岐阜・大野町の「株式会社ヌベール」菓子職人の技と心意気が光る

2017/09/11

岐阜・大野町の「株式会社ヌベール」菓子職人の技と心意気が光る

原材料や製造方法にこだわりながら、100種類以上の和洋菓子を生み出してきた株式会社ヌベール。「お菓子で笑顔の製造業」を社訓に、今日も一つひとつ心を込めた菓子づくりに励んでいます。

中広

中広

「人の手が命」を掲げて手作業で菓子を製造

周囲に田んぼが広がる場所にひっそりと建つ水色の建物。社名は、フランスの中央に位置する地方都市「ヌベール」が由来です。事務所の東側に菓子製造のための工場を構えています。

株式会社ヌベール取締役会長 岩間一さん
株式会社ヌベール取締役会長 岩間一さん
「工場が併設していると聞くと、すべてが自動化されていると思われがちですが、ヌベールの始まりは小さなケーキ屋さん。そこから少し規模が大きくなっただけです」
小麦粉不使用で製造されたマドレーヌとバウムクーヘンの新商品「グルテンフリー」

工場内ではスタッフが丁寧に卵を割り、生地を混ぜ、バウムクーヘンを焼く芯にクッキングシートを巻いています。ほとんどの工程が手作業で進められており、オーブンやスライサー、包装機などの機械は作業の脇役に過ぎません。

こだわりが詰まったヌベールの顔のひとつが「潤いばうむ」。ひと口食べると、しっとりした舌ざわりと、バターの豊かな香りが広がります。みずみずしくモチモチとした食感が好まれ、買い求めるファンは少なくありません。しっとりを通り越して潤いと名付けられた商品名にうなずけます。

餡が3層になった「ことほぎふゎとろ」は「グルテンフリー」と合わせ人気商品のひとつです

独自の食感を追究した、しっとりを通り越した潤い

潤いがあるバウムクーヘン誕生までには、長い道のりがありました。

株式会社ヌベール取締役会長 岩間一さん
株式会社ヌベール取締役会長 岩間一さん
「1976年の創業当時から、結婚式の引き菓子や洋菓子専門店向けにマドレーヌやパウンドケーキ、チーズケーキのほか、バウムクーヘンなどを製造してきました。約10年前から原材料に米粉を調合し、独自の洋菓子を製造していました。あるとき、バウムクーヘンの製造に職人がひと手間を加えたところ、みずみずしさが増したのです。東南アジアのある菓子にヒントを得た秘密の製造方法です」

これまで味わったことがないみずみずしい食感にスタッフは驚き、商品化に向けて幾度も試作を重ねました。

製造工程には人の手が加わることが多い。一本ずつ芯にクッキングシートを手巻きしています
株式会社ヌベール取締役会長 岩間一さん
株式会社ヌベール取締役会長 岩間一さん
「試作回数の増加に比例して、だんだんとしっとり感が消えてしまいました。みずみずしさを出すためには、製造に微妙な調整が要求されるのです」

スタッフはあきらめず、ミキサーなど機械化していた工程を手作業に見直すと、潤いが復活しました。

株式会社ヌベール取締役会長 岩間一さん
株式会社ヌベール取締役会長 岩間一さん
「それでも、通常のバウムクーヘンよりも水分が多いため、焼いている最中に生地を巻く芯から落ちてしまったことも。また、焼き色を少しでも濃くしようとすると、風味が落ちてしまいます」
小麦粉や卵、砂糖やマーガリンなどを計量して原材料をそろえます。1日に使う卵は4000個以上

現在でも、製品すべてがきれいに焼き上がるわけではありません。「潤いばうむ」の製造担当者からは「どの工程も緊張の連続です」という声が聞こえます。潤いを生む「潤い製法」は企業秘密。

「もし、『潤いばうむ』のレシピを知ったとしても製造できないでしょう」と岩間会長は明言します。菓子職人の経歴を持つ会長の言葉から、製造方法の難しさが推測されます。

職人の努力と苦労の結晶が詰まった「潤いばうむ」は2012年、販売スタート。開発から1年半が経過していました。


日本の中央部に位置する、大野町で営むケーキ工房

「『潤いばうむ』は、生地のしっとり感にこだわるため、卵の黄身と白身を混ぜる『共立て』ではなく、黄身と白身を別々に混ぜる『別立て』を採用しています。このとき混ぜるのはミキサーではなく人の手。やはり、手作業では味が違いますから」と説明してくれるのは、営業部長である伊藤浩寿さん。二の腕まである長い手袋をつけたスタッフは砂糖やマーガリン、卵黄などを入れた容器にメレンゲを投入。気泡を潰さず、さっくりとかき混ぜます。ふんわりとした食感を出すために大切な工程のひとつです。

バウムクーヘン用のオーブンで、生地の厚みを少しずつ補いながら焼いていきます。熟練の技が必要な作業です。焼き上がると冷蔵室で冷却。室温5度で急速に冷やします

ほかにも、こだわりは随所にあります。原材料となる卵は岐阜県産、小麦粉は愛知県産を使用。カステラやバウムクーヘン、クッキーなど担当業務を数年ごとに入れ替えて一人ひとりの技術の幅を広げる人材育成も図っています。バウムクーヘンの焼き上げを10年担当するスタッフは、「焼き色と形も大切ですが、焼き上がった生地を持ち上げるときの利き腕によって、左右の膨らみ具合が変わってしまう場合があります。一瞬も気を抜けません」と目を光らせます。

スライサーを使い、バウムクーヘンを規定の大きさにカットします

大野町で生まれ育った岩間会長。「大野町の魅力は、日本の中央部にあるので交通の便が良く、それでいて静かで空気が良いところ」と地元について誇らしげに語ります。数多くの努力が実を結んだ「潤いばうむ」のおいしさの影には、緑豊かな大野町の空気や水も一役買っているのでしょう。「地元の方にも自慢の菓子を食べてほしいですね。『潤いばうむ』は、生クリームをつけて食べるのもおすすめですよ。事務所では直売をしているので気軽にお越しください」と笑みを見せます。柿とバラの名産地のひとつである大野町。さらなる名産品として、「潤いばうむ」が加わる日に期待が高まります。

株式会社ヌベール。営業時間は8時〜17時。定休日は日曜日、盆期間、年末年始。アウトレット商品も購入できます
Yahoo!ロコ株式会社ヌベール
住所
岐阜県揖斐郡大野町大字上磯16-1

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電話
0585-32-3800
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

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