猫本、猫店員…猫にまみれる都内“猫本屋”2店に行ってみたよ

特集

猫が大好き!

2017/11/13

猫本、猫店員…猫にまみれる都内“猫本屋”2店に行ってみたよ

愛猫家をターゲットとした“猫本”が数多く出版されている昨今。そんな猫本を専門的に取り扱う「猫の本屋」がここ東京にはあるという。そこで日頃の疲れを癒してくれるに違いない都内2店の猫本屋を、猫に癒されたいライター伊藤がハシゴして紹介する。

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

今回紹介するのはこの2店

1 神保町「にゃんこ堂」
2 三軒茶屋「Cat’s Meow Books(キャッツミャウブックス)」

創業約35年という姉川書店から生まれた猫の本専門店「にゃんこ堂」、今年の8月にオープンしたばかり、保護猫店員がキュートな「Cat’s Meow Books」の2店を紹介する。

猫本600点が大集結! 神保町「にゃんこ堂」

こんにちはライターの伊藤このみです。猫と甘いものがあればだいたい幸せな20代女子です。まずやってきたのは、本の街・神保町。住所によるとここなのですが…外観は普通の本屋。

神保町駅からすぐ近くに位置する「姉川書店」

しかしよく見ると「猫本にゃんこ堂」の看板が掲げられています。中に入ってみると…端から端まで、猫の本がぎっしり。

見渡せど見渡せど猫

猫本はもちろんのこと、猫のパネル写真やTシャツ、トートバックなどのグッズもある。この姉川書店を長らく支えて来た姉川二三夫(ふみお)さんにお話を伺ってみました。

書店不況から生まれた猫本屋

笑顔がチャーミングな姉川さん
ライター伊藤
ライター伊藤
「びっくりするほど猫本だらけですが、ここでは今、何点くらい猫本を取り扱ってるんですか?」
姉川さん
姉川さん
「今は600点以上かな」
ライター伊藤
ライター伊藤
「ええ、そんなに! もともと猫の本屋としてオープンされたんですか?」
姉川さん
姉川さん
「いえ。もともとは普通の新刊書店として35年くらい前にオープンしました。猫の本を置き始めたのは2013年から」
ライター伊藤
ライター伊藤
「4、5年前からなんですね。なんで猫の本を置き始めたんですか?」
姉川さん
姉川さん
「今、本が売れないでしょ。あまりにも売れないから、店の中に何か立ち止まってくれるものを用意しようと思ったんです。それでうちの娘に『なんかないかな』って相談したら、『猫の本をやってみたら?』って言われて。もうどうせ売れないからとりあえずやってみたの」
現在は店内のほぼ全てが猫本コーナーだが、最初はこの一面のみ、50冊程度を用意し、「にゃんこ堂」という猫本コーナーにしたそう

店を“猫チューニング”した反響は大きく、「猫のコーナーの前でお客さんが立ち止まっちゃって、ここばっかりにお客さんが集中しちゃう形になったので、どんどんスペースを広げていきました」と姉川さん。

姉川さん
姉川さん
「それで『もう猫本以外はあんまり動かないし、猫の本屋にしちゃおう』と思って。今は猫の本屋としてやってます」
姉川さんは犬も猫も好きだそう。「でも世の中的に、犬の本より猫の本の方が多かったので、今は『猫の本屋にしてよかったなぁ』って思ってます」とお茶目な姉川さん

「面だし」で表紙が楽しい本屋

姉川書店さんでズラ〜っと並ぶ猫本を見ていても一向に飽きない理由には本の置き方もあるそうで…。

ライター伊藤
ライター伊藤
「猫の本って表紙のかわいい本が多いですね」
姉川さん
姉川さん
「そうなんです。だから、全て猫本を『面だし』(表紙を見せて陳列する置き方)で置いてて。大きな書店でも扱っていない猫本なんかも置いてあるからいろんな猫本に出会えると思います」
ライター伊藤
ライター伊藤
「確かに。背表紙だけでは手に取らなかった本との出会いがありそうですね」
姉川さん
姉川さん
「うん。実際にいろんな本が動いていくんですよ。『この本が大人気!』とかがあまりなくて、いろんな本が売れていますね」

姉川書店では本棚を見ているだけでたくさんの猫に出会えるが丁寧なPOP も印象的。

愛が伝わってくる熱の入ったPOPが多くの本についている
姉川さん
姉川さん
「POPは猫本担当の僕の娘が書いているのですが、実はこんなものも出していて…」
にゃんこ堂監修の猫本ガイド『ニャンダフルな猫の本100選』
姉川さん
姉川さん
「出版社の方がこのPOPを見て、『ぜひ本にしましょう』と言ってくれて。これを見てお店に来てくれる人も多いんですよ」
ライター伊藤
ライター伊藤
「猫本初心者がまずゲットしたい本ですね!」

大人気のブックカバーもめっかわ!

