「俺の地元だ たらふく食え」 MC漢さん推薦!新宿フッドめし

特集

人気ラッパーが通う! 地元でお気に入りの店

2017/12/25

「俺の地元だ たらふく食え」 MC漢さん推薦!新宿フッドめし

人気TV番組『フリースタイルダンジョン』でおなじみのラッパー・漢といえば、ご存知の通り(?)東京都新宿区がフッド(=地元)。今回は、長年にわたって新宿区に暮らし、その表と裏の魅力を味わい尽くしてきた彼に、オススメの「フッドめし」と新宿区の魅力について語っていただきました!

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

まずは…
\MC漢さんってこんな人!/

 

新宿を拠点とするレーベル「鎖GROUP」代表。フリースタイル(=即興)ラップ界の重鎮で、TV番組『フリースタイルダンジョン』には、挑戦者に立ちはだかる強豪ラッパー「モンスター」として出演し、人気を不動のものに。

\こちらの動画もチェック!/


そんな漢さんは、言わずと知れた新宿区育ち。今回は「今も行ってる思い出の店」をテーマに、お気に入りのご飯屋さんを紹介してくださいました。この年末はMC漢がオススメする新宿の飲食店に足を運んでみてはいかがでしょうか!

MC漢さん推薦 今も行ってる思い出の3店

1. 餃子荘ムロ(高田馬場)

2. ザ・ハンバーグ(高田馬場)

3. 琉球亭(歌舞伎町)

中学時代からの顔馴染み いろんな意味で関係が深すぎる名店「餃子荘ムロ」

高田馬場周辺の住民ならば、誰もが一度は足を運ぶ超名店なのです

さて、今回フォーカスする新宿区は大変広く、漢さんが少年時代を過ごしたのは高田馬場、百人町周辺。その高田馬場の路地に店舗を構えるのが、創業1954年の「餃子荘ムロ」です。長年にわたって多くの新宿民に愛され、今も餃子の名店として大変な人気を集めている老舗ですが、実はMC漢さんとは、ものすご〜く関係が深いんだそうですよ。

ーームロさんには、よくいらっしゃるんですか?

漢さん
漢さん
「正直に言っちゃうと、僕は餃子を外に食べに行かないんです。意外かもしれないけど自分で作るから。会社のやつに食わせたりもしてるんですよ。ただ唯一、例外的に行く店があって、それが『ムロ』。初めて来たのは十代の頃だったかな。自分のクルーには、TABOO(タブー)ってラッパーがいるんですが、『ムロ』はTABOOと中学が一緒だったイワケンの実家。イワケンは、16歳の時から『ムロ』の厨房に立ってるんですよ。ちなみに僕は、彼らとは別の中学校に通ってました。だから店を知ったのはTABOOの方が先なんです」
餃子荘ムロのオリジナルTシャツがクールなイワケンさん(左)。取材中は漢さんと超ローカルなトークで盛り上がっていました

隣の中学に通う悪い子グループの溜まり場だった『ムロ』をなんとなく意識していたという漢さん。それもそのはず、二つの中学は、直線距離で500メートルも離れていなかったんだそう。やがて自然と『ムロ』に足を運ぶようになった漢さんですが、現在でも料理の注文に関しては「この店のプロ」(※漢さん談)であるTABOOさんに全てお任せしているのだとか。

ムロではカウンター越しに餃子を作る風景を見ることも可能。凄まじい速さで餃子を包んでいく姿が芸術的です

とはいえ、今回の取材はTABOOさん不在。そんなわけで、ムロの厨房に立って24年が経過しているというベテラン料理人イワケンさんのオススメに従ってニンニク入りの餃子をオーダーすることにします。

ーーところで漢さんは、こちらのおかみさんであり、イワケンさんの叔母様でもある岩室純子さんが<DJ SUMIROCK>としてクラブでDJをやってるって知ってました?なんと82歳だそうです。

漢さん
漢さん
「もちろん。メディアで知って、すぐTABOOに連絡して確認しました。本当に驚きましたよ。同級生のイワケンがDJに目覚めるならまだしも…。予想外でしたね(笑)」

ーーDJのお母さん(DJ SUMIROCK)はそろそろ来ますか?

イワケンさん
イワケンさん
「”お母さん”は禁句です!『私は子供産んだことない!』って、メチャメチャ怒られますよ!」
漢さん
漢さん
「パンチラインが出たね(笑)」

82歳のフィメールDJ 新宿代表のラッパー漢、遂にご対面!

