飢えたサラリーマンの激戦区! 新宿で食べたいカツカレー3選

特集

今日はどうしてもカツカレーが食べたい!

2017/09/07

飢えたサラリーマンの激戦区! 新宿で食べたいカツカレー3選

眠らない街・新宿は、サラリーマンの街でもある。ハードワークに立ち向かうパワーを補うにはカツカレーが最適! 新宿のサラリーマンの胃袋を支えてきた3軒をご紹介!

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

案内するのは、日本のカレーが世界一うまいと思っているライターまるいくにお

カレーは人生最高のスパイス!

旅行が趣味で、インド、ネパール、ミャンマー、バングラディシュのカレーを食べ比べてきたライターのまるいくにお。アジアをめぐってたどり着いたおいしいカレーは日本にあったという、釈迦の手のひらで踊らされたような経験を持っている。

日本のカレーが素晴らしいのはルーに深みがあり豊富なトッピングが選べること。特にカツカレーは人気が高い。そんな私が大都会・新宿でどんなカツカレーと巡り合ったのか!? 今回は、飢えたサラリーマンの激戦区! 新宿でおすすめしたいカツカレーを食べ歩いてきた。

\新宿に来たらぜひ食べたいカツカレー3選/

1.メニュー&トッピングが充実! 『カレーハウス11イマサ』
2.サラサラカレーを食べたくなったら迷わずココ! 『モンスナック』
3.とんかつの老舗!世界中から人を呼ぶ「とん丼」の魅力! 『王ろじ』

1.『カレーハウス11イマサ』

メニュー&トッピングが充実! 巨大地下街に漂うスパイスの香り

明るいディスプレイと豊富なメニューが目を引く

新宿駅中央西口改札を出てまっすぐ進むと漂ってくるカレーの匂い。小田急エースと京王モールの境となる十字路、左手にある『カレーハウス11イマサ』は1964年創業で50年以上続く老舗

広く感じる店内では注文が入るたびに店員さんの元気な声が飛び交う。25席ある店に朝7時から23時まで、ひっきりなしにお客さんが訪れる。

人気の理由は好立地なだけではない。おいしいのはもちろんのこと、メニューとトッピングがそれぞれ20種類、そしてリーズナブルな価格もその一因だ。今回頼んだロースカツカレーは650円、一番高いメニューでもトッピングが充実したMEGAカレー800円である。

\こちらがロースカツカレー650円/

シンプルなカレールーに食欲をそそられる

注文したカツカレーが届いたので食べてみる。シンプルでとろみのあるカレールーは、カツの衣と肉の両方にスーッと染み込み、ほどよい辛味が食欲を掻き立てる。カツの衣にはブラックペッパーがまぶしてあり、ピリリとした辛みがアクセントになっている。

そのままでも十分に堪能できるが、カウンターに置かれたカレーホット(辛味オイル)やガラムマサラで辛さや香りを自分好みに追加することもできる。カレーホットは別売り(700円)で購入することも可能だ。

笑顔で提供してくれる副店長の赤川雄太さん

カレーハウス11イマサは、11番目に作られた店舗だった!

まるい
まるい
「メニューが豊富ですが人気のメニューは何ですか?」
副店長 赤川さん
副店長 赤川さん
一番出るのはチキンカツカレーです。その次はビッグカツカレー。トッピングでは温泉たまごやチーズなどが人気です。シーズンごとに新メニュー会議をして入れ替えたりしています。今のイチオシは背脂カレーです」
まるい
まるい
「普段訪れるのは、どんなお客さんが多いですか?」
副店長 赤川さん
副店長 赤川さん
「やはり1人のお客さんが多いですね。女性でも1人でいらっしゃるお客様が多いです。場所が駅の改札から近いので、最近では外国人のお客様も増えていますね。バスタ新宿からスーツケースを転がしながらいらっしゃいます」
まるい
まるい
「店名の11という数字にはどんな意味があるのですか?」
副店長 赤川さん
副店長 赤川さん
「実は過去には1から順に、カレーに限らずさまざまな業種のイマサという店舗が存在していました。今残っているのが11番目の店舗のみ、ということになります」
まるい
まるい
「お店やカレーへのこだわりを教えてください」
副店長 赤川さん
副店長 赤川さん
「スタンドカレーなので、サッと来て低価格でおいしいものを召し上がっていただけるよう努力しております。ルーはカレーのタイプに合わせて数種類用意しています。肉のこだわりは、カナダ産の生肉を仕入れ、一度も冷凍させずに毎日手仕込みしていることですね」
写真はいいから早くカレーを食べさせてくれ! そんな思いからか目が笑っていない

