謎のマダムが作る絶品餃子に鈴木砂羽も大絶賛!「池尻餃子.」

連載

鈴木砂羽の餃子道

2017/12/06

謎のマダムが作る絶品餃子に鈴木砂羽も大絶賛!「池尻餃子.」

役者仲間や友人たちと「餃子部」を結成するほどの餃子フリークな、女優・鈴木砂羽。おいしい餃子を求めてさまざまな街を食べ歩く連載「鈴木砂羽の餃子道」第28回!

鈴木砂羽

鈴木砂羽

女優

多くの人々を魅了してきた「マダム・ローズの餃子」とは?

こんにちは、鈴木砂羽です。今日は池尻にやってきました。このあたりは深夜まで営業している飲食店やバーが多い印象があるけど、餃子のおいしいお店もあるのかしら?

池尻周辺は飲食店やバーの穴場が多いエリア

池尻の交差点から神社の横の道に入ってしばらく進むと、可愛らしいお店が見えてきました。ここが今回訪問する「池尻餃子.」。今日は何も前知識も入れないでお店に伺うのでちょっとドキドキしますが、ドアを開けてみましょう。

古い建物をリノベーションした、カフェのように可愛らしいお店!

あらー、砂羽ちゃん! 久しぶり~~!

えっ!? このお店に来るのは初めてなはずだけど? でも、この聞き覚えのある声は……あーっ、お顔を拝見してすぐ思い出した! せがわきりちゃんじゃないの! どうしてここにいるの?

「このお店、実は私が弟と一緒に経営しているの。砂羽ちゃんが餃子好きっていうのはテレビを観たりして存じ上げてたから、いつか来てくれるんじゃないかと思ってた!」(せがわきりさん)

砂羽さんとせがわきりさん、餃子がとりもつ縁で約25年ぶりの再会! 

せがわきりちゃんが深夜番組『トゥナイト』のレポーターとして活躍していた頃、ワタシのデビュー作である映画『愛の新世界』の撮影現場を密着取材してくれていたんです。きりちゃんとは年齢もほぼ同じなので意気投合して、何度かご飯食べたり遊んだり……あれから25年も経ったけど、全然変わらないね! レポーターとして活躍した後は、作家活動をされているのは知っていたけど、餃子がとりもつ縁で、こうしてまた再会できるとは! 自慢の餃子を食べてみたいと思うんですけど、餃子はきりちゃんが作ってるの?

「餃子を作ってるのはマダム・ローズという74歳の女性。工房で1つずつ手作りしていて、実際に店の調理場で焼くのは店長(長塚千佳子さん)が担当してます。マダム・ローズは普通の主婦の方なんですけど、彼女が作る餃子を十数年前に初めて食べた時にあまりのおいしさに感動して。いつかお店を出してみんなに食べてもらいたいって思って」

内装もステキ! 入口を入って左側には個室もあります

「2011年に東日本大震災が起こった後、私にも何かできることがあればと思って。実家が引越し屋をやっていたのでトラックもあったしドライバーもいるから、ボランティアとして救援物資を持っていったり炊き出しをしていたんです。炊き出しって豚汁とかおにぎりとか決まったメニューになりがちだから、せっかくならみんなが元気になれる料理を食べてもらいたいって考えてる時に『そうだ、マダム・ローズの餃子を食べてもらおう!』って思いついて。キッチンカーを作って、被災地でマダムの餃子をお出しするようになったのが、そもそものきっかけだったんです」

被災された方々に餃子を食べてもらおうとキッチンカーまで作るとは、なんという行動力とバイタリティ! きりちゃんすごいよ!