現在、弟一家と老舗『餃子荘ムロ』を支える岩室純子さんは1935年生まれ。DJネームの「SUMIROCK」は、本名に使われている漢字「純(=SUMI)」「岩(=ROCK)」に由来するんだそう。当年とって82歳のフライガール、一体どんな方なんでしょうか!

「ガラッ」(扉を開ける音)

「はいどうも〜ご苦労様です〜」と岩室純子さんa.k.a DJ SUMIROCKが登場

なお DJをする時はこんな感じ

ちなみにDJを始めたのは、なんと77歳の時(※画像はご本人提供)

ーーこんにちは!ヤフー・ライフマガジンと申します!今回は新宿のラッパー・漢さんが、馴染みのお店を紹介するという企画なんです!

漢さん
漢さん
「よろしくお願いします。イワケンとは同級生なんですよ」
DJ SUMIROCK
DJ SUMIROCK
「もちろん覚えてますよ。以前いらっしゃってましたよね」

ーー純子さんはDJなんですよね?最近はどの辺りのクラブでプレイされてるんですか?

DJ SUMIROCK
DJ SUMIROCK
「毎月歌舞伎町でやってます。かけるのはテクノが多いかな」

ーーて、テクノなんすか。てっきり懐メロ歌謡かなんかかと。

漢さん
漢さん
「しかもレギュラー持ってるっていうね(笑)」
DJ SUMIROCK
DJ SUMIROCK
「9月にはニュージーランドのオークランドでやったんですよ」
漢さん
漢さん
「それ、すごい」

ーーニュージーランドのクラブでプレイしたんですか?

DJ SUMIROCK
DJ SUMIROCK
「ラジオ局で。やったのはバーみたいなところでしたね」

ーーDJの一曲目には「鉄腕アトム」をかけるそうですね。

DJ SUMIROCK
DJ SUMIROCK
「やっぱり高田馬場といえば鉄腕アトムですからね」

ーー高田馬場をレペゼン(代表)してるわけですね!

というわけで漢さん、実食!

漢a.k.a GAMIと餃子。貴重なツーショットである

新宿で最もよく知られる人気ラッパーと新宿最高齢(?)のフィメールDJが出会うという奇跡に取材陣が盛り上がる中、餃子荘ムロさんで定番の人気メニュー「ニンニク餃子」と「骨つき唐揚げ」が到着しました。せっかくなんで引き続きDJ SUMIROCKさんにはサイドMCをお願いしたいと思います!

ーーこれはどんなタイプの餃子なんですか?

DJ SUMIROCK
DJ SUMIROCK
「普通の餃子の中にニンニクのかけらが入ってるものですね」
漢さん
漢さん
「TABOOもニンニク餃子が大好きなんですよ。でも、ここの餃子ってニンニクが入ってなくても結構香りが強い」
DJ SUMIROCK
DJ SUMIROCK
「具は白菜と豚肉が主ですが、香味野菜を使ってますからね。セロリ、生姜、葱ですね」
「ニンニク餃子」(700円)。ちなみにムロさんではファーストオーダー isラストオーダー。追加は出来ないのでYO!注意です!
「実は餃子ににんにくが入るようになったのって、日本に入って来てからなんですよ(笑)」とDJ SUMIROCKさん
「豚の骨付き唐揚げ」(650円)。気取ることなく手でつまんで食うべし!

ーーこの「豚の骨付き唐揚げ」も名物料理らしいですね。パッと見だと普通の唐揚げにしか見えないんですけど。

漢さん
漢さん
「いやいや。一個食べてみたらわかるけど、だいぶ普通とは違うよ。そもそも豚肉だし、骨付きだし、すごく香りが良い」
DJ SUMIROCK
DJ SUMIROCK
「いらっしゃる方は皆さん必ず頼まれますね。豚肉のスペアリブを小さめに切って唐揚げにしたものです。香料はウイキョウ、八角、丁子、山椒などを使っています」

ーーDJ SUMIROCKさんと会ってみてどうでした?もちろん初対面ではないんでしょうけど。

漢さん
漢さん
「地元的に近いのはあったけど、さらに業界としてもだいぶ近いところに来たっていうね(笑)。誇らしいです、ウン。ここは本当に色々リンクしている店なんですよ。今回は食事を紹介する企画ですが、フッドということになると選択肢が限られてくる。その中に、あんなDJが働いている店があるなんて最高でしょ(笑)」
同じ場所で育ち、違った道を歩む新宿レペゼンな3人
Yahoo!ロコ餃子荘ムロ 高田馬場本店
住所
東京都新宿区高田馬場1-33-2