『カレーハウス11イマサ』では日本人好みのオーソドックスなカレーから本格的なインドカレー、はたまた変わり種の背脂カレーなど多様な味が楽しめる。インドの庶民的なレストランでもさまざまなカレーを選べるが1店舗でここまでの種類はない。

6種類あるルーは、ビーフ、ポーク、チキン系のとろみがあるタイプ、インドカレーやグリーンカレーのサラッとしたタイプ、キーマカレーのドライタイプと充実している。

新宿での打ち合せや仕事帰りに寄ってほしい。人気店なので午後から夕方が狙い目だ。

2.『モンスナック』

サラサラカレーを食べたくなったら迷わず紀伊國屋ビルの地下へ

昭和39年から続く老舗カレースタンド

『モンスナック』は1964年の紀伊國屋ビル竣工当時から店を構える歴史ある名店だ。丸の内線などの地下鉄出口からも直結しており雨でも濡れずに来ることができる好立地。もちろんそれだけが理由で永く続けてこられたわけではない。

サラサラカレーで有名な『モンスナック』。地下飲食店街で15~16席のカウンターテーブルがある小さなお店だが、店の内外に貼られた雑誌の取材記事や芸能人のサインが人気店であることをうかがわせる。

14種類の豊富なメニュー

店内でさっそくカツカレー(900円)をオーダー。カツは注文してから揚げてくれる。提供されたカツカレーは噂どおりルーがサラサラ。お皿をちょっとでも斜めにすると流れ出てしまいそうだ。

\サラサラカツカレー到着/

カツカレー(900円)。これぞカレーは飲み物と言わんばかりのサラサラ感!

食べてみると、辛さよりも旨味が先に立つ。ネパールの露店で食べた豆スープのカレーは、サラサラだったが水っぽく味気なかった。比べては恐縮だが『モンスナック』のサラサラカレーは味に深みがある。そのとろみはシチューのようだ。

揚げたてのカツはサラサラのルーとほどよく絡む。ルーの中を泳ぐ豚肉は柔らかく煮込まれており、小学生の頃食べたカレーのよう。昭和のカレーにはどこの家でもこのような豚肉が入っていたのだ。

カレーを注文したお客さんにはコーンサラダをサービス。甘くてシャキシャキのコーンが口の中をさっぱりさせてくれる。

祖母の時代から受け継がれるカレーの味

店主の矢吹雄一郎さん
まるい
まるい
「『モンスナック』のこだわりを教えていただけますか?」
店主 矢吹さん
店主 矢吹さん
創業当時から変わらないサラサラのカレーですね。サラサラ具合というか、とろみは簡単そうで真似できない。『家で作ってみたけど同じようにできない』と言われることもあります」
まるい
まるい
「お客さんはどのような方が多いですか?」
店主 矢吹さん
店主 矢吹さん
「1人で来店されるお客様が多いですね。女性のお客さんもいらっしゃいます。また、芸能事務所や演劇のホール、舞台なども近いので芸能人の方も普通に来店されることがあります。また、古い常連さんのご子息が成人して『父親に聞いて来店しました』など二世代、三世代に渡ってご来店いただくこともありますね」
地下街に掲げられているカレーの看板
まるい
まるい
「お店を始められたのは、どのような経緯だったのですか?」
店主 矢吹さん
店主 矢吹さん
「祖父が早くに亡くなり、祖母がお店をやってみてはどうかと知り合いに勧められたのがきっかけだそうです。どんな料理を出そうかと考えていたところ、洋食屋のコックからサラサラカレーはどうかと助言をもらい、スタンドカレーのお店を始めることになったと聞いています。コンビニなどない時代でしたので、仕事帰りなどにここへ立ち寄ってから家に帰るサラリーマンが多かったそうですよ」
まるい
まるい
「歴史を感じますね。『モンスナック』の店名にはどんな由来があるのですか?」
店主 矢吹さん
店主 矢吹さん
「“モン”というのがフランス語で“お気に入りの”という意味です。それと“スナック”を掛け合わせて“お気に入りの軽食屋さん”ということで『モンスナック』という名前になったとのことです」
サービスのコーンサラダはシャキシャキであまーい!

