変わりゆく大阪・新世界、注目の名店

特集

大阪の今旬スポットに行きたい!

2017/11/20

変わりゆく大阪・新世界、注目の名店

かって国内最大級の労働者の街と呼ばれた大阪・新世界の南部エリア。近年は海外からの旅行客も増え、2022年にはJR新今宮駅前に「星野リゾート」の新しいホテル開業の発表があるなど、様変わりしてきているこの地区の『今』をレポートします!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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大阪・新世界にある、ホンマの新世界

ここ数年、簡易宿泊所は思いっきりリニューアルされて、イングリッシュが飛び交う外国人向けホテルへと変貌を遂げ、カップ酒のおっちゃんがメインだった街の風景もいつの間にかリュックを持った外国人のほうが目立つように。若い女性もチラホラ増えてきた新世界とその周辺を取材してきた。

まず、新世界の南側・西成区に女の子をめっちゃ集めだしたお店の1つ、アイスクリームショップの「peccapu」だ。

「Peccapu」(ペッカプ)

西成を原宿に変えた⁉ 全てがカワイイアイス店

アイスはみんな確実にインスタ映えするカワイイものばかり。左から「チョコイチゴ」(800円)、「プレーンラブクッキートッピング」(900円)

もう言葉で説明するよりもアイスを見てもらえば一目瞭然。このSNS映えするアイスを求めて連日多くの女性客が来店するのが「peccapu」。2017年5月のオープン以来、この街の風景を変えたと周辺の人にも衝撃を与えている。

ピンクベースの女子力高めな店内。窓から見える西成の風景もなんとなくおしゃれな感じに
店長の山田康平さん
店長の山田康平さん
「星野リゾートができるということでこの場所に決めました。おかげさまで地元の人にも受け入れていただいています」

今までの西成では考えられない原宿系女子力全開のアイスクリームを求めて、取材した日には神戸から来たお客さんも。「SNSで見てどうしても来たくなって、このアイスのためだけに来ました」と、とにかく大盛況。

西成の街に突如現れたアイスクリームショップに地元の人はビックリ。女の子が押し寄せてさらにビックリ

もう街が変わったというよりも人々の価値観が変わったのかも知れない。もともと良い意味で、誰でも受け入れてくれる街だっただけに、このお店を見ていると街がどういう方向に転がるか全く予想もつかない。

旅の拠点として外国人観光客からも人気の西成。阪堺線の今池駅(写真右)はまるで田舎にあるようなフシギ空間

実際に街を歩くとジャズライブのお店やタコスのお店など、立ち飲み屋一色の絵地図も徐々に変わりつつある。このお店から南へ数分、さらにディープなエリアにも街の訪問者を変えたカレーショップ「薬味堂」がある。


「薬味堂」(ヤクミドウ)

もはやマスターがスパイス。やさしいカレーショップ。

マスターの高島一馬さん。日本一ディープな場所という看板の言葉に負けないほどマスターもディープ

「薬味堂」は3年前、この街で生まれ育ったオーナーが実家のメガネ店を改装してオープン。やさしい系のスパイスカレーは地元のおっちゃんやおばちゃんにも人気で、先にご飯がなくなってしまうという日も。「なぜ先にご飯が?」という疑問も残るが、オリジナル調合のスパイスとこの街を象徴するような牛すじを煮込んだカレーは、看板には出てないものの立派なご当地カレーだ。

牛すじの甘味、スパイス、和風だしの「大阪西成どてカリー」(600円)と、昆布だしで野菜の旨味を引き出した「大阪西成ベジカリー」(500円)。写真はハーフ&ハーフ「薬味堂あいがけカリー」(700円)

とにかく、このスパイスカレーの秘密をじっくり聞きださねば、と思ったら14時過ぎのお店はすでにまったりモード。とにかく居心地がいいとお客さんもまったり。マスターのゆるーい話がこちらの仕事モードをこそぎ取り、完全に彼の趣味の話の世界に。

カウンターだけのお店は、マスターとの会話が弾む絶妙な距離感。よっぽど居心地がいいのか、長居するお客さんが続出。夜はバーとして利用する人も
マスター
マスター
「夜、外国人のお客さんがバー代わりにウチに来て、なかなか帰れへんから困るんですわ(笑)」

とマスターは言うが、たぶんそれ、違うと思います。絶対、マスターも会話楽しんでますやん。ということで、取材時にいたお客さんもそんなマスターのウワサを聞きつけて来た人たち。

チンチン電車の駅前でまったりするネコちゃんたち。この街のネコはなぜかカメラ目線でポーズ。度胸がすわっているのかも

西成の人はとにかく会話が達者な人たちが多い。ミックスジュース発祥のお店「千成屋珈琲」を継承した白附さんも、同じタイプの人だった。


「千成屋珈琲」(センナリヤコーヒー)

「老舗」「レトロモダン」「カワイイ」を全部ミックス

ストローが立つほどの濃厚な「ミックスジュース」(500円)。フルーツと微細に砕かれた氷のバランスが抜群で、なめらかな飲み心地

白附さんは、通天閣の南、ジャンジャン横丁にある「千成屋珈琲」を継承し、2017年5月にリニューアルオープン。「千成屋珈琲」は昭和23年に創業。果物店を営んでいた初代店主が生み出したミックスジュースの発祥の地として愛されてきたが、店主の高齢化などを理由に一時閉店。

地元の文化を継承するために千成屋珈琲を新たにプロデュースした白附さん

「発祥の地の文化を無くすわけにいかなかった」と白附さんが立ち上がり、「老舗の看板を守りながら、味にも磨きをかけました」とミックスジュースを進化させつつ復活させた。

リニューアルに際して店舗の左側にカフェをオープン。ミックスジュースのほかパフェなどのテイクアウトもできる

「ただ、古いものを守るというだけというのでは、何の意味もないと思います。多くの人に魅力を感じてもらえる店にしないと」と白附さんはもともとのお店の隣にカフェスペースを新設。パフェなどのメニューを充実させた結果、飛躍的に女性客が増えたという。

西成の街の風景

取材メモ/かっておっさんの街だったこの街では予想もできない客層の変化。通天閣とあべのハルカスの間に新しい観光コースができるかも知れない。

取材・文・撮影=谷知之、構成=Lmaga.jp

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