POPや本でお気に入りの本を見つけたら、今度はレジでもお楽しみが! 姉川書店では猫本を買うと猫柄のブックカバーを無料でつけてくれるが、これが文句なしにかわいいのです。

サイズ違いで用意するブックカバー。イラストを手がけたのは絵本『わたしのげぼく』が好評発売中のくまくら 珠美さん
ライター伊藤
ライター伊藤
「めっちゃかわいい…。しかもこれ、紙も分厚いし、相当しっかりしていますよね。結構お値段もするのでは…」
姉川さん
姉川さん
「高いっちゃ高いですね(笑)。でも、皆さん喜んでくれたら、こちらも嬉しいです」
ライター伊藤
ライター伊藤
「太っ腹!」

レジ横にひっそりと用意されている「猫みくじ」も実は必見のかわいさ。

猫みくじ(1回100円)。お金は招き猫の貯金箱へ

とある作家さんが作ったもので、運勢とアドバイス、オススメの本を教えてくれるそう。早速伊藤も引いてみると…。

小吉…。ガチへこみするライター伊藤に「あ、でも凶もあるんですよ。小吉から上がっていけるといいですね」とどこまでも優しい姉川さん

実はこの猫みくじ、売上金を保護猫の活動へ寄付しているとのこと。

猫本との出会いに溢れたにゃんこ堂。お気に入りの一冊をかわいい猫ブックカバーに包んでもらい、猫みくじ…と、休日を満喫できるリラックススポットだった。

Yahoo!ロコにゃんこ堂
住所
東京都千代田区神田神保町2丁目2(姉川書店内)

地図を見る

アクセス
神保町駅[A3]から徒歩約1分
九段下駅[5]から徒歩約6分
九段下駅[7]から徒歩約8分
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

保護猫が店員? 三軒茶屋の「Cat’s Meow Books」

続けてやってきたのは今年8月にオープンしたばかりの“猫本だらけの本屋”Cat’s Meow Books。

世田谷線西太子堂駅から2分。三軒茶屋からは歩いて10分の閑静な住宅街に位置する
入ってすぐのスペースには店主の安村さんがセレクトした猫に関する新刊書籍&洋書約600点がずらり
木のぬくもりと自然光が心地よいナチュラルな空間だ

噂によると店員を務める4匹の猫ちゃんが奥にいるとのこと。奥の扉を開けると大きな窓とたくさんの本に囲まれた空間が。

猫に関する古本がなんと約1500冊! タイトルの雰囲気で本が並ぶ本棚は必見

そして猫ちゃんも。

スリムな体で本棚をするする移動するさつきちゃん

「猫と本とビールに囲まれて生涯を終えたい」

かわいい猫と本。まさに天国なこのお店について店主の安村正也さんにお話を伺った。

ライター伊藤
ライター伊藤
「ここは楽園ですね」
安村さん
安村さん
「ありがとうございます。この子たちはみんな保護猫なんですよ」
ライター伊藤
ライター伊藤
「そうなんですね。もともと保護猫のいる本屋としてオープンされたんですか?」
安村さん
安村さん
「そうです。15年飼っている保護猫がいるんですが、その子に兄弟がいたのを当時助けてあげられなかったんです。だからいつか助けたいなと思っていたんですよね。猫はもちろん大好きだし、本も大好き。いつか猫と本とビールに囲まれて生涯を終えられたらいいなと。そんなお店をやりたくてはじめたんです」
取材開始早々「飽きました」と言わんばかりに上の階に上がってしまったチョボ六(ちょぼろく)ちゃん
読太(よんた)ちゃん(手前)。猫は4匹とも保護猫カフェから引き取ったそう

純売上の10%を保護猫団体に寄付

ライター伊藤
ライター伊藤
「保護猫団体に寄付をしているというお話を聞いたのですが」
安村さん
安村さん
「はい。純売上の税抜きの10%を保護猫の活動団体に寄付しています」
ライター伊藤
ライター伊藤
「え! 利益からでなく売り上げからですか?」
安村さん
安村さん
「そうです。本屋で“利益の○%”だと本当に微々たるものになってしまうので。だから全然儲かってないですけどね」

