福岡のヌードルライターに聞く、本当は教えたくない絶品うどん店

特集

いま、福岡のうどんが気になる!

2017/09/19

福岡のヌードルライターに聞く、本当は教えたくない絶品うどん店

福岡を拠点に活躍するヌードルライター・山田祐一郎さん。製麺所を実家に持ち、あらゆる麺類を愛する麺のスペシャリストだ。特に、うどん愛は格別! 今回は、そんな彼に聞いた「本当は教えたくない絶品うどん店」を巡ってみよう!

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

膨大な数から「教えたくない3軒」を厳選!

福岡には一体どれほどうどん店があるのだろう。タウンページから算出されたデータによると、現在、福岡にあるうどん店は1200軒前後といわれている。さぁ、福岡のうどんを見つめ続けてきたスペシャリストは一体どんなお店を薦めてくれるのだろうか?

\お薦めしてくれたのはこの人!/

山田祐一郎さん

山田祐一郎さん

ヌードルライター

ごまの波状攻撃にクラクラ!「杵むら」

まず山田さんが薦めてくれたお店があるのは、中央区薬院。地下鉄薬院大通駅から徒歩2分、無機質なコンクリートと木々が一体化した不思議なビル2階の「杵むら」を訪れた。

路地裏にひっそりと佇む。ちなみに読み方は「キネムラ」ではなく「キムラ」。創業者・木村さんが開店する際、木村の「木」をうどん屋らしい「杵」の字とかけたそうだ

現在のご主人・中山雅弘さんは「ものづくりがしたい」と脱サラ、お気に入りだった「杵むら」の門戸を叩き、時を経て2代目となる。今年19年目を迎える「杵むら」の一番人気が、山田さんもほれ込む「ごま味噌うどん」だ。

山田さん
山田さん
「ごまの香りがふわりと立ち上り、目の前に丼が置かれた瞬間に食欲を刺激されます!」
ごま味噌うどん880円。むせ返るようなごまの香りに一瞬にして脳が支配される

波のように押し寄せるごまの香り。そして味わいもそれに負けないくらい濃厚で力強いときた。もう一口、また一口と飲み進めたくなるのは、隠し味に使っている甘みの強い自家製白味噌がいい仕事をしているのだろうか。

山田さん
山田さん
「そうなんです。この味噌がとてもまろやかで。また、味噌の風味の中にもしっかりと出汁が生きたつゆが秀逸です」
いりごまとすりごまの2種類をたっぷり使い、ダシにはカツオ節やウルメ節、サバ節など
山田さん
山田さん
「そして、トッピングのつくねのコリっとした食感がアクセントになっているのもポイントです」

ぷりりっと弾力があり、またシイタケ、ごぼう、レンコンなどさまざま具材が使われたつくねは、コレだけで一つの料理として成り立つくらいハイレベルだ。

天井の配管などほったらかし感がカッコイイ空間に、二胡やハープのBGMと木製家具が温かみをプラス
山田さん
山田さん
「丼のセレクト、そして内装と空間全体がセンス抜群で、そんな空気感がうどんを一層おいしく感じさせる名店です」
Yahoo!ロコうどん杵むら
住所
福岡市中央区薬院2-14-28 アデカッツビル 2F

地図を見る

アクセス
薬院大通駅[2]から徒歩約3分
薬院駅[1]から徒歩約8分
薬院駅[中央口]から徒歩約8分
電話
092-714-2323
営業時間
[月~金]11:30~15:00>※ランチ丼セット有り17:00~23:00[土日祝]【土・日・祝】11:30~22:00※麺・出汁が売り切れた場合、通常の営業時間内でも早めに閉店致します。
定休日
第1・3月曜日
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

ふわふわ卵に包まれて「うどん処 松島」

続いてやってきたのは、うどん激戦区・赤坂。

山田さん
山田さん
「ご紹介するのは、地下鉄赤坂駅近くの路地裏に佇む隠れた名店です。夫婦が二人三脚で営むお店で、麺は手打ち、手切りを信条とされています」
平成2年創業。海外からの旅行者向けの本にも掲載されているため、外国人客も訪れる
ランチタイム後、ダシの残り香が漂う店内で博多っ子のご主人・松島郁夫さんと百恵さんの仲良し夫婦が迎えてくれた
山田さん
山田さん
「僕のおすすめはとじごぼう。常連さんにおなじみの裏メニューで、卵とじうどんにごぼう天をトッピングした一杯です。出汁を加えて仕上げた熱々のとき卵をごぼう天にかけて出すことで、ごぼう天の風味が息を吹き返したかのように引き立つんです!」
ご主人も「一級品たい!」と自慢の羅臼昆布と亀節、ウルメ節から引いたダシにふわふわの卵がたっぷり絡む