「その後、震災があって仕事がなくなった人もいたから、お店をやろうってことになって。それで歌舞伎町に「あおば」という餃子の店を期間限定でオープンしたんです」

歌舞伎町の「あおば」って聞いたことあった! 気になって一度食べに行きたいって思ってたけど、食べられずじまいで。あれはきりちゃんのお店だったのね。

「歌舞伎町のお店をはじめたら、わりとすぐに『dancyu』が取材に来てくださって。日本の食べたい餃子20選っていうのに選ばれてたんですよ。『あれ!? いけるかも?』って思って、今度はバリ島にお店を出したら、バリでもまあまあ有名になって、Trip Advisorで推薦されたりして。今はこの『池尻餃子.』とバリ島の『元祖開運餃子あおば バリ島店 AOBA Bali』の2店舗をがんばってます」

カウンター席に鎮座する立派な神棚。砂羽さん曰く「神棚のおかげで、お店の中に浄化されたいい気が流れている」とのこと

へぇ~! まさに餃子がきっかけとなって運命が大きく動いたんですね。そんなに多くの人を魅了したマダム・ローズの餃子、私も早く食べてみたい! さっそく「名物 あおば餃子」と「無添海老の姿餃子」を注文してみます。

マダム・ローズお手製の餃子、おいしそうに焼き上げられていきます

名物 あおば餃子(にんにく)」は、薄皮にみっちり餡が詰まった可愛らしいフォルムの餃子。焼き目もいい感じですね。まずは何もつけずにいただきます。

うちの餃子は餡が変わってる。たぶん世界じゅう見回しても、うちみたいな餡はないんじゃないですかね。初めての人はだいたい口の中を火傷しちゃうので気をつけて(笑)」

名物あおば餃子(にんにく)(1人前5個・700円)

んんーっ!? この餡、トロッとしてる! あんかけみたいな食感で、ニラと豚ひき肉の味が引き出されてる。だけど、餡にクドい脂っぽさがまったくないのが新鮮です。これはおいしい餃子だね!

くちびるのようにかわいいフォルム!

テーブルの小皿には、柚子胡椒ご馳走ラー油池尻サンバルという3種類のタレが用意されてますが、焼き餃子に佐賀産のもぎたて柚子と青唐辛子で作られた柚子胡椒をつけて食べると、爽やかな辛味でさらにおいしく食べられます。

左から池尻サンバル・ご馳走ラー油・柚子胡椒
未体験な食感の餡に驚きまくりの砂羽さん

海老をそのまま食べるよりも海老! 究極の「海老姿餃子」

続いて「無添海老の姿餃子」をいただきます。

無添海老の姿餃子(1人前5個・900円)

見て、この海老餃子。なんともかわいい形! まずはそのまま一口かじると……うーーーん、おいしい! 海老がまるまる1匹入ってる上にまわりの餡も海老のミンチで作られてる! 今までいろんな海老餃子を食べてきたけど、海老をそのまま食べる以上に海老を感じられるかも!

海老がまるごと1匹入ってるだけじゃなく、まわりの餡も海老のミンチ! まさに海老以上に海老な餃子

「本当はこの値段じゃ出したくないぐらい(笑)。海老の水餃子は、ぜひバリ島の現地の方に作ってもらったサンバルで食べてみてください」

サンバルはインドネシア料理で使われるチリソースの一種。このサンバルのほどよい酸味が、海老の旨みをさらに際立たせてくれます。

海老餃子が大好きな砂羽さん、頭のほうからガブリといっちゃいます
尻尾まで食べちゃいそうな勢いのおいしさ!

この餃子には、やっぱり「生しぼり!!パイナップルサワー」がバッチリ合うなー。このサワー、パイナップルを半分に切ったものをそのまま搾って作る贅沢な一杯。何杯分かしぼれるそうなので、クイクイいっちゃいそう。

パイナップルの実を贅沢に手絞りする「生しぼり!!パイナップルサワー」
生しぼり!!パイナップルサワー(1000円・おかわりサワー300円)

鶏パクチー餃子」は、大山どりとパクチーだけを使った餡。シンプルなだけに鶏肉のおいしさとパクチーの風味がダイレクトに味わえます。

鶏パクチー餃子(1人前5個・700円)

この餃子には、マダム・ローズが素材選びからこだわって作ったというご馳走ラー油がオススメ。10種類の食材を使ったラー油の複雑なスパイシーさが、シンプルな作りの鶏パクチー餃子にピッタリね。

鶏パクチー餃子はマダム特製のご馳走ラー油がオススメ。だけど、他の調味料をつけてももちろんおいしい!

