ビアニスタが酒蔵見学をして日本酒を好きになった件

特集

一味違う体験ができる愛媛へ

2018/01/27

ビアニスタが酒蔵見学をして日本酒を好きになった件

石鎚山系の地下水を使う「梅錦」といえば、愛媛ではポピュラーな日本酒で、お祝いやお祭に欠かせない存在です。その「梅錦」を造っている酒蔵が、四国中央市にある「梅錦山川」。なんとこちらは、全国初の地ビール製造免許を取得した酒蔵だったんです! 

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

利き酒も楽しい! 明治5年に創業した酒蔵見学

スーパーでもよく目にするようになった、クラフトビール国内地ビールのパイオニアが、日本酒「梅錦」の酒蔵だったとは驚きです。そこで、ビール党のライターがクラフトビールの歴史を探るべく「梅錦」の酒蔵を見学することに! お目当てはビールだったけど、日本酒の製造工程や話を聞くうちに、だんだんと日本酒の世界に魅了され、利き酒をしたときにはもう……、日本酒様への恋に落ちていたのです。

\今回見学するのは私/

自称ビアニスタ。日々ビールでデトックス中
箕岡智子

箕岡智子

ライター

つまみは、あたりめ。酒好きライター智子です。お酒は、知らない人とも仲良くなれる魔法の水だと思っています。こちらの建物は、1890年頃に建てられた「梅錦山川」の母屋。古い建物なので国の登録有形文化財に登録されているんですよ。

日本酒とビールの醸造所を案内してもらいました

酒蔵は、突然行くとマナー違反になってしまうことが多いです。「梅錦山川」の酒蔵の見学をするのも、もちろん予約が必要2~3人の個人グループから、20人くらいの団体まで対応してくれるので、電話で詳細を伝えましょう。見学料は無料です。

「梅錦山川」の本社ビル4階にある部屋で、映像が15分ほど上映される

はじめに日本酒の歴史や、「梅錦」の酒造りが分かる映像を見ます。“酒の神”がナビゲートしてくれる感動作ですよ。酒造りは10~3月の寒い時期に行われます。取材の日はシーズンオフだったので、実際に酒造りを見ることはできない時期でしたが、ビデオでよく分かりました。この時点で日本酒フォーリンラブ度は、早くも50%ほど!

◆日本酒の要「麹」ができるまで

精米→洗米→蒸米という工程を経た後、蒸米を広げて、麹(こうじ)菌をふりかけます。

種麹を細かくして、ふりかける

麹の元となるのが、この種麹(麹菌)です。麹は日本酒の味を左右するといわれているそうです。その後、種麹が蒸米の全体に行きわたるように、蔵人(くらびと)と呼ばれる酒造りの職人が、もみあげます。種麹と混ざった蒸米は、どんどん温度が上がります。温度が上がりすぎると、香りが劣ってしまうので、冷ますために蒸米をほぐして温度調節をします。

調湿作用に優れた杉の木で作られた専用の箱。「梅錦」と刻印されている

その後、蒸米をこの箱に入れて麹菌を繁殖させます。「冷ましたり、温めたり、ガスを発散させたり、混ぜたり、あらゆる機能を果たす道具です」と、製造部の松井さん。

その後、杜氏(とうじ)という職人の長が、香りや味を確かめ、ようやく麹が完成するそうです。麹を造るだけでも二昼夜かかるのだとか。日本酒フォーリンラブ度が60%まで上昇。

◆酒の元となる重要な酒母造り

次は、酒母(しゅぼ)造りです。酒母は水、麹、酵母、蒸米を混ぜて造られます。この工程でも温度管理が重要なのだとか。

今は横になっているタンクで酒母を育てる。小さなシルバーのタンクは、温度調節するためのもの。氷水やお湯を入れて酒母のタンクに沈めて使うそう

その酒母を造るための部屋がこちら。趣のある空間ですね。明治に建築された建物をそのまま使っているそうです。変わらぬ味を守るためにも重要な建物です。酒母は冷やしたり、温めたりして14日かけてでき上がります。時間がかかるんですね~。現時点で、フォーリンラブ度は70%です。

◆いよいよ醪(もろみ)造り!

