揺るぎない250年の伝統「むしろ麹法」で造るかめびし醤油

特集

体験型スポットいっぱいの香川へ

2018/01/13

揺るぎない250年の伝統「むしろ麹法」で造るかめびし醤油

創業は宝暦3年(1753年)。江戸時代の中期、9代将軍・徳川家重の時代で、なんと264年前! 創業当時から変わらず伝統的な製法である「むしろ麹法」による醤油造りを続けている醤油メーカーがあります。そんな醤油蔵で「マイしょうゆ作り体験」ができると聞き、蔵を訪ねてみました。

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

「マイしょうゆ作り体験」で身近な調味料、醤油について学ぼう!

日本人の食生活に密着し、日本の食卓には欠かせない万能な調味料・醤油(しょうゆ)。日本農林規格によって「こいくち」「うすくち」「たまり」「しろ」「さいしこみ」と5種類に分類されており、造り方もそれぞれ異なります。今回は香川県の東かがわ市で醤油造り一筋264年、江戸時代から伝わる「むしろ麹(こうじ)法」を日本で唯一守り続ける蔵元「かめびし屋」で、オリジナルの醤油を作ってきます!

古くから醤油醸造が盛んに行われ、その面影を残す町並みが魅力の引田地区に位置する

\私が体験してきました/

村山ゆかり

村山ゆかり

フリーライター

古い町並みにひときわ目立つ真っ赤な壁。「かめびし屋」は鬼門とされている東北の位置に門があり、その門を魔除けのベンガラ色(赤みを帯びた茶色)にしていることから、壁の色も同じように赤くしているそうです。

また、店舗や醤油蔵など敷地内にある18棟の建物は、国の登録有形文化財に登録されているとのこと。詳しくはお店の方に話を聞くことができるので声をかけてみるのもいいかもしれません。

この地区で、麹から醤油醸造を行うのは「かめびし屋」のみ

日本で唯一残る伝統製法「むしろ麹法」を見学!

今回挑戦する「マイしょうゆ作り体験」約90分のコース(一人800円、要予約で3名から)。蔵人として醤油造りに携わる泉守(いずみまもる)さんに蔵を案内してもらいながら体験場所へ。途中、何やら趣ある機械を発見。

圧搾機。搾りたての「生しょうゆ」はショップで購入できる
ライター村山
ライター村山
「この大きな機械は何ですか?」
かめびし屋 泉さん
かめびし屋 泉さん
「これは圧搾機です。のちほどご案内するのですが、もろみ蔵で熟成されたもろみを搾る機械です。あちらに干してある風呂敷にもろみを包み、約100枚を重ねたものを4列並べた状態で上から力を加えて1週間ほどじっくりと時間をかけて醤油を搾り出していきます。このときの搾りたてを生醤油(なまじょうゆ)と呼びます」
ライター村山
ライター村山
「1週間もかけて搾るんですね! それを聞いただけでも貴重な醤油だということが分かります。この建物自体もとても古そうですが、いつの時代に建てられたものですか?」
かめびし屋 泉さん
かめびし屋 泉さん
「こちらの建物は江戸時代に建てられて、登録有形文化財に登録されているんですよ」
もろみを包む風呂敷(布)からも醤油の香りが

先ほど泉さんに教えてもらった風呂敷が並んでいます。この横を通って、もろみ蔵へ。

このもろみ蔵で麹を発酵させたものが、もろみとなります

もろみを熟成させるための空間、もろみ蔵。「むしろ麹法」で造った麹を塩水とともに桶に仕込んでおく場所です。蔵の中には、巨大な杉桶が並び、なかには36年も熟成させているもろみも!「でも、年数=おいしさの値、というわけではないんですよ。好みがありますからね」と泉さん。

