巨大な塊肉をワイルドに焼き上げる、次に来るのは“薪焼肉”

特集

8/29は「焼肉の日」。焼肉が食べたい!

2017/08/29

巨大な塊肉をワイルドに焼き上げる、次に来るのは“薪焼肉”

熟成肉、ジビエと毎年何かしらのブームが到来する焼肉業界。そして、次に話題になりそうなのが、“薪焼肉”。薪で肉を焼くことは、ガスや炭火と違うのか? 1kg超の巨大肉を焼き、薪焼肉のすごさを体験してきました。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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烈火&煙で“斧肉”を豪快に焼き上げる

こんがり焼いた「トマ―ホーク」。これはまだ序盤でさらに焼いていく

薪で焼いた肉ということで、場所はてっきり郊外かと思っていたら、プライベートでは縁のない西麻布(普段見ない高級車がたくさんある街)。実際に店へ到着し、薪で焼く前に度肝を抜かれたのが、斧の形をした巨大な肉「トマホーク」。黒毛和牛のリブロースを、薪の炎であぶるように焼き上げる様子はワイルドの一言。

肉自体ももちろんおいしい。だけど、薪で焼くことでもっとうまくなるんです。そんな薪焼肉の魅力を烈火のごとく紹介します!

薪焼肉がうまい3つ理由

1.ナラの木を使った香ばしさ
2.肉全体を直火焼き
3.“放置プレイ”で旨味が浸透

\取材したのはこちら/

六本木駅から徒歩10分のところにある「CHEF&BUTCHER TOKYO」

取材させていただいたのは、西麻布にある「CHEF&BUTCHER TOKYO」(シェフ&ブッチャー トウキョウ)。昭和5年創業の精肉店「籠本商店」が手掛ける“肉ダイニング”だ。アメリカのロサンゼルスなどで活躍する一流シェフ・尾前武さんと、精肉店=BUTCHERがタッグを組んだことで、それを店名にしたそう。

その有名シェフのアイデアから生まれたのが、最高のお肉を薪で焼くこと。素材となる肉は、精肉店から直送で仕入れているため、鮮度のいい国産牛と、多彩な希少部位もそろっている。

一部の肉は店内のショーケースに。実際に見て注文してもOK

“薪焼肉”のおいしさを探るべく、実際に薪で肉を焼いているシェフを直撃!


1. ナラの木を使った香ばしさ

薪は新潟県産のナラの木を使用

――薪でナラの木を使う利点は?

シェフの山本純一さん
シェフの山本純一さん
「ナラの木は香りがよく、2年間の乾燥を経てお店に届きます。木の持つ水分が香りとなり、火をつけた時も水分を含んだ薫香が上がり、肉がジューシーに仕上がるんです

実際にナラの木を持つとずっしりと重い。薪を焼き台に設置し、最初はガスで火をつけるが、薪に火が付いたら、ガスは消し、薪の火だけで焼き上げる。

木の周りを火が包みこみ、勢いよく燃え上がる

――薪で肉を焼くよさはどんなところ?

シェフの山本純一さん
シェフの山本純一さん
「薪は炭のようにじんわり焼くのではなく、強い火力で焼き上げます。そうすることで、外側はカリカリで香ばしく、中は肉汁でジューシーに仕上がります。薪で焼く時は、火力も強いのですが、どちらかというと煙との戦いになります(笑)。でも、その煙も燻製効果があり、香ばしさが出るんですよね。これからオススメの『トマホーク』を焼くので、ぜひご覧になってください」

2.肉全体を直火焼き

山本シェフも一押しの「トマホーク」。思わず写真に収めたくなる巨大な肉は、見た目がインディアンの斧(トマホーク)に似ていることから、名付けられたんだそう。大きさ、名前、焼き方と、もうすべてがワイルドです。

――今は15時前でランチの時間は終わっていますが、今日は薪焼肉を試食するため、お昼を抜いてきました。もうおなかがペコペコなので、早速、調理をお願いします!

シェフの山本純一さん
シェフの山本純一さん
「わかりました(笑)。まずは冷蔵していた肉に塩をふり常温に戻すため、肉を20~30分間置きます」

■15時/肉を置く

焼き台の上の棚にトマホークを置く

張り切って厨房に入ったものの、いきなり拍子抜けの回答。少し置くことで、肉の内部温度を上げ、塩の浸透圧で脂が肉全体にいきわたるそう。また、この間も薪の煙であぶっており、香りをつける効果もあるんだとか。

■15時20分/肉を焼く

肉を焼き台に置いていよいよ“薪焼き”がスタート

――焼くのにどれぐらい時間がかかりますか?

シェフの山本純一さん
シェフの山本純一さん
「日によって肉の大きさが違うので一概には言えませんが、大体25~30分ぐらいですね」

置くのも長いが、焼くのも長い! 前述した通り、強い火力で一気に焼き上げることで、肉の旨味を閉じ込める効果がある。焼いている途中も肉に温度計をあてるなど、肉の中の温度をこまめに測っていました。

焼き始めて10分後のトマホーク。網の焼き目もついて、この時点でもかなりうまそう

――焼く作業で大変なことは何ですか?