地図を見る

アクセス
高田馬場駅[JR戸山口]から徒歩約1分
高田馬場駅[西武線戸山口]から徒歩約1分
高田馬場駅[3]から徒歩約3分
電話
03-3209-1856
営業時間
17:00頃~22:00頃
定休日
毎週日曜日
口コミ・写真など

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ハンバーグだけじゃなくがっつりビーフも食え! ザ・ハンバーグ高田馬場店

ザ・ハンバーグさんは、平成元年創業。神保町にも店舗があります

続いて漢さんが紹介してくれたのが、高田馬場駅早稲田口を出てすぐの場所にある「ザ・ハンバーグ高田馬場店」。こちらの名物は、品質にこだわって仕入れた牛肉と豚肉を店で挽き合わせて焼き上げたハンバーグ。しかし漢さんのハートをキャッチしたのは…。ではお話を伺っていきましょう!

ーーこちらはボリューム系のお店なんですかね?

漢さん
漢さん
「デカ盛り系ではなくて、大小細かくサイズが細かく選べるスタイルですね。『大食いの方はデカイのをどうぞ」って感じです。ガキの頃に親父が好きで連れて行ってもらってた思い出深い店ですね」

ーー漢さんは体が大きいし、結構な量を食べるのでは?

漢さん
漢さん
若い頃はアメフトをやってたこともあって、550グラム以上が基本。かなり大きくて周りの人から注目を集めてしまうサイズだから、頼むのがちょっと恥ずかしかった(笑)」

ーー今は?

漢さん
漢さん
「350グラムが定番。ただ、この店には基本的に一人では行かない。だから頼み方がちょっと特殊なんですよね。まずハンバーグに関しては、200グラム。で、チーズと目玉焼きをのせる」
200グラムの「ハンバーグセット」(ライス、スープ付きで970円)に目玉焼(+100円)とチーズ(100円)をトッピング
スゴい量の肉汁が閉じ込められてます!ハンバーグには下味がついてるので、まずはそのままで。続いて大根おろしと醤油で、最後にウスターソースかけて食べるのがオススメ
英国ウスター市生まれの超リアルなウスターソース。モルトビネガーがベースとなっているため、酸味が強くてサッパリした味わいが特徴です

父との思い出が詰まった「ウィンナーシュニッツェル」は大人の味わい

ハンバーグと並んで人気の仔牛のカツレツ「ウィンナーシュニッツェル」(ライス、スープ付きで1280円)。都内で提供してる店はあんまりないらしい

200グラムという小さめサイズのハンバーグをオーダーしているという漢さん。「ちょっと特殊な頼み方をしている」とおっしゃってましたが、一体どういうことなんでしょう。引き続きお話を伺っていきましょうか。

漢さん
漢さん
「この店には大抵二人で来るんですが、それぞれでハンバーグを頼んで、それとは別にビーフカツレツを一皿頼むんですよ。で、シェアして食うみたいなパターンが多い」

ーーハンバーグと並んで推しているというオーストリア料理「ウィンナーシュニッツェル」ですね。

漢さん
漢さん
「叩きまくって薄くした仔牛の肉をオーブンで焼いたものです。いつも親父が頼んでたメニューだったので、ガキの頃から美味いってのは知ってたんですが、ハンバーグばかり食ってたんですよね。で、自分だけで行くようになって『カツレツも食いてえな』って思って食ってみたら、やっぱり美味かった」
よく叩いた牛肉にチーズとパセリを混ぜ込んだ衣をつけて、鉄板で表面をカリッと焼いてから、オーブンで焼き上げてるそうです。この衣、マジで美味い!