ライター村山
ライター村山
「この桶に入れるのが麹ですよね? かめびし屋さんでは、伝統的な製法を続けていると聞きました」
かめびし屋 泉さん
かめびし屋 泉さん
「はい、そうなんです。日本で唯一『むしろ麹法』を守っています。『むしろ』とは、藁(わら)やい草などの草で編んだ敷物のこと。麹のもととなる、蒸した大豆と香ばしく炒った小麦、種麹を混ぜたものをむしろに広げます。3日3晩、徹夜で温度調節をしながら大切に育てているんです」
この道17年の泉さんのおすすめは、3年熟成のもろみで造った醤油だそう

築200年以上にもなる醸造蔵には、長い年月をかけて約230種類もの酵母菌が棲(す)みついているそう。この酵母菌の種類や数によって、醤油の味が決まってくるのです。蔵に棲む酵母だからこそ、蔵ごとに味が異なるのだそうです。まさに、「かめびし屋」にしか造れない味がある、ということですよね。

その後、「かめびし屋」の伝統的な醤油造りをDVDでも鑑賞。もろみ蔵や圧搾機を実際に見せていただいていたので、「あ! この麹がここでもろみになるんだ!」と、複雑な工程さえも、スッと理解することができました。

いよいよ、マイしょうゆ作りを体験!

「どれをベースにしようかな?」と迷いましたが今回はベーシックなこいくちをチョイス!
ひとつひとつ説明を受けながら味見をします

こだわりの「むしろ麹法」で造りあげた4種類の醤油「にがり入りこいくち醤油」「にがり入りうすくち醤油」「三年醸造醤油」「減塩醤油」を味見させていただき、好みのままにブレンドします。

それぞれ粘度が違うことも発見です

少しずつ足して、味の変化を感じるのも楽しみのひとつ。迷っても大丈夫! 自分で決められな~い! という人はおすすめのブレンド表があるので、そちらを参考にしてくださいね。ちなみに、私は冷奴やお漬物に合う「かけ醤油」をイメージしてブレンドしました。

ボトルに注ぎ、マイ醤油としての命を吹き込みます

ボトルに入れて、

マスキングテープやマジックでマイラベルを製作!

自作のラベルを貼って、

手順は簡単なので、小さい子どもさんでも参加可能

完成です! 世界にひとつだけのマイ醤油ができました。持ち帰って味わうのが楽しみです。さらに、この「マイしょうゆ作り体験」には、広い敷地内の散策も含まれています。蔵以外にも、「流 政之ワールド」「川島 猛ワールド」と名付けられた二つの見学スポットがあり、歴史ある建物とアーティストによるコラボレーションを五感で楽しむことができるのです。

香川県在住の彫刻家・流政之氏がデザインを担当し、リノベーションしたゲストルームも公開
築、約150年の蔵を改装して誕生したカラフルでモダンな空間。現代美術作家・川島猛氏が手がけた場所

全90分の体験のフィニッシュは、「かめびし屋」が醸造する各種醤油のきき味。ショップに併設されたきき醤油コーナーで、味の違いを理解すべくきき醤油に挑戦! 

ずらりと並んだ醤油を一滴ずつテイスティングできる、きき醤油カウンター

それぞれの説明を受けながら味わうと、ますます醤油の奥深さに魅せられ、違いの分かる女を気取ってみたくなります(笑)。日本人にとって身近な調味料、醤油。その奥深さを知ったとき、身近なものだからこそ、もっと知りたくなる。そんな醤油の世界の扉を叩いた、貴重な経験となりました。

Yahoo!ロコかめびし屋
住所
東かがわ市引田2174

地図を見る

アクセス
引田駅[出口]から徒歩約7分
讃岐相生駅[出口]から徒歩約36分
讃岐白鳥駅[出口]から徒歩約59分
電話
0879-33-2555
営業時間
月~金 9:00~17:00、土・日・祝 10:00~17:00
定休日
年末年始および台風、大雪時はお休みさせていただきます
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

取材メモ/醤油造りの流れがすべて分かるほどの濃密な時間が過ごせました。日本人として知っておきたいなということばかりです。

取材・文=村山ゆかり  撮影=西澤博子

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

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