博多華丸に聞く福岡うどん愛「僕の一番はやっぱりあそこたい!」

特集

いま、福岡のうどんが気になる!

2017/09/19

博多華丸に聞く福岡うどん愛「僕の一番はやっぱりあそこたい!」

福岡・博多で生まれ育ち、芸能界でも指折りの福岡大好き芸人として知られる博多華丸さん。そんな華丸さんに、最近気になっていたというお店でうどんを食べてもらいながら、福岡のうどんをテーマにお話を伺った!

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

福岡うどんのことはこの人に聞くしかない!

博多華丸さん

 

福岡生まれ。2005年に上京。現在は東京と福岡を年250回往復する。趣味は野球観戦、マラソン、サウナ。グルメ芸人としても知られ、著書のグルメガイド本では福岡のうまいもんを多数紹介。好きなうどんは「ごぼう天」。

\聞き手はこの人!/

井上こん

井上こん

ライター

最近、福岡うどんの元気がいい。これまでは福岡のうどんというだけで、県外で「コシがない」「柔らかすぎ」など平板な言葉に押され気味な節があった。しかし最近は関門海峡を越え、都心でも健闘。かつてない上り調子にある。

そこで今回は、福岡の定番つまみや博多うどんで人気の『博多うどん酒場 イチカバチカ』恵比寿店にて、言わずと知れた福岡大好き芸人・博多華丸さんにお話を伺った。

『イチカバチカ』に来るのは初めてだという華丸さん
華丸さん
華丸さん
「どうも! 今日はうどんの話やね!」
ライター井上
ライター井上
「よろしくお願いします! はい。最近、都内では福岡系のうどん店のオープンが続いていますが、まだまだ東京の人にはその魅力が知られていません。そこで、福岡のうどんに精通する華丸さんにあらためて魅力を伺いたくて。華丸さんは生まれも育ちも福岡なので、物心ついたときにはすでにうどんが身近な存在だったのではないかと思います」
華丸さん
華丸さん
「そんりゃもう! 子どもん頃はよく親父に『うどんでも食ってこい』って小銭もらって近所まで食べに行ってたし、高校んときなんて毎日、朝練前に必ず学食で90円の素うどんを食べてたしね。でもどこか一つをオススメの店を挙げるなら、やっぱり『因幡うどん』だなぁ。とにかくダシが最高に旨い。お世辞でもなんでもなく、僕にとっては因幡さんが一番(鼻息粗く)!」
「うどんって特別な存在というより、いつもそこにあるんよね」
ライター井上
ライター井上
「『因幡うどん』こそ真の博多うどんだと博多っ子はみな口をそろえて言いますよね」
華丸さん
華丸さん
「そうやろ? 井上陽水さんも『冷蔵庫ん中にいつも因幡のダシ入っとうばい』って言うとったし(笑)」
ライター井上
ライター井上
「陽水さんも因幡ファンでしたか! 『因幡うどん』ではいつも決まった注文を?」
華丸さん
華丸さん
「僕は『ごぼう天・ネギ多め・かしわおにぎり』が決まりやね。ごぼう天は別皿でお願いする。ほら、あの丸いごぼう天、全部スメ(=ダシ)を吸うて、何食べようか分からんくなるやん。クラゲだらけの『盆過ぎた海水浴場』みたいな(笑)」
ライター井上
ライター井上
「衣がダシに溶けてジュビジュバになるアレですよね。ごぼう天の醍醐味というか」
華丸さん
華丸さん
「アレがうまいんよね~! でも僕の場合、“クラゲ祭り”は最後でいい(笑)。それよりかしわおにぎり(※)よ! 因幡の渡辺通店に行くでしょ? するとなぜか僕が行ったときだけかしわおにぎりが売切れとるんよ! こないだも『おばちゃん、かしわおにぎりないと?』って聞くと『ごめん~』って」(※かしわおにぎり=鶏ごぼうご飯のにぎり)
「1個。1個で十分なのよ」とかしわおにぎりへの思いを語る華丸さん
ライター井上
ライター井上
「うどんとかしわおにぎりは福岡では鉄板ですよね。そういうご当地ならではの食べ方やタネモノというか、たとえば、ごぼう天や丸天(魚のすり身を揚げたもの)は、県外であまり知られていないですよね。東京でも一部のお店でしか食べられません」
華丸さん
華丸さん
「ないよね。おでんダネみたいなもんと勘違いしてる人もいるやろ。そうだ、どうなんですか。うどんライターさんからみて、ごぼう天と丸天、みんなどっちで頼むの? オレはごぼう天:丸天=7:3くらいやと思ってる」
ライター井上
ライター井上
「そうですね。肌感覚ではそれくらいでしょうか。8:2くらいいく地域もあるかもしれません」
華丸さん
華丸さん
「やっぱりごぼう天が主流かぁ。でもたまに丸天を食べると『うまかぁ~! 忘れとったぁ~!』ってなるんよ(笑)」
ライター井上
ライター井上
「丸天といえば、余談ですが『大地のうどん』の高田馬場店で出している丸天が、もうこの世のものとは思えないほど柔らかくて美味しくて。よくあるムチッとした感じではなくふわトロなんです」
華丸さん
華丸さん
「何それ! 気になる!」
「ま、僕は丸天はムチッ派だけど!」
ライター井上
ライター井上
「しかしごぼう天や丸天以前に博多うどん自体、県外での知名度がまだまだなところがありますよね。華丸さんが博多うどんをまったく知らない人に魅力を説明するとしたら?」
華丸さん
華丸さん
「そりゃ『バリやわ』なところでしょう! 博多ではラーメンはバリかた、うどんはバリやわが基本。大抵の人は『なんで?』と聞いてくるから、福岡の人の気質を説明しながらお話するんですけど、ほぼご理解いただけませんね(笑)」
ライター井上
ライター井上
「なぜラーメンは固くてうどんは柔らかいのか矛盾に感じるんでしょうけど、共通点は『提供の早さ』ですよね。個人的には『うどんはコシがあってこそ』と固定観念が強い人が多い気もします」
華丸さん
華丸さん
「そうそう、どうしても『うどんは讃岐』って考えがあるでしょ? コシがあれば勝ちっていうか」
ライター井上
ライター井上
「だからこそ(よその人に)福岡のうどん食べてみてよって薦めたりはしないんですか?」
華丸さん
華丸さん
「しないしない。固定概念のある人に、しかもたった1泊2日しか福岡にいないようなときに博多うどんを薦めてもわかってもらえんもん。そこはもはや諦めてるというか、ベタにラーメンを薦めてる(笑)」
「みんな、夕飯にうどんが出てきたら『こんなん腹にたまるか』って怒るくせに、いざうどんを薦めたら『うどんなんて食べたら腹一杯になって何も食べれんくなる』とか言うやん」と困り顔の華丸さん