紀伊國屋ビルの地下街にあり、雨に濡れずにたどり着けるのも魅力的な『モンスナック』。ランチはもちろん書籍を買いに来たついでなどに、ぜひ立ち寄ってみよう。

3.『王ろじ』

とんかつの老舗! 世界中から人を呼ぶ「とん丼」の魅力!

新宿東口を出て新宿通りから三丁目へ向かう。途中の路地を左折して奥へと進んだ先にあるとんかつの店だ。店名の「王ろじ」には「路地裏の王様になる」という思いが込められている。

落ち着いた雰囲気の店の前には数人が列を作っていた。昼休憩の直前に訪れてもお客さんが並んでいるのは、さすが人気店だ。

「創業大正十年」の看板が老舗の貫禄

人気メニューは1日200食以上出るという「とん丼(1050円)」。元気のいい店員さんにオーダーすると「13分ほどお待ちくださいね!」と告げられる。注文が入ってから揚げるというのは期待が膨らむ至福のおあずけタイムだ。

その間に店内を見回す。昔ながらの飲食店といった雰囲気だが、清掃が行き届いており清潔な印象を受ける。厨房からたびたび「ジュワー!」という音がすると、つい自分の番かとそわそわしてしまう。

座席はカウンターが4席、4人掛けのテーブルが4つ、2人掛けテーブルが1つ、地下には4人掛けテーブルが3つほど。海外のガイドブックにも紹介されたそうで、この日は外国からのお客さんが多かった。

おひとり様の来店にもありがたいカウンター席

ついに待ちわびた「とん丼」が目の前に置かれる。独特の器に入れて運ばれてきた「とん丼」は、いわゆるカツカレーのイメージとは違っていた。スプーン置きとも雫受けとも解釈できる底の付いた丼は先代が考えたオリジナル品だ。

\とん丼、着丼!/

独特な形をしたロースカツ。酸味のあるソースがカツの味を引き立てる

しかし、丼よりも気になるのが中身である。それではさっそく実食! 上に乗っているロースカツはヒレ肉と間違うほどの柔らかい食感。酸味のある濃厚なソースがかかったカツは単体でも満足度が高い。カツの下に敷かれたカレールーは昭和の懐かしい味。カツを引き立たせる脇役のようでライスとの相性も良い絶妙なルーだ。

特徴的な器が目を引く名物の「とん丼」(1050円)

カツとカレーで口の中がまったりしてきたところで、漬物に手を伸ばす。これが口の中の辛さを打ち消してくれる、ほどよい塩気の役割を果たしている。カツを食べ、カレーを食べ、カツにカレーをまぶし、漬物を食べて……というループを繰り返しているうちに、あっという間に完食してしまった。おそらく女性でも余裕のボリュームだろう。

