魅力度ランキング最下位の茨城が実はサイクリスト天国だった

魅力度ランキング最下位の茨城が実はサイクリスト天国だった

2017/10/26

株式会社ブランド総合研究所による都道府県魅力度ランキングで5年連続最下位の茨城県。実は数年前から県をあげてサイクリングに力を入れ始め、今では週末ともなると多くのサイクリストたちで賑わっている。そこで今回は初心者にもオススメなロードを実際に走り、茨城の魅力を紹介。

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

今回の指南役

永長宏興さん

茨城県サイクリング協会公認のサイクリングリーダー。県内在住でサイクリングコースはもちろんのこと、観光スポットや食事処も熟知したナイスガイ

今回は茨城県のサイクリングコース、そして県内の魅力的なスポットを知り尽くした永長さんに、初心者でも1日で無理なく回れ、なおかつ観光や食事を楽しめるコースを考えていただきました!

永長さん
永長さん
「本日は霞ヶ浦の湖の絶景と、旧筑波鉄道跡地にできた、自然あふれるりんりんロードの双方を楽しめる往復80kmくらいのコースを走りたいと思います。どちらもアップダウンが少なく初心者向けといえるコースなので、おおよそ4時間くらいで完走できると思います。途中にオススメの甘味処や洋食店もあるので合わせて紹介していきますね!」

スタート地点は「かすみがうら市交流センター」

サイクルラックも兼ね備えたかすみがうら市交流センター

魅力度ランキングで5年連続最下位という茨城県の知られざる魅力を、「茨城=サイクリスト天国」という知られざる事実から、掘り起こそうというこの企画。永長さんに設定していただいたコースはかすみがうら市交流センターをスタートして霞ヶ浦を抜け、大人気のサイクリングコース「りんりんロード」沿いにある旧筑波鉄道のつくば駅跡地をゴールにするというルートだ。

なお、かすみがうら市交流センターではレンタルサイクルも行っているので、手ぶらで来ても楽しむことができるのだ。これはうれしいサービスである。

館内にはご覧の通りレンタル用の自転車がズラリ
レンタル料は自転車1台につき1時間500円から
永長さん
永長さん
「初心者のサイクリストさんはここまでバスや車で来て、クロスバイクをレンタルしていく人が多いですね。クロスバイクはロードバイクではないにしろ本格的なスペックの自転車で、シティサイクルとの中間のような位置付けですかね。1時間500円からと、無理のない料金設定なので用途に合わせて借りてみましょう」

さて、いよいよここからサイクリングのスタートになるが、その前に安全に楽しむために守ってもらいたい注意点があるので確認しておこう。

アイウェアは必ず装着しよう。ヘルメットもマストアイテムだ
寄り道しながらのサイクリングにはスニーカーが最適
永長さん
永長さん
「まず、必ずつけてもらいたいのがアイウェアです。クロスバイクとはいえ、時速20kmは出るので、走行中にサイクリストに飛んでくるモノもすごいスピードになります。砂ほこりはもちろん、夏場は虫も目に入ったりして危険なので、伊達眼鏡でもいいので目を守ってくれるものは絶対に必要です。それと、ロードバイクではビンディングシューズというものを履いて足を固定するのですが、今回のように寄り道探訪をしながらという場合はジャマになるのでフラットなスニーカーにしましょう。これで準備はOKです!」

ではさっそく大規模自転車道の霞ヶ浦サイクリングロードを走っていこう! 絶景が広がる湖を囲むように自転車道が整備されているので、とても気持ちよく走ることができるという。

しかし、ここでも注意してもらいたいことがある。

それがこちら。

自転車の左側通行を示す道路標識
永長さん
永長さん
「サイクリストに限らず自転車に乗る人にとってこのような水場はとても人気なんですが、水に近い方を走りたいからといって右側通行をするのはNGです。日本の自転車は左側通行と決まっているのでそれをしっかり守りましょう。青と黄色で表示された走行位置を示す標識もあります。このルールを破ってしまうと事故につながる確率が高まります。知らない人も多いので守ってほしいですね」

皆が安全にサイクリングを楽しむためにもルールはきちっと守ろう。それで、茨城の魅力を堪能する、霞ヶ浦サイクリングへGO!