博多とは真逆! 華丸さんもハマる生姜の暴力うどん

うどん大国・福岡には、博多うどん以外にもご当地うどんが多く存在する。そこで華丸さんにも博多うどん以外の好みについて聞いてみた。

ライター井上
ライター井上
「せっかくなので、博多うどん以外でお好きなうどんのお話もいいでしょうか」
華丸さん
華丸さん
「そりゃアナタ、小倉の肉うどんよ!(興奮)」
ライター井上
ライター井上
「お! パワー系ですね。小倉では肉うどんにすりおろし生姜を大量に入れるのがポピュラーですけど、華丸さんも生姜を入れますか?」
華丸さん
華丸さん
「もちろん! 僕は“生姜の暴力”と呼んでるけど、黒いつゆだから生姜が合う。僕が初めて行った肉うどんの店は、皮を剥いた生姜がテーブルにドンと置いてあって、ツウはそれを『誰が触ったか分からん』って洗面所で洗ってから擦るんよ。朝6時くらいから賑わってるんにも驚いた。これから働きに行く人もいれば、逆に小倉でオールで飲んで生姜でアルコール飛ばしておやすみなさいって人もいて。肉うどんは北九州のソウルフードやね」
ライター井上
ライター井上
「お話聞いてるだけで食べたくなります! 他にはどこかあります?」
華丸さん
華丸さん
「そうねぇ……あ、広川インターの『太昌うどん』もいいねぇ。ダシはやっぱり福岡が一番旨いなぁと思わせてくれる。あそこではちかっぱネギ入れてね!」
ライター井上
ライター井上
「あぁぁぁ私も『太昌うどん』大好きです! 麺がトロトロで、博多うどんと全然違うんですよね。そういう意味で福岡のうどんの層って厚いなぁと思います」

華丸さん、『イチカバチカ』の味を初体験!