採算度外視で経営しているこちらのお店。安村さんも現在は会社員として働いている身だそう。どうしてここまでして、この本屋をやっているのでしょうか。

安村さん
安村さん
「僕は本が好きだし、本屋がなくなっていってる現状も悲しい。また猫の殺処分がゼロになっていないという現実もあります。本屋が保護猫を引き取って猫を助ける。その猫が本屋の看板猫になり、人を呼ぶことで、本が売れれば本屋も助かる…という助け合いのコンセプトでやってます」

お店は中古物件をフルリノベ 猫と本の極楽空間

中古の一戸建てをフルリノベーションしたという店内には「限られた空間をどう使うか」という工夫がいっぱい。

穴だらけの本棚からは…
こんなキュートな光景も拝むことができる
ライター伊藤
ライター伊藤
「この本棚、すごくいいですよね」
安村さん
安村さん
「ありがとうございます。『本棚の中を猫が行き来できるようにしてください』と設計士さんに頼んだところ、この形を提案してくれたんです」
ライター伊藤
ライター伊藤
「さっき、上に上がっちゃった猫ちゃんがいましたけど、店員猫ちゃん全員が上に上がっちゃって猫ちゃんがフロアにいない…ということはないんですか?」
安村さん
安村さん
「それが、なぜか、必ず下にいる猫もいて、全員が上に上がってしまうことはないんですよね」
ライター伊藤
ライター伊藤
「優秀な猫ちゃんですね」
「自分の役割をわかってる(笑)」と安村さん

なんとアルコールメニューも

実はCat’s Meow Booksでは「コーヒー ホット/アイス」「ウーロン茶」「オレンジジュース」「ジャスミン茶」(各300円)などのソフトドリンクのほか、なんと「生ビール(サッポロ)」(大600円 小300円)や「水曜日のネコ」(500円)などのアルコールメニューも用意。どこまでも楽園だ。

大ジョッキを手にする安村さん。お客さんに「でかっ!」と驚かれることもあるというお得なビッグサイズ
安村さん
安村さん
「うちはカフェじゃないのでね。これで儲けようとは思ってないんです。自分が客だったら…と考えて、気軽に払えるような値段で設定しています」

さて、ドリンクも頼み、一息ついたら本を選ぼう。安村さんが今おすすめする一冊を教えてください!

安村さん
安村さん
「そうですね。『捕食動物写真集』はおもしろいですよ」
オススメ書籍『捕食動物写真集』を手に捕食顔を披露してくれた安村さん
安村さん
安村さん
「こちら、動物が動物を食べている貴重な写真を収めた写真集です。いわゆる純粋な猫本ではないですが、猫の野生的な一面が見られます」
本を購入すると無料でつけてくれるオリジナル猫ブックカバーはサイズに合わせてブルーと白の2色展開。どちらも欲しくなってしまう…

実は猫店員は「りんご猫」 安村さんが伝えていきたいこと

先ほども書いたように、お店の猫店員はすべて保護猫。またもう一つ特徴もあるようで…。

安村さん
安村さん
「実はこの子たちはりんご猫(猫エイズの猫)なんです」
ライター伊藤
ライター伊藤
「え! すごく元気ですけど…」
安村さん
安村さん
「そうなんです。普通に暮らせるんです。当然人間に猫エイズはうつらないし、猫同士でも出血沙汰の喧嘩でもしない限りうつらない。そもそも発症自体もあんまりしなくて。なのにそのせいで里親がなかなか見つからないという現実があり、それもあってうちで引き取ったんです。こんなに元気に暮らしてるってことをわかってもらえたらなって」
ライター伊藤
ライター伊藤
「全然普通の猫ちゃん達ですもんね」
猫のTシャツを着て猫だらけのレジに立ち微笑む安村さん。猫愛がひしひしと伝わってくる

保護猫問題や、本屋の減少問題と真摯に向き合いながら、お店の雰囲気はでとってもやわらかく居心地がいい。ゆっくりリラックスしながら、猫の本に出会い、猫や本のより深い世界についても知ることができる素敵な本屋だ。

Yahoo!ロコCat's Meow Books
住所
世田谷区若林1-6-15

地図を見る

アクセス
西太子堂駅[出口]から徒歩約2分
三軒茶屋駅[出口]から徒歩約5分
若林(東京都)駅[出口]から徒歩約7分
電話
03-6326-3633
営業時間
営業時間: 14:00~22:00
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

それぞれコンセプトも雰囲気も異なる都内2店の猫本屋。神保町駅と三軒茶屋駅は半蔵門線、東急田園都市線直通1本で20分という好アクセス! 日頃の喧騒から離れられる「猫本屋ハシゴ」で癒されてみてはいかがだろうか。


取材・文・撮影/伊藤このみ

この記事を書いたライター情報

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