晴れた日は霞ヶ浦の絶景が見渡せる

最初の休憩は老舗甘味処「志ち乃」のどら焼きとともに

およそ1時間、距離にして18km強走り、霞ヶ浦の絶景を抜けたあたりで1軒目の休憩。甘味処「志ち乃」に寄り道してみる。

茨城の老舗有名和菓子店の「志ち乃」
永長さん
永長さん
「志ち乃は茨城でもかなり有名な老舗和菓子店で常磐道の守谷SAにも出店しています。特にどら焼きが人気ですね。皮がとても柔らかくて中身も詰まっていて美味しいです。変わり種もたくさんありますよ。サイクリングコースからも近くて、だいたい1kmくらい外れたところですかね。往復でも6分くらいなのでオススメです」
店内にはお茶スペースがあり、店内で実食も可能
ふっくらした皮の中は身がぎっしり

最初のうちはこうして休みながら無理のないペースで走るのがサイクリングを楽しむコツ。そこにこのような甘味処があれば、休憩にも小腹が空いた時にもピッタリだ。

志ち乃 本店

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

遊覧船に自転車を乗せられる「ラクスマリーナ」

霞ヶ浦を遊覧するアイリス号はここラクスマリーナから出航する

続いて志ち乃から土浦方面におよそ8分、2km強走ると途中の湖沿いに見えてくるのが「ラクスマリーナ」。ここは観光船事業をやっていてレンタル自転車、自転車を乗せての遊覧観光などが可能だ。

永長さん
永長さん
「ラクスマリーナの魅力はなんといっても遊覧船のアイリスが出ていて、なおかつそこに自転車も乗せられること。それでほぼ対岸の潮来まで行くことができるので、往路は湖の絶景を眺めながら船に揺られ、復路はサイクリングを楽しむという贅沢もできます。潮来もつくば霞ヶ浦りんりんロードの一部になっていて、アヤメなど見るものも沢山ありますし、道も平坦なので初心者にもオススメです。ただし、出ている便は日によって違うので、あらかじめ確認して予約をとっておくことをオススメします。他にもラクスマリーナには木の船を象った足湯もあるのでリラックスできますね」
こちらラクスマリーナの受付
足湯はビニールハウスの中にある

ラクスマリーナはJR土浦駅からもそう遠くない距離にあるので、遊覧船運行のタイミングに合わせて足を運んでみるのをオススメしたい。

ラクスマリーナ

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

そして、ラクスマリーナを後にしてJR土浦駅を抜けると今度はりんりんロードに入る。この道は廃線跡地を使った自転車道になっていて、もともと霞ヶ浦サイクリングロードとは別に存在していたのだが、茨城のサイクリングプロジェクトとの一環で双方をつなげてひとつのコースにしようという動きが出て、バラバラだった起点と到着点が、土浦でつながるようになったのだ。

牧歌的な風景を見ながら進む。これが実に心地よい

サイクリストたちの憩いの場「彩食工房 ひるくらいむ」

りんりんロードに入りおよそ18km、1時間ほど走ると見えてくるのが「菜食工房 ひるくらいむ」。時間もお昼時ということで、ここで昼食を摂ることに。着くとそこは一軒家を改装したような佇まいでサイクルラックや談話ルームも構えるサイクリスト憩いの場になっていた。

一軒家を改装した佇まいの「ひるくらいむ」
ひるくらいむの中はこのような温かみがある作り
永長さん
永長さん
「今回の往路ゴール地点の筑波駅跡地の近くあるひるくらいむさんには本当にサイクリストがよく集まるんですよね。もともと自転車好きな人がやっていて、この近くで開催される『ツールドつくば』というイベントの写真が飾ってあったり、数多くの自転車雑誌も置いてあります。それに、この近くには不動峠というサイクリストの初心者も上級者もこぞって集まる人気の坂道があるので、そこに行った後に立ち寄るというコースも組めるので、まさにサイクリストのための洋食屋さんですね。ここのスペアリブは絶品ですよ」

では実際にいただいてみましょう。

人気No.1のリブロースが入った定食
卵をふんだんに使ったオムライスも絶品

実食するとスペアリブは骨の中まで味が染み込むほど煮込まれ、肉の旨みが凝縮されていました。オムライスも卵の半熟具合が絶妙でフワトロの食感が口いっぱいに広がりました。サイクリングの立ち寄りにはピッタリの場所です。

菜食工房 ひるくらいむ

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

そしてひるくらいむを後にしたら往路ゴールの筑波駅はすぐそこです。

ゴールまでもう少し! 走れ! 走れ!

往路ゴールの筑波駅に到着!

筑波駅前にはこのようにりんりんロードの石碑が建っている

りんりんロードを6kmほど、20分ほど走って往路のゴール地点である筑波駅に到着。

永長さん
永長さん
「今回のゴールは筑波山口と呼ばれる旧つくば鉄道の筑波駅の跡地です。ここは電車が走っていた当時のホームを活かして、ほとんどそのまま休憩所として使っているので、次の駅(休憩所)までの看板も出ているので距離もわかりやすですよ。これを目安にするのもいいと思いますね。それと、ここには駐車場もあるので、この場所を起点にして筑波山へ行ったり、りんりんロードを北上するサイクリストも多いです」

ゴールにたどり着いたらまだ時間もあるのでひとまず休憩。この日も筑波駅には多くのサイクリストがいました。

駅でちょっと一休み

そうして休憩もほどほどに復路を漕いでいくのですが、その前に茨城県にはこのようにサイクリングロードに公共の空気入れがあるので、空気圧のチェック。タイヤは空気入ってないとパンクしやすいので適正な空気量で走るのが大切。適正は決まっているが、大雑把に言えばちょっと固め、指で強く押しても潰れない程度に入れた方が良いとのこと。