うどんトークは尽きないが、ここで一旦休憩。華丸さんもお待ちかねの『イチカバチカ』の博多うどんを食べていただこう! 昨年オープンした『イチカバチカ』では福岡の定番料理から博多うどんまで、福岡の食文化を丸ごと味わえると連日賑わいをみせる。

ライター井上
ライター井上
「こちら(=『イチカバチカ』)にいらっしゃるのは初めてですか?」
華丸さん
華丸さん
「うん。噂には聞いててずっと来たかったんよね。……お、うどん来たね!」
ごぼう天うどん700円。アゴ、ホタテの貝柱、焼きスルメなどから引いたダシとふわふわの柔麺、トッピングにごぼう天2種類が乗る
「いただきま~す!」
華丸さん
華丸さん
「……うんま! コレコレ、この柔さよ。ラーメンが伸びたのとは違うのよ」
ウンウンと頷きながらあっという間に平らげていく華丸さん
華丸さん
華丸さん
「ダシも福岡らしいし、ごぼう天も食べ応えがあっていい……あぁうまかぁ~! 福岡の味が東京で食べられるのはありがたいね! 」
福岡らしいつまみも。上から丸天250円、おきゅうとポン酢380円
完食後は店長に頼まれ、入口近くの壁にサインして終わり。東京でがんばる博多うどんに大きな華丸印、いただきました!
Yahoo!ロコ博多うどん酒場 イチカバチカ
住所
東京都渋谷区恵比寿南1-8-9

地図を見る

アクセス
恵比寿駅[3]から徒歩約2分
恵比寿駅[西口]から徒歩約2分
代官山駅[北口]から徒歩約8分
電話
03-5724-3130
営業時間
11;00~16:0017:00~翌2:00(日・祝は22:00まで)
定休日
なし(年末年始休みあり)
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

華丸さんが愛する 博多66年の味『因幡うどん』

因幡うどん渡辺通店。現在、福岡市内に5店舗を構える

「博多うどんといえばココ!」と挙げられることが多い『因幡うどん』。1951(昭和26)年に博多で創業した。華丸さんも訪れる渡辺通店は、博多駅から電車で10分ほど、薬院駅近くの一角で40年近くその佇まいを変えずにいる。

最盛期には福岡県内の飲食店で坪当たりの売上1位を記録したことも

渡辺通店で36年間に渡って店長を務めるのは森口由紀子さん。昭和16年生まれの76歳だ。身長は140㎝半ばくらいだろうか。小柄な身体で店内を動き回り、若いアルバイトに優しく指示を伝える。

相棒のそろばんを持つ由紀子さん。「昔は全部暗算やったけん。最近は念のためにね、うふふ」

由紀子さんの因幡人生は、ある日『因幡うどん』の前を通りかかった際、従業員募集の貼り紙を見つけたのが始まりだ。「働き口も探していたし、ちょうどいいかって」。その勤勉な仕事ぶりから、ほどなくして渡辺通店の店長に。「当時の幹部の方に『お前に任せる』って言っていただいてね。うれしかったわぁ」。

そんな由紀子さんを“おばちゃん”と慕って足を運ぶお客も多い。取材に伺った際も、「私、20年ぶりに来たんですよ。いやぁなんだか懐かしい」と由紀子さんに話しかける男性の姿も。また華丸さんのように芸能界にも因幡ファンは多く、福岡出身の武田鉄也さんや財津和夫さんもプライベートでよくこちらを訪れる(武田さんはちょうど数日前に来店したばかりだとか!)。

一番人気は昔から変わらず「ごぼう天うどん」だ。

ごぼう天うどん480円

鰹節、五島イリコ、さば節などから引いた黄金色のダシ。塩味の効き方が絶妙なこと。真夏だろうが関係ない。額に汗を浮かべながらゴクゴクと飲み進め、恍惚のひとときへと昇り詰める。

麺もダシも1日3回、近くの工場から配送される。麺は配送前に茹でるため、店舗に到着するころには博多うどんらしい柔らかい仕上がりになるそうだ。

創業から変わらない味

福岡でごぼう天を出す店は数多あるが、ここのは異色だ。薄切りのごぼうが乗る円形の衣はダシをぐいぐい吸い、ふやけて細胞分裂のごとく解けていく。すると丼の中は、スキャット的にいえば“ジュビジュバ”、華丸さんの言葉を拝借すれば“クラゲ祭り”と化す。この、ごぼう天の液状化こそ、ここの醍醐味なのだ。せっかちな博多っ子のため、すぐ出せるようにと考えられた柔麺。そしてあっという間にとろけるごぼう天。『因幡うどん』の丼の中には、小さな博多がある。

Yahoo!ロコ因幡うどん 渡辺通店
住所
福岡市中央区渡辺通2-3-1

地図を見る

アクセス
薬院駅[1]から徒歩約2分
薬院駅[中央口]から徒歩約3分
渡辺通駅[1]から徒歩約4分
電話
092-711-0708
営業時間
[月~土]10:00~20:30(L.O)[日・祝]10:00~20:00(L.O)
定休日
無休
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

取材・文/井上こん
華丸さん撮影/川村将貴

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