メレンゲのような卵をそおっと口に含むやダシが溢れ出し、穏やかな仕上がりに全身からみるみる力が抜けていく。反対に麺は主張タイプ。粉は熊本産中心。いわゆる博多で好まれる柔らかい麺ではなく、1本ずつ口に運び、むちっとした押し返しを丁寧に味わわせる。グリンとよじれていたり、厚みも太さも不揃いだったり、不思議なドライブ感にもう虜だ。

表情に富んだ生き麺。「まるで生き物のように動きがあって、口にしたときに本当に躍動感を感じさせ、唇が、そして舌が大変喜びます!」と山田さんも太鼓判の松島の麺

「学生時代に博多さぬきの店でうどんの基本を覚えた。今はもうオレ流やけんね。ごぼう天の卵とじも博多にはない。ぜ~んぶ自分の感覚ったい」とご主人。

「タイマーは使わない主義」というご主人。背中越しに、家でたまに打つんですと話すと「じゃあコレ持ってき!」とあれよあれよという間にお店で使われている小麦粉と昆布を包んでくれた
Yahoo!ロコ松島
住所
福岡市中央区赤坂1-11-5

地図を見る

アクセス
赤坂(福岡県)駅[1]から徒歩約2分
天神駅[1]から徒歩約9分
西鉄福岡駅[ソラリア口]から徒歩約11分
電話
092-712-1692
営業時間
[月~金]11:30~15:30 18:00~終了まで(LO.20:00)[土・祝祭日]11:30~15:00
定休日
日曜日
口コミ・写真など

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福岡の定番、〇〇に特化した唯一の店「万平うどん」

最後に訪れたのは昨年末、城南区七隈から博多区東那珂にあるショッピングモール・フォレオ博多に移転した「万平うどん」。

山田さん
山田さん
「こちらは福岡唯一の丸天専門店です。 もともと和食の料理人だった店主が開業しただけあり、まずつゆが抜群にいい。塩を使わず、昆布やカツオ節によってとった出汁、そして醤油本来の味によってつゆを豊かな味わいに仕上げています」

ふたりの息子さんと店を営む平井秀一さん。18歳から和食の料理人として30年働き、うどん屋に転身。「和食は幅が広いですが、突き詰めるとダシの話になる。であれば、大好きなうどんと和食時代に得意としていたすり身の専門店で勝負してみようと思いました」と平井さん。

山田さん
山田さん
「こちらはすべての丸天を揚げたてで出してくれるのが嬉しいです。 特に山芋の丸天はふっくら感がすごい。エアリーで口に入れた瞬間、幸せな気分になります」
山芋丸天うどん600円。通常、丸天といえばすり身をそのまま揚げるためきつね色だが、こちらは蒸してから揚げるため白い

この山芋丸天、ファーストタッチはふんわり優しく、とろけるように甘みを残して消えていき、もう笑ってしまうくらいステキ。また、他にはベーコン、チーズなど丸天メニューが常時10種類。さらに毎月一つ、春なら「菜の花とワカメ」「ヒジキと筍」、冬なら「レンコンと柚子皮」といった旬を意識した限定品がメニューに仲間入りする。二度と同じメニューが出ることはないというから、足を運ぶ楽しみも増えるというものだ。

山田さん
山田さん
「麺にも注目してください。筑紫郡の名店『ほり野』直伝で、やわらかい中にコシがあり、とても満足度が高いですよ!」
表面は磨いたようにツヤツヤ。にゅるんと食道を通って胃袋に収まっていくのが心地いい

やはり和食のプロが作るだけあって、ダシのバランスが桁違い。カツオ節に昆布、雑節、しいたけ、隠し味のザラメ……ふくよかな旨みに丸天のコクが交錯する。

開放的な店内には大きな窓から光が射し込む。席数も移転前の3倍に増加
Yahoo!ロコ丸天うどん専門店 万平
住所
福岡市博多区東那珂1-14-46 フォレオ博多 2F

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アクセス
竹下駅[出口]から徒歩約13分
東比恵駅[3]から徒歩約26分
大橋(福岡県)駅[東口]から徒歩約29分
電話
092-710-7507
営業時間
11:00~20:00
定休日
無休
口コミ・写真など

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ごま味噌に、とじごぼう、丸天専門……福岡には数多のうどん店があるが、その中でも個性的な面々(麺々)をご紹介いただいた。ベーシックな博多うどんはもう押さえてあるという人は、これを参考に福岡うどんのセカンドステージに進んでみよう。


取材・文・写真/井上こん

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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