ーーこ、これはデカイっすねえ。

漢さん
漢さん
「だからさ、一人だとハンバーグとカツレツの合わせ技が出来ないんだよね。で、この僕のワガママが一瞬だけ叶ったのかなって奇跡があって、ある日突然ランチで『カツレツとハンバーグのセット』が始まったんです。でも頼んでみたら仔牛じゃなくて豚肉を使ったモドキだった(心底残念そうに)。で、結局は今に至るまでハンバーグとビーフカツレツのニコイチが基本ですね」
こちらが漢さん定番の中盛ライス(350グラム)。ちなみにライスは大盛(450グラム)まで無料。特盛(600グラム)はプラス100円。「ここは普通盛りでもまあまあ量が多いから気をつけろ」(漢さん)
 
Yahoo!ロコザ・ハンバーグ 高田馬場店
住所
東京都新宿区高田馬場2-14-7

地図を見る

アクセス
高田馬場駅[6]から徒歩約0分
高田馬場駅[西武線早稲田口]から徒歩約2分
高田馬場駅[JR早稲田口]から徒歩約3分
電話
03-3232-9959
営業時間
月~金 11:00~17:00,17:00~22:30 土,日 17:00~22:30
定休日
無休
口コミ・写真など

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歌舞伎町の最深部 「琉球亭」で美味しい沖縄料理を堪能

店内のあちらこちらに沖縄出身のアーティストのサインが飾られていました

漢さんが案内する新宿フッドめしのトリを飾るのが、新宿歌舞伎町で人気を集める沖縄料理店「琉球亭」。平成元年創業で、現在店主を務める三浦大蔵さんは三代目に当たるんだそう。そしてこの三浦さん、漢さんとは相当長い付き合いみたいなんです。それではお話を伺っていきましょう。

ーーこちらのお店とも御関係が深いようですね。

漢さん
漢さん
めちゃくちゃ美味い沖縄料理屋です。今、店を仕切ってるのは、僕の同級生の従兄弟にあたる大蔵ってヤツです」
店主の三浦大蔵さんは漢さんの三歳年下。「漢くんは”地元のお兄さん”って感じですね。小さい頃はよく泣かされてました(笑)」と語ってくれました

ーー琉球亭さんには、いつ頃から通われてるんですか?

漢さん
漢さん
「二十代の時からですね。知り合いの店だから行ってるってのもあるけど、もともと有名な店なんですよね。餃子荘ムロもそうなんですが、やっぱり繁華街で生き残ってる店なので。ちなみにですが沖縄料理の店ということもあって、同郷のアーティストなんかもよく来るみたいですね」
人気沖縄料理店とあって、泡盛も豊富に取り揃えている

ーー漢さんにとってどんなお店なんでしょうか?

漢さん
漢さん
「本格的な沖縄料理なのかはわからないけど、やっぱり味が良いことですね。居心地もよくて、とにかくリラックス出来るんで、割と頻繁に行ってますよ。ちょっと前には、毎週火曜20時からFRESH!でやってる僕の番組『漢たちとおさんぽ』のロケでも使わせてもらいました」
沖縄出身アーティストのサインに混じって…。来店時には是非探してみてください。あ、持って帰っちゃダメですよ!

ーーお気に入りのメニューを教えてください。

漢さん
漢さん
ラフティゴーヤチャンプルーかな。もちろん全部手作りで、すごく美味い。あと裏メニューなんだけど島らっきょうの天ぷらもオススメかな」
「ゴーヤチャンプルー」(800円)には、固めの木綿豆腐を使用
「ラフティ」。皮付きの豚バラ肉をじっくり煮ている。タレはサラサラでさっぱりしているタイプ
わさびポン酢味の「ミミガー」(500円)。「少し前にアレンジしました。他のお客さんには好評なんですが、漢くんには”前の味に戻せ”って言われてます(苦笑)」と大蔵さん

ーー今回唯一の居酒屋さんですが、漢さんは普段どんなお酒を召し上がるんですか?

漢さん
漢さん
「クラブではテキーラトニックが多いかな。昔は芋焼酎にハマって、だいぶ色んなのを買い集めたんだけど、最近はウーロンハイとかお茶ハイ。で、この歳になっても全然食いながら飲みますね。TABOOは<コンプラ(※)>から酒が好きで、でも童顔なもんだから、わざわざ背広を着てサラリーマンを装って酒を飲みに行ってたんです。まあそのくらいの酒好きなんで、やっぱり飲むときは食わない。若い頃は、そんなTABOOの姿を見ては『大人だなあ』と感心してましたよ」

※お察しください。

 
Yahoo!ロコ琉球亭
住所
東京都新宿区歌舞伎町2-20-12 ミネルバビルB1

地図を見る

アクセス
東新宿駅[A1]から徒歩約3分
西武新宿駅[北口]から徒歩約5分
新宿三丁目駅[E1]から徒歩約7分
電話
03-3202-5303
営業時間
月~日 18:00~29:00
定休日
不定休
口コミ・写真など

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ラッパー・漢、今後の音楽活動とMCバトルの最高峰『KOK』について語る

新宿の路上に佇む漢さん。その視点は一体どこに向けられているのでしょうか

ーー今日は素敵なお店を紹介してくださってありがとうございました。最後に今後の音楽活動について伺っていきたいです。

漢さん
漢さん
1月に他のアーティストの楽曲に提供したヴァースを集めたMIX CD、2月にはアルバムを出す予定です」

ーーおお!ニューアルバムは、どんな内容になるんでしょう?

