだ。訪れた際は、ぜひ「サービスセット」を注文して、ラーメンと焼きめしの最強コンビを堪能しよう!

Yahoo!ロコ来福軒
住所
福岡県久留米市城南町3-14

地図を見る

アクセス
久留米駅[東口]から徒歩約1分
西鉄久留米駅[出口2]から徒歩約27分
花畑駅[出口]から徒歩約28分
電話
0942-33-7957
営業時間
11:00~14:30L.O.、17:30~21:30L.O.(スープ切れで終了)
定休日
毎週月曜日
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。


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3.清陽軒 本店

「清陽軒 本店」の外観は、当時、第一銀行前で営業をしていたラーメン屋台を再現している

創業は昭和27年。当時、久留米ラーメンのなかで圧倒的な人気を誇っていた名店である。しかし、平成6年に初代店主が病気のためやむなく閉店。平成18年には、54年続いた最後の支店もついに暖簾をおろした。しかし、その3年後、高松さんと熱烈なファンの支援で誕生した「清陽軒復活プロジェクト」メンバーにより、奇跡の復活を果たす。

「清陽軒」復活の発起人となった高松さん(左)と、店舗統括マネージャーを務める井上さん(右)
高松さん
高松さん
「大好きだった『清陽軒』が突然閉店したときは本当に驚きました。どうしてもあの味を忘れることができずに、2代目店主に復活してほしいと想いを綴った手紙を渡したのが『清陽軒』の歴史を変えるキッカケでしたね」
ライター浅原
ライター浅原
「今では、九州で6店を展開する繁盛店ですもんね。人生何が起こるかわかりません……。ちなみに、『焼きめし』は創業時からあるメニューなんですか? 」
高松さん
高松さん
「『焼きめし』は、復活するときに加えたメニューで、私もプロデュースをお手伝いさせていただきました。久留米で人気の焼きめしを食べ歩き、究極の久留米焼きめしにたどり着きました! 」

\調理場をのぞき見/

細かく刻まれた具材は、「久留米焼きめし」の特徴のひとつ。「清陽軒」では、カマボコ、ニンジン、チャーシュー、タマネギが入る
具材が均等に混ざるよう機械を使って炒めていく
味の決め手となるラーメンの元ダレ。これを入れることでラーメンとの相性が良くなるのだとか
高松さん
高松さん
「作り手によって味がバラつかないよう『焼きめし』専用の機械を導入しています。これまで、料理人が変わったというだけで客足が落ちていく店をいくつも見てきたので、それは絶対に避けたいと思いました」
ライター浅原
ライター浅原
「なるほど。確かに調理できる人が限られると、その人が店を辞めちゃったりしたら、とたんに料理自体の味が変わることもあり、店にとってもお客さんにとっても大問題ですよね」
高松さん
高松さん
「ただ、機械といっても中華鍋の鍋振りをする調理人の代わりをするだけで、具材の投入や味付けは人の手で行いますから、誰でもマネできるわけではありません。一番大事なことは、お客様にいつでも同じおいしい『焼きめし』を提供することです」
各ラーメンに410円をプラスすると、焼きめしセットに変更できる

客の8割が口にするという、ラーメンと焼きめしのセット。焼きめしの量は単品でもセットでも変わらないため、ラーメンと一緒に頼んだほうがお得だ。食べきれない場合は、持ち帰りも可能。

\実食タイム/

単品の焼きめしは480円。家族や友達同士でシェアして食べる人も多い
「う、うま~~~い♪」あまりのおいしさに、思わず笑顔がこぼれる二人
ライター浅原
ライター浅原
「この見事なまでのご飯のパラつき! 家では絶対にマネできません」
高松さん
高松さん
「ご飯ものは『焼きめし』のほかに白飯があるのですが、それぞれ米の炊き方が異なります。『焼きめし』用のご飯は、少し固めに炊くのがポイントですね。パラパラの秘訣で教えられるのはこのくらいです(笑)」
ライター浅原
ライター浅原
「いえいえ十分です! また、レンゲではなく銀のスプーンで食べるというのもおもしろいですね」
高松さん
高松さん
「そうなんです。食堂で一気に広まったという背景があるため、銀のスプーンも『久留米焼きめし』の特徴のひとつなんですよ」

創業時から変わらないラーメンも必食

「屋台仕込みラーメン」(580円)。トッピングには、豚の背脂を揚げた自家製カリカリがのる

開業時から継ぎ足し続けた豚骨スープは、クリーミーなコクを感じるのに、スッキリとした後味がポイント。一日寝かせ余分な水分を吹き飛ばした自家製麺によく絡む。

ライター浅原
ライター浅原
「今日はどうもありがとうございました。どの『焼きめし』もおいしくて、また久留米に住みたくなりました! 最後に見ている方に一言お願いします」
高松さん
高松さん
「炭水化物×炭水化物なのにペロリと食べれちゃう魅惑の『ラーメン+久留米焼きめし』、食べたことがない人はぜひ一度、ご賞味ください」
Yahoo!ロコ清陽軒 本店
住所
福岡県久留米市諏訪野町1798-6

地図を見る

アクセス
花畑駅[出口]から徒歩約11分
久留米高校前駅[出口]から徒歩約12分
南久留米駅[出口]から徒歩約12分
電話
0942-32-9736
営業時間
11:00~22:00
定休日
毎月第3火曜日
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

取材メモ/取材時はお盆前とあって、帰省ラッシュの真っただ中。取材中、どのお店にも大きなスーツケースを持った若者や家族連れが訪れ、地元民に愛されているんだな~と改めて実感しました。今度はプライベートで「久留米焼きめし」巡りをしたいと思います!

取材・文=浅原麻希(シーアール) 撮影=藤野拓人

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

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