それに、ここまで餡のことばかり注目しちゃってたけど、皮もすごい! 厚さが薄めで餡を邪魔しない、絶妙な存在感の皮なんですね。皮が前面に主張してくる餃子もあるけど、この餃子は餡を楽しむために、皮が脇役に徹してる。緻密に考えられた皮なんですよ。どうやってこのバランスにたどり着いたのか、そしてどうやってこの餃子を考え出せたのか。すごいなマダム・ローズ!

被災地への炊き出しから生まれた「餃子丼」とは?

「砂羽ちゃん、うちのランチでも人気の『餃子丼』も食べてみてよ! 寝かせ玄米っていう発酵玄米のご飯の上にあおば餃子をのっけた、ボリュームあるメニューなんですよ。被災地にキッチンカーで炊き出しに行ってた時は、この餃子丼を提供してたんです

えっ、そんなメニュー初めて聞いた! とどめに餃子丼もいっちゃいましょう! さっきはにんにく入りを食べたから、今度はあおば餃子(しょうが)で注文してみます

餃子丼(800円)。餃子はあおば餃子のにんにくかしょうがを選べる

ご飯の上にキャベツの千切りが敷かれて、そこにあおば餃子と、きんぴらごぼうなど日替わりのおばんざいや大根おろしがのってて……なんだかエライことになってます(笑)。きりちゃん、これどうやって食べたらいいのよ?

「私は餃子を崩しながら食べますね。餃子を一口かじっては、大根おろしなんかを混ぜながらぐちゃぐちゃにして食べてもいいし……まあ、適当でいいのよ!(笑)」

ふむふむ。少しずつ崩しながら、寝かせ玄米と一緒に食べると……うんうん、おいしい! あおば餃子もしょうがのフレッシュな風味が立ってて、さっきのにんにく入りと全然違う印象になってる。そこにおばんざいもついてて、すっごく幸せな気分になれる丼です。

神棚の真正面に陣取って、いい「気」を浴びながらおいしい餃子を食べて、身も心も元気になった砂羽さんでした

いやー、連載も30回近くを数えるけど、今までにない餃子屋にまた辿りついてしまいました。しかも、そこが昔から知ってるせがわきりちゃんの店だったという(笑)。一般的な日本式の餃子ではない、まったく新しいジャンルを確立した餃子ですね。だからといって奇をてらった感じかというとそうでもなくて。日本人ならではの細やかな技術が活かされた、とってもおいしい餃子です。お店自体もきりちゃんのエッセンスが詰まった、すごくいいお店だと思う。今日は取材だったからバタバタしちゃったけど、今度はプライベートでゆっくり味わいに来たいなぁ、なんて思ってたら、なんと池尻餃子.が『ミシュランガイド東京2018』のビブグルマンに選出されたとか。おめでとうございます! こりゃ、これから予約取りにくくなっちゃうかしら?

最後はせがわきりさんと店長の長塚さんと一緒にギョーポー(餃子ポーズ)で記念写真!

池尻餃子.

住所:東京都世田谷区池尻2-26-6
電話番号:03-6453-1968
営業時間 :【火〜土】11:30〜14:00/16:00~24:00(L.O.23:00)【日】16:00~24:00(L.O.23:00)
定休日:月曜・第2日曜

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

この記事を書いたライター情報

鈴木砂羽

鈴木砂羽

女優

1994年に主演映画「愛の新世界」で注目を集め、同年ブルーリボン新人賞、キネマ旬報新人賞など多数の映画賞を受賞。以降、映画・ドラマ・舞台など幅広く活躍。日本テレビ「幸せ!ボンビーガール」出演中。「YOU」 (集英社)にてエッセイ漫画「いよぉ!ボンちゃんZ」連載中。

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