シェフの山本純一さん
シェフの山本純一さん
「薪は火がまばらに上がります。炭だと肉を置いていればいいのですが、薪だとそうもいかない。なので、焼き台で肉を移動させながら、薪の火を全体的にあてていきます。赤身と脂の様子を見ながら、火の強いところ、弱いところを見つけて、徐々に焼き上げます」
肉の表面だけでなく、側面も丁寧に焼いていく

確かに焼き台の上で肉をこまめに動かしている。日によって大きさは違うので、焼き加減はシェフの腕次第。肉の大きさや焼き具合などもチェックし、煙と戦いながらトマホークを丁寧に焼いていきます。


3.“放置プレイ”で旨味が浸透

■15時45分/肉を置く

一度焼いたあとは、再び肉を置いてさらに10分待ちます

――焼いたあとに置くことで、どんな効果がありますか?

シェフの山本純一さん
シェフの山本純一さん
「僕らは肉を落ち着かせるという表現をしています。具体的には、置くことで脂を中に閉じ込める。そうすることで、肉全体に旨味が浸透していきます」

■15時55分/肉を再び焼く

10分間肉を置いたあと、再び焼き台へ

――ついに最後の仕上げですね?

シェフの山本純一さん
シェフの山本純一さん
「そうですね。表面を温めて、あとは提供をするだけです」
肉の脂が下に落ち、豪快に炎が上がる
シェフの顔と同じぐらいの大きさがある。取材当日の「トマホーク」はなんと1.3kg

最後は3分ほど表面を焼き、ついに完成と思いきや…。

■16時5分/まずはお客さん撮影用にサーブ

お客さんが撮影する用に、まずは肉をそのままのせて提供。撮影が終わったら食べやすい大きさに切ってくれる

■16時15分/こちらが完成品

食べやすいように切り分けた「トマホーク」。タマネギは3時間ローストしており、トロトロ

塊肉の状態で写真撮影をさせてくれる粋なサービスのあとに、カットされた完成品がついにお目見え。1kgあたり1万6500円とお値段は張るので、大人数で来店して、シェアしながら食べるのがオススメ。

シェフの山本純一さん
シェフの山本純一さん
「実は、オープンした3年前は全然人気がありませんでした…。でも最近は注文も多く、予約が入ることもあります」

\ワイルドなトマホークを実食!/

肉の厚さと色に思わず「ワイルドだろ~」と言いたくなっちゃいます

ずっしりとした肉を持ち上げると、なんとも香ばしい。焦げ目のついた表面はカリカリで、ピンク色の内側は肉汁がたっぷりで肉の旨味を堪能できます。脂は黒毛和牛特有の甘味が印象的。肉は歯応えがあり、荒々しい肉の食感がとにかくワイルド!

シェフの山本純一さん
シェフの山本純一さん
最高級の黒毛和牛のリブロースなので、もう味は間違いありません(笑)。牛のロースの中でも真ん中に位置する厚みのある部位なので、噛み応えもあると思います。肉の量もかなりあるので、まずはそのまま、次にハニーマスタード、わさび、ビンテージ醤油、ステーキソースで食べ比べしてみてください」

こちらでは、少人数で楽しめる料理ももちろん多数用意されているので安心してほしい。

\薪焼肉オススメ1/

国産牛の「ランプ」100g1600円。写真は150g

「ランプ」は、お手頃価格で赤身肉が食べられるとあって大人気で、ランチでもかなり注文が入るんだそう。赤身の部分が多いので肉の濃厚な旨味があり、細かな肉質で柔らかい。

\薪焼肉オススメ2/

黒毛和牛の「まるしん」100g2400円。写真は150g

「まるしん」は、内モモと呼ばれる希少部位。口に入れると弾力がありながらもなめらかな食感で、脂もしつこくなく上品な味わい。また、赤身なのに肉汁もすごくて、かなりジューシーでした。

半年に一回は内装をリニューアル

作家さんとコラボした店内。4カ月~半年のスパンで変わっていく

定期的に画家などのアーティストとコラボしているのもこちらのお店のおもしろいところ。アート作品を置くだけで店内の雰囲気はガラリと変わり、時折、作家さんのファンも訪れるとか。現在の店内は、画家の立澤香織さんの絵が飾られています。

店内はウッド調のカリフォルニアスタイル

経験豊富なシェフが素材を吟味しながら焼き上げる肉は、強烈な炎と煙の燻製効果もあり、味も香りも見事。西麻布というリッチな場所で、昔ながらの製法で作る“薪焼肉”を味わうといった贅沢&レアな体験をどうぞ。

CHEF&BUTCHER TOKYO

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


取材メモ/取材の開始時間より早く着いたので、周辺をぶらぶらしていると、「CHEF&BUTCHER TOKYO」の半径50m以内に、肉料理店が5軒ぐらいありました。場所柄、値段は高いかもですが、西麻布がプチ焼肉タウン化してきています。

取材・文=嶌村優(エンターバンク)、撮影=角田幸也


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