肉食を瞬殺するキラーワード“焼肉食べ放題”。肉の前で人は野性に返るがごとし、ただ本能の赴くままにむさぼり食べるのもいいけれど、計画性を持って臨めば食後の満足度はアップするんです。そのためにはどうしたらいいの? 「一般社団法人 日本ブッフェ協会」代表理事に聞きました!
Yahoo!ライフマガジン編集部
焼肉食べ放題を満喫する秘策は“コース食べ”にあり!?
お肉を好きなだけ食べられる“焼肉食べ放題”は、肉好きにとってはご褒美であり、最上級の幸せ。ただ、肉を前にした喜びから自分の中のリミッターが制御不能になり、気分が悪くなるほど食べ過ぎてしまう、なんて失敗も多いのではないでしょうか。でもやっぱり肉が好きだからと、同じことを繰り返してしまう…。
ひたすらに目の前の肉を食べることも幸せですが、一度冷静になって、より食べ放題を満喫できる方法を習得しませんか? 高校3年生の時から食べ歩きをし、ブッフェをこよなく愛しているという「一般社団法人 日本ブッフェ協会」代表理事でグルメジャーナリストの東龍(とうりゅう)さんがそのコツを教えます!
\この人に話を聞きました/
東龍さん
グルメジャーナリスト
プロが実践する食べ放題5つのルール
1.店選びは種類の多さを重視
2.食べる順は軽いから重いへ
3.自分プロデュースのコース食べ
4.肉の邪魔をしないドリンク選び
5.直前の食事抜きはNG
\ルール教習会場は「焼肉きんぐ」/
1.店選びは種類の多さを重視
――食べ放題の焼肉店は各地にあまたあるので、まず店決めが大変。でも絶対に失敗したくない、基本にして重要な店選びの基準を教えてください!
- 東龍さん
- 東龍さん
- 「ブッフェの魅力は、種類をたくさん食べられるということですよね。だから種類数が多いことがまず大事です。こちらの『焼肉きんぐ』も、お肉だけではなく、サイドメニューも多いのがいいですね。例えば同じブッフェでも、“ステーキ食べ放題”ですとステーキのみなので、どちらかというと大食いとか、早食いとかになってしまい、本来の意図からずれてしまいます」
――焼肉は部位の好みもいろいろですからね。ほかにも、店を選ぶ上で注目する点はありますか?
- 東龍さん
- 東龍さん
- 「『焼肉きんぐ』もそうですが、タッチパネルオーダー方式というのは非常にポイントが高いです。焼肉という業態は、置いてあるものを取りに行くよりも、持ってきてもらって焼く方がいい。なぜなら、制限時間がある中で焼く時間もあるし、さらに自分で取りに行くとなると時間をロスしてしまいます。ですから焼肉ブッフェはオーダー方式をセレクトしたいところ。さらにタッチパネルだと注文のミスも少ないので、やっぱり時間をロスしない」
2.食べる順は軽いから重いへ
――ではさっそく食べ方のお話を。まずは、何かおすすめの食べ方や種類などはありますか?
- 東龍さん
- 東龍さん
- 「ブッフェではなるべく種類多く、たくさんの部位を頼むのがおすすめですね。もちろんカルビやロース、タンといった定番はおさえつつ、せっかく種類がこれだけあるので、あえて普段食べないようなものを注文してみましょう。こういったブッフェだと注文しやすいですからね」
――そう、何を頼んでもいいと思ってしまうので、気になったものを片っ端から頼んでしまうんですよね。それで最後は苦しみながら食べるっていう…。何かいい対策はありますか?
- 東龍さん
- 東龍さん
- 「焼肉の食べ方に王道はないと言われていますが、お寿司と同じで軽いものから重いものへとシフトしていくのがいいと僕は思っています。具体的に言うとタンなどは最初の方に食べ、あとの方でカルビ、味付けは塩からタレへ、そして最後に一品料理を食べるという風に」
- 東龍さん
- 東龍さん
- 「ブッフェは、たくさん量を食べるのが目的ではなくて、自由に選べることが最大の特徴であり、いろいろな種類を食べてその時間を目一杯使って楽しみましょう、ということをお伝えしたいです。より多くの種類を食べるためには、胃がもたれないように、味が薄いものから濃いものへ食べ進めていくのが基本ですね」
3.自分プロデュースのコース食べ
- 東龍さん
- 東龍さん
- 「軽いものから重いもの、という食べ方を基本に、自分なりのコースを作っていただくのをおすすめします」
――先ほどの食べ方一例を見ていると、確かにコースのようになっていますね。でもなぜコースにするといいのでしょう?