漢さん
漢さん
「今回は珍しくコンセプトを決めて制作してます。以前『ヒップホップ・ドリーム』(河出書房新社刊)という本を出したんですが、そのサントラになるような作品になるはず。タイトルも同じ『ヒップホップ・ドリーム』。ジャケットに関しても、本の表紙と同じ写真を使おうかなと思っています」

ーー『ヒップホップ・ドリーム』は漢さんの自伝ですから、やはりラップの内容もライフヒストリーが中心になって来るということですよね。

漢さん
漢さん
「そうだね。ただ本をそのままラップにするだけじゃつまらないから、ストーリーや楽曲には最近の雰囲気を入れるつもりです。基本的には、今までリリックにしてきたようなストリートでの経験というよりは、僕の哲学的なところであったり、それこそガキの頃の話。例えばヒップホップを始めるまでの生い立ちであったり、身の回りで起きた出来事についてラップしてる」

ーーどんなアーティストがゲストとして参加するんでしょうか?

漢さん
漢さん
「最初は本に出てくる人間を呼ぼうと思っていたんだけど、みんな忙しくてスケジュールが合わなかった。だからまずはソロで10曲くらいのアルバムをしっかり作って、発売後に毎月1〜2曲のペースで、ゲストを迎えた曲をMVという形で配信しようかなと思っています。まあ今はアルバムじゃなきゃ絶対にダメという時代でもないからね。で、最終的には、毎月発表したものをアルバムにまとめられればと思ってます」

ーー音源リリース以外で展開は?

漢さん
漢さん
「FRESH!でやっている『漢たちとおさんぽ』。あとは全国規模のMCバトル『KOK』かな」

シーンの最重要人物 漢が語る日本のMCバトル事情

ーーKOKの話が出たところで、即興ラップのスキルを競い合う「MCバトル」について伺っていきたいと思います。まず「KOK」とはどのような大会なのでしょうか?

漢さん
漢さん
「現状、全国規模のMCバトルの大会というのはいくつかあるのですが、どうしても『本当のチャンピオンは誰だ』という話になってくる。だからお正月に(※2018年は1月12日はZepp DiverCityで開催)数ある有力バトルの優勝者を集めて、『チャンピオンの中のチャンピオン』を決める恒例のイベントをやっているんです」

ーーはい。

漢さん
漢さん
「最近MCバトルが流行っていますけど、それなりに有名な大会で優勝したラッパーであっても、全員が正当に認められてるとは言いにくい。もちろん楽曲制作という面で実力が追いついていなかったり、そいつが活躍出来るポジションに辿り着けなかったりというのはあるんですが、『MCバトルとヒップホップシーンでの評価は別物』とされてるのが現状です。だから『KOK』を通じて、バトルで優勝したラッパーが、それなりの評価を受けられるようにサポートをしていきたい。もちろん本当にカッコいいラッパーが優勝出来る形を作っていきたいです」

ーー漢さんはラッパーとしてだけではなく、運営という形でも、長年MCバトルに関わられてきたと思います。「フリースタイルダンジョン」以降でラッパーの質やシーンの状況に変化はありましたか?

漢さん
漢さん
「ようやく一般層にまで広がって行きつつあるのかなと感じてます。その要因は二つあって、一つはラップという文化が長年継承されることを通じて、日本語でもカッコいいものが作れるようになってきたこと。もう一つは、MCバトルの魅力に気づく人が増えてきたことでしょうね。MCバトルなんて、最近面白くなってきたものではなくて、昔っから面白かったんですよ。昔の僕たちだって、今ダンジョンを見ている子たちみたいな感じだった。ただ一つ違うのが、今までってMCバトルの面白さを知っている人の数が少なかったんです。それがテレビなんかを通じて、魅力に気付く人が増えてきた。単純に『面白いな』とか『カッコいいな』で終わる人もいれば、“なんちゃって” で始める人たちも出てくる。もちろん真剣に始める奴もいるでしょうね」

ーープレーヤーが増えたという実感はありますか?