続いては、醪造り。醪は、酒母、麹、水、蒸米を混ぜてゆっくり発酵させて造っていきます。

タンク小は750kg 仕込み用、中は1500㎏ 仕込み用、大は3000kg 仕込み用。奥の暗いところに3000㎏のタンクがある

その醪を寝かせているのが、こちらの部屋。さきほどの酒母造りの部屋の下にあります。小さなタンクは温度管理がしやすいため、大吟醸など比較的、高価な日本酒を造るために使うそうです。

棒で混ぜるときは、タンクの入り口のところに柵をつけるそう。ガスが発生しているので中に落ちてしまうと命取りに

これが、醪を混ぜるためのかい棒! 私でも持てますが、重たいです。これを持って醪を混ぜているんですね。混ぜながら酒の仕上がりを見極めるそうです。フォーリンラブ度80%まで上がりました。

醪は25日かけて熟成させます。その後、搾(しぼ)りという工程を経て、原酒が完成。原酒はさらに別のタンクで寝かせるそうです。寝かせることによって、まろやかな深みのあるお酒になるのだとか。

◆ビール工場も見せてもらいました

続いて案内していただいたのは、敷地内にあるクラフトビールの工場。1年中造っているそうです。

黒ビールの原料となる麦芽。中身は真っ黒で、苦味が強い。コーヒーと同じで、焙煎(ばいせん)しているのだとか

「梅錦山川」は、ビールの原料となる麦芽(ばくが)をイギリス、ドイツ、カナダから仕入れています愛媛産の小麦と大麦(裸麦)を使うビールもあるそうですよ。麦芽を試食させてもらいましたが、甘みがあって、おいしかったです。この甘みが、ビールの甘みとなるそうです!「梅錦山川」のクラフトビールは、原料の割合も比較的多めにしているそうで、豊かな味と香りを楽しめるのが特徴です。

左の銅色の釜は、混ぜたり、熱を加えたりする釜。右の銀色のタンクは、発酵タンク

麦芽を細かく砕き、銅色の釜に入れて水と混ぜて温めると糖液(とうえき)ができます。そして、糖液をろ過したものが麦汁(ばくじゅう)です。

ビールを造る職人である「ブルワー」の佐伯さんは「このろ過でいかにきれいにするかで、雑味が少なくなったり、キレの良さが決まってくるんです」と教えてくれました。麦汁を煮沸し、そこにホップを投入。その後、冷却して酵母を入れます。酵母を入れると発酵が始まり、ビールが出来上がるそうです。

さらに、貯蔵タンクに移して、3~4週間ほど熟成させると、ようやくおいしいビールが完成! 日本酒ほどではありませんが、ビールも寝かせるのがポイントなんですね~。好みにもよりますが、熟成期間が長いと雑味が少なくなって、よりクリアな美味しさになるのだとか。あぁ早く飲んでみたい!!

お待ちかねの利き酒タイム!

日本酒とビールの製造現場を見て回った後は、最初のビルに戻り、利き酒をすることができます。気に入ったお酒は買って帰れますよ。ネット販売もあるので詳しくは公式サイトをチェックしてみてくださいね。

にごり酒や梅酒なども試飲できる

テーブルに並べられた日本酒とビール。なんと素晴らしい光景でしょう。10種類以上はありますね。それらすべてを飲み比べできるんです。中には、「梅錦」の最高級品である「媛の愛・幻味」という1本1万円の品も。ぜいたくすぎます。ということで、真っ先に利き酒させてもらいました。口当たりはなめらか、甘みのあるすっきりとした味わい。う~ん、美味! ついにフォーリンラブ度は100%に到達なのです!

もちろん、ビールもいただきましたよ。「ブロンシュ」には愛媛産の伊予柑(いよかん)ピールと香草のコリアンダーが入っているそうで、柑橘(かんきつ)の香りとスパイシーな香りがスゴイ! ビール自体の味は濃いんですが、後味すっきり。

クラフトビールは5種あり、写真はブロンシュ(529円)。グラスの方は日本酒ベースのリキュール「レモングラスの休日」(500ml・756円)

熱燗(あつかん)におちょこ、といったイメージが強い日本酒ですが、最近では日本酒をワイングラスで楽しむスタイルが定着しつつあります。ワイングラスだと、香りもより楽しむことができそうです。

見学するとお土産にもらえる「ずーっと好きでいてください」(300ml・545円)

最後にお土産までいただきました! ずーっと好きでいてください? もちろんですとも、ずーっと好きでいますよ! 「梅錦」にフォーリンラブ。

Yahoo!ロコ梅錦山川株式会社
住所
愛媛県四国中央市金田町金川14

地図を見る

電話
0896-58-1211
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

取材メモ/私はどちらかというと日本酒に対して苦手意識がありましたが、それはもう過去の話。酒造りの奥深さと、造る方たちの思い、そしてその繊細な味に日本酒が好きになりました。

取材・文=箕岡智子 撮影=木村孝

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

グルメ、おでかけ、イベントなど、ライフスタイルを豊かにする情報を編集部が厳選して紹介します。

RECOMMEND

SPECIAL

SERIES