- 東龍さん
- 東龍さん
- 「フランス料理店など、コースで提供していることには理由があって、そうやって食べるとリズムがとれておいしく次を食べられるんです。食べ放題では、その組み合わせを自分で考えて、何コースも食べるのがより楽しめるコツです。コース料理のお店だとせいぜい13皿ですが、ブッフェなら1回で何コースでも楽しむことができる、それってすごくお得ですよね」
\先述の食べ方一例を1コース目として…/
\2コース目は例えばこんな感じ/
――軽いものから重いもので1コースを食べて、そのあとにまた軽いものから重いもの、という食べ方は新鮮です!
- 東龍さん
- 東龍さん
- 「1コース目と2コース目を変えてもいいですし、同じでもいいし、そこはおまかせ。とにかく食べる内容をご自身でプロデュースできるというのも、ブッフェのおもしろいところです。大ぶりなものばかりや食感が同じものばかりにならないように計算して、『1コース目はこんな感じにしちゃう?』とか『2コース目はホルモン増やしちゃう?』とか考えるのは楽しいですよね」
――みんなで相談する楽しさもありますね。焼肉の食べ放題は何人くらいで行ってらっしゃいますか?
- 東龍さん
- 東龍さん
- 「こういうオーダー方式のお店では、大体3~4人くらいが一番ちょうどいいとは思います。2コース、3コース食べるためにも、みんなで分けて食べた方がいいですし。あと、『焼肉きんぐ』はボックス席もありますし、ご家族やお友達と来ても楽しいように広々と作られていますからね」
4.肉の邪魔をしないドリンク選び
――おいしい焼肉ときたら、ビールが進みそうですね。ドリンクにも注意点などありますか?
- 東龍さん
- 東龍さん
- 「ドリンクは甘くないもの、炭酸以外が基本です。空腹の時、食べる前にちょっとだけ炭酸を飲むと胃腸を刺激して食欲が増すことはありますが、食べている間はお肉の味わいをしっかり楽しむためにも、甘味のないさっぱりとした飲み物がいいと思います。一番いいのは、お肉を召し上がる時の鉄板になっている黒烏龍茶ですね。味がまあまあ濃いので、お水とは違い、口の中がさっぱりします」
――ということは、お酒はNGですね…。『焼肉とビール、最高!』なんて人も多そうですが。
- 東龍さん
- 東龍さん
- 「やっぱりビールとかの炭酸系だとおなかが膨れちゃって、お肉があまり食べられないですよね。好みなのでもちろんいいとは思いますけど、悩ましいところです。せっかくお肉の専門店に来ているので、いろいろなおいしいお肉を食べに来たという本来の目的をお忘れにならなければ、ビールも結構ですよ(笑)」
5.直前の食事抜きはNG
――たくさんのお肉を食べるためには、おなかを空かせて行かないとですね!
- 東龍さん
- 東龍さん
- 「直前の食事はどうしたらいいんでしょうってよく聞かれるんですけど、空腹で行ってしまうのはまずいです。例えばランチなら朝食を抜く、夜なら昼食を抜くというのはよくない。いきなり食べると胃腸がびっくりしてしまいます。だからと言って、普段通りの量を食べてしまうと、食べ放題でさまざまな種類に挑戦できず、もったいない。なので、直前の食事は普段よりは軽くして、でも抜くのはやめましょう」
――これにて5つのルール、コンプリートです。ありがとうございました!
焼肉きんぐ 駒沢公園店
- 口コミ・写真など
※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。
とにかく“量”をたくさん食べるというイメージが強い食べ放題。しかし東龍さんが思う食べ放題の魅力は、自分で自由に食べるものを選び、より多くの種類を食べられることにあります。そのためにも、“コース食べ”のように計画性を持って臨むのが大事! みんなであーでもないこーでもないと相談する楽しさ、そしていろいろなお肉を食べられたという満足感。これまで食べ放題で感じられなかった喜びを、ぜひ味わってください。
取材メモ/自分プロデュースの“コース食べ”という提案が斬新で、最初はちょっときょとん。だって肉と肉の間にスイーツ挟んでいますからね。でも、何コースも食べられるのは確かに楽しいし、実践してみたくなりました。そして取材にご協力いただいた「焼肉きんぐ」が本当においしくて、取材陣、感激して帰ったのでした。
取材・文=小林未亜(エンターバンク)、撮影=菊池さとる
\すっかり焼肉気分のあなたへ/