このようにサイクリングロードには至るところに公共の空気入れが

かりんとう饅頭が絶品の沼田屋

復路を漕ぎ出したら、次はおやつを買いに2カ所目の甘味処「沼田屋」を目指す。筑波駅跡地からは目と鼻の先、およそ300mほどの距離。沼田屋でお目当ての商品を買ったら小田城跡で一休みというルートで復路を走る。

一路りんりんロードを南下。ワインディングロードも心地よし
かりんとう饅頭とがま饅頭が名物の沼田屋
永長さん
永長さん
「沼田屋は筑波山神社に行く途中の坂の根元にあるお菓子屋さんです。がま饅頭も有名ですが、なんといっても黒糖饅頭を揚げて作ったかりんとう饅頭が大人気です。外皮がカリカリで中がしっとりしたあんこになっていておやつにオススメですね」
黒糖饅頭をあげてできるかりんとう饅頭

そして30分ほど、距離にしておよそ8km走ると見えてくる小田城跡で、この美味しいかりんとう饅頭を寝っ転がりながらいただく。

ああ至福なり
永長さん
永長さん
「こちら城跡なので、特にこれといって何かがあるわけではないのですが、綺麗な芝生の上の寝っころがれるたり、休憩所もあるので休むにはピッタリの場所です。それと何よりりんりんロード沿いにあるのすぐに寄れるので魅力です。ここまで行ったら休憩しようというひとつの目安になる場所ですね」

沼田屋 本店

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

サイクルステーション完備のJR土浦駅

小田城で休んだら後はひたすら来た道を戻るのみ。どんな道も行きより帰りの方が短く感じるものだが、その前に永長さんが皆さんに教えたい場所があるとのことでJR土浦駅へ寄り道。

ただ来た道を帰るのも芸がないとのことで、土浦駅を目指す永長さんとライフマガジン取材チーム

そして走ること約40分。土浦駅に到着。

土浦駅の東口に到着…ってなんでここに?
永長さん
永長さん
「土浦駅はサイクルステーションが駅に直結しているんので電車で来る人には本当に便利なんですよ。電車移動の場合、自転車は袋に入れて運ばなければならず、組み立てやバラしを駅前でやらなければならず本当に大変でした。しかしこちらのサイクルステーションの中には霞ヶ浦つくばりんりんロードのマップやコインロッカー、更衣室もあってしかも無料で使えます。それに、土浦駅は今日走った霞ヶ浦のサイクリングコースとりんりんロードの中間地点にあるのでどちらのコースも行けます。駅の近くにはレンタルサイクルのお店もあるので、合わせて利用してみるのもいいと思いますよ。今日案内した内容を参考に是非利用してみてください」
こちらが駅直結のサイクルステーション。遠方からのサイクリストにとっては、非常に便利な施設となっている
施設内にはこうしてロッカーやマップ、更衣室も完備。サイクリスト天国と言われる所以はコースだけではなく、こうした設備にもある

こうして土浦駅を出て、走ること1時間強。夕方にスタート地点のかすみがうら市交流センターに無事到着。走行距離はおよそ80キロと、長距離サイクリング慣れしていない人にはなかなかの距離だ。

永長さん
永長さん
「初心者に今日の80kmは大変だったかもしれませんが楽しんでもらえましたでしょうか!? サイクリングは安全第一で楽しみましょう。自分もこの後は帰って、ゆっくりお風呂にでも入ります。今日は本当にお疲れ様でした」
あれだけ走ってまだ体力が余っているとばかりに自転車を持ち上げる永長さん。本日はありがとうございました!

このように1日サイクリングロードを走ってみると、サイクリングにはいろいろな楽しみ方があるのに気づかされます。運動としてはもちろんのこと、景色を楽しんだり、途中の寄り道で食事を楽しんだり。ただ自転車を漕ぐだけではないので、初心者でもいろいろな発見があると思います。

今回走ったのは霞ヶ浦つくばりんりんロードのほんの一部。ラクスマリーナから遊覧船にも乗るもよし、土浦駅からどちらかを選んで思いっきり楽しむも良し。来年には土浦駅ビルにさらに大きなサイクリング施設がオープンするとのことなので、これから茨城はサイクリングシティとしてさらに発展していくことでしょう。都道府県魅力度ランキング最下位常連? ここを知れば、そんなランキングなんて気にする必要がないってことわかるかもしれませんよ。


取材・文/高柳淳(50 storm)
写真/吉田佳央(50 storm)

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

グルメ、おでかけ、イベントなど、ライフスタイルを豊かにする情報を編集部が厳選して紹介します。

おすすめのコンテンツ

連載