名物「とん丼」は奇才の先代が生み出した宝物

気さくに取材に応えてくれた二代目店主の来住野正明さん
まるい
まるい
「神楽坂で創業したと伺いましたが、新宿に移転したのはいつ頃ですか?」
店主 来住野さん
店主 来住野さん
「大正10年に神楽坂でフレンチレストランとして創業したのですが、関東大震災を機に新宿の一二社(じゅうにそう:現在の西新宿四丁目付近)に移転、戦後になって現在の場所を紹介してもらい営業を続けています」
まるい
まるい
「先代は面白い方だったようですね?」
店主 来住野さん
店主 来住野さん
何事も一番でなければ気が済まないような人でした。家紋入りの着物をあつらえて写真館で写真を撮ったり、神楽坂や十二社の花柳界へと顔を出したりしていましたが、仕事は人一倍真面目でしたよ。今でも使っている独特な器を考えたり、豚の尻尾をイメージした店名のロゴをデザインしてみたり、なかなかの奇才でした」
家紋をあしらった着物で写真に写る先代(左)。店名のロゴ(右)も先代が考案した
まるい
まるい
「『とん丼』はいつ頃からメニューにありましたか?」
店主 来住野さん
店主 来住野さん
「戦後に現在の場所に移転してからです。ただ、最初の『とん丼』は今とは違いました。ご飯の上にカツを乗せて甘辛いソースをかけた『とんかつ丼』のようなものだったのですが、私が小学生の頃、先代が突然『これからはカレーをかける!』と言ってメニューを変更しました。私としては以前のとんかつ丼の方もおいしくて好きだったんですけどね」
まるい
まるい
「なるほど(笑)。そこで生まれた『とん丼』のこだわりについて教えてください」
店主 来住野さん
店主 来住野さん
「『王ろじ』ではロースにこだわっています。肉の下処理を丁寧に行うことで柔らかい食感になるようにしています。ヒレカツと間違えられることもありますよ(笑)。ルーはたまに蕎麦屋のカレーっぽいとも言われますが、スパイスが豊富ではない時代に、手に入る材料を工夫し、それぞれ個性の強い具材を混ぜ合わせてひとつの味にしてきたそうです。手間のかけ方が違いますよ
まるい
まるい
「人気メニューはやはり『とん丼』ですか?」
店主 来住野さん
店主 来住野さん
「一番人気は『とん丼』ですが、『とんかつセット(1800円)』や『とんサンドウィッチ(1050円)』も人気です。『とんサンドウィッチ』は特製ソースにカツとカレーが交わった特徴的な味です。ほかのカツサンドでは味わうことができない食感ですね」
一口食べてロースカツの柔らかさにびっくり!

創業から今年で96年を迎える「王ろじ」。ここまで続けてこられた秘訣は「時代の流れに乗らないこと。流行りに流されず原点の味を変えなかったからここまでやってこられた」と来住野さんは言う。

ずっと変わらない伝統のカツカレー、ぜひ一度食べに行ってはいかがだろうか。

王ろじ

住所:東京都新宿区新宿3-17-21
アクセス:東京メトロ新宿三丁目駅から徒歩2分、JR・小田急線・京王線新宿駅から徒歩5分
電話:03-3352-1037
営業時間:11:00〜14:50、17:00〜20:20(火曜のみ11:00〜14:50※夜営業なし)
定休日:水曜日(祝日の場合は翌日)、1月は3日から営業

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


飢えたサラリーマンの激戦区! 新宿で食べたいカツカレーの店はいかがだっただろうか。

日本のカレーは、ミャンマーの油っぽいカレーやバングラディシュの何でもカレー味を付けるのとは違い、アジアの中でも独自の進化を遂げてきた。最近ではその味を求めて海外からの観光客もよく訪れる。日本のカレーは世界一うまいのだ!と誇らしい気持ちになる。

どの店舗も新宿駅からアクセスがいいので、ぜひ近くに寄った際は世界に羽ばたくカツカレーの味を堪能してみよう!


取材メモ/今回ご紹介した3店は新宿のカレー店でも歴史ある店ばかりです。老舗店のマスターは頑固オヤジばかりなんじゃないかとビクビクしながら取材に挑んだのですが、みなさん気さくで話かけやすく、とても優しい方ばかりでした。

取材・文=まるいくにお(リベルタ)/撮影=五十嵐鉱太郎(カレーハウス11イマサ)、筒井 “Nick” 智子(モンスナック、王ろじ)

\あわせて読みたい/

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

グルメ、おでかけ、イベントなど、ライフスタイルを豊かにする情報を編集部が厳選して紹介します。

SPECIAL

SERIES