漢さん
漢さん
「今の僕は若い人間が沢山出ている現場にいるわけではないし、いわゆる『ストリート』にいるわけでもない。だから実際にどんだけラッパーの数が増えたのかはわからないです。でも『高校生ラップ選手権』で審査員をやったり『フリースタイルダンジョン』や『KOK』に関わったりする中で言わせてもらうと、圧倒的な人数がいるとは思わない。ただ若い子たちは非常に上手くなってるし、『表に出て来ていないだけで、実は一杯いるんだろうな』という気配は感じますね」

高田馬場、百人町、新宿二丁目 多様性の街、新宿は「無駄な干渉がなくてクール」

ーー先日、新宿二丁目で開催されたLGBTの方々が主催するMCバトル<オネエスタイルダンジョン>で審査員をやったそうですね。ヒップホップやレゲエのシーンには、残念ながらまだまだLGBTに不寛容な雰囲気があると思います。そうした空気に流されることなく、イベントにコミットする姿勢に感動しちゃったんですが、一体どういった経緯で参加されたんですか?

漢さん
漢さん
正直にいうと今までずっと断り続けていて、今回最後の大会だというので……お断りしたんです(笑)。でも、うちの会社の人間が個人的に近いところにいる方がイベントに関わっていたり、何より主催している人間が向こう(LGBT)界隈はもちろん、他の業界にも顔が効くようなイケている女性だったので。まあそんな事情もあって、気づいたら勝手にスケジュールに入っていました(笑)。最初はちょっと複雑な気分だったんですが、行ってみたらビックリしましたね。エンターテイメントとして、しっかり成り立っている。ただ観客が向けて来る、独特の温か〜い視線には若干の違和感を覚えつつ(笑)。僕はソッチとは違うんで、アレは結構ウザかったかなあ(苦笑)。でも、ウザくて楽しい感じではあったね」

ーー漢さんといえば新宿を代表するラッパーですが、「新宿」といっても広いと思います。地元ってどのあたりになるんでしょうか?また新宿二丁目に関しても、地元の一部であるという意識をお持ちですか?

漢さん
漢さん
「小学校の頃は、高田馬場とか百人町周辺ですね。ただ僕の家は新宿区内で結構引越しを繰り返していたんですよ。なので『隣近所』の範囲というのが広いんです。目と鼻の先に部屋を借りてたこともあるので、二丁目についても地元だという視点は持ってたんですけど、いざ実際にイベントに参加してみて思うところもあった。街の雰囲気、それは会場のエントランスも含めてなんですが『外国っぽいな』と感じたんですよね。クラブの中も、僕たちが知っている日本のクラブの雰囲気とは違っていた。近所では初めて味わった感覚でしたね。正直、怖さもあった(笑)。とにかく、いろんなことが新鮮でした」

ーー最後に抽象的な質問になってしまいますが、漢さんにとって新宿とはどんな街なんでしょうか?

漢さん
漢さん
居やすいですね。無駄な干渉がなくて、とにかくクールなんですよ。わかりやすく言うと『何かされなきゃ何もしない』。そう言った意味でのマナーが良い。そのクールさが居やすさにつながっているんだと思います」

ーーその辺りも多くのマイノリティを抱える多様性の街ならではですね。その反面、中学時代の交流が今も続いていたりする、あったかい面もある。素晴らしいなと思います。

漢さん
漢さん
「昔から知っている風景や関係もあるし、一方で移り変わりが激しい街でもあるので、常に新鮮さが感じられますよね。ちょっとディグってみれば、いつでも『こんな風になってんだ』って思えるような風景に出会える。最近で言えば、空間を提供するスペースが増えてきたし、街に変化が起きつつある気がします。例えば、歌舞伎町ではVRを使った施設が出てきたりとか。今まではそうでもなかったんだけど、最近は『どんなものなんだろう』という興味が湧いてるところです。アレも出来るまでの期間がメチャクチャ速いんですよ。もういきなり出来るし、いきなり無くなる。そういう景色の変化が楽しい街ですね」

取材・文/吉田大
写真/小原啓樹(餃子荘ムロ/MC漢 スチールのみ)、吉田大

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

グルメ、おでかけ、イベントなど、ライフスタイルを豊かにする情報を編集部が厳選して紹介します。

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