日本ネパール協会理事が推薦! 新大久保の本格ネパール料理3選

特集

移民の街で本場グルメを味わう!

2017/10/15

日本ネパール協会理事が推薦! 新大久保の本格ネパール料理3選

新大久保と言えば韓国街でしょ!? というのは一昔前のお話。なんでも現在はネパール人街として、ネパール人が経営する本場の料理を味わえるお店が増えているんだとか。そこで、ネパールから日本に移り住んで10年以上のシュレスタ・バララムさんにイチオシの名店を紹介してもらった。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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今回のガイド役

シュレスタ・バララムさん

日本在住13年。日本人以上に日本を愛するネパール人。国際弁護士を務めていることもあり、国内のネパール人コニュニティからの信頼も厚いナイスガイ

自国のことをより知ってもらおうと、日本ネパール協会の理事として日々ネパール文化を発信しているバララムさん。今回はそんな彼に本格ネパール料理店を紹介してもらった。


まず聞いておきたいのは、どうしてネパール人が新大久保に集うようになったかということ。その理由について、バララムさんは次のように話す。

バララムさん
バララムさん
5、6年前にネパールの香辛料などを扱う食料品店がオープンしたのがきっかけでした。多くの在日ネパール人が新大久保に買い物に出かけるようになり、必ず顔を合わすことでコミュニテイが形成されたんです。新大久保は改札が1つしかなく、外国人でも間違う心配がないのも集まりやすさに輪をかけました。新大久保は少し離れると家賃も安いので、住みやすかったことも大きいですね」

こうしてできたネパール人街では、同郷の人たちに向けたネパール料理専門店が軒を連ねることになる。そのレベルがあまりにも高く、訪れた日本人も思わず唸ってしまうというのが巷の噂だ。今回はバララムさんがよく訪れる店、トップ3をお聞きし、その真偽を確かめる。

まず1軒目はこちらから!

店内は全てネパール人!? 現地の人に愛される「ソルマリ」

「ソルマリ」はネパール語で居酒屋という意味

最初に訪れたのは、新大久保の中心街に店を構える「ソルマリ」。なんでもネパール人が毎日食べる「ダルバート」という料理を在日ネパール人の方たちが食べに来るお店としておなじみなんだとか。「ダルバート」とは、いったいどんな料理なのか? 興味津々で店へと進んだ。

鮮やかな赤い壁に囲まれた2階の一角に入り口が
店内の壁も赤で統一されていて清潔感がある
こちらがその「ダルバート」。何やらカレーのような見た目だが…
バララムさん
バララムさん
「ダルバートとは、豆カレーを意味するダルとご飯を意味するバートを合わせたもの。日本でいうところの“お袋の味”です。ネパール人はこのダルバートを朝、晩と食べるのが習慣なんですが、『この店のダルバートは美味い!』とネパール人の間で話題となって、みんなが訪れるようになったんです」

適度に乾燥したタイ米を使ったライスに、スパイスの効いたユルめの豆カレーが絶妙にマッチする。日本人にとっては新しいカレーとして新鮮に映るはずだ。

では、ひとくちいただいてみましょう! うん、これは間違いない味!

続いて、食べたのはアヒル肉のカレー炒め

気になるアヒル肉のお味は?
バララムさん
バララムさん
「これは特別なお酒を飲むときやパーティーのときに出されるお料理です。アヒル肉は独特の食感があるのですが、日本人の舌も虜にしていると聞きました」
少しクセのある肉だがカレー粉のスパイシーさとうまく調和している

もちろん、ネパール料理を代表するモモは外せない。

スープモモはカレースープで餃子をいただく料理
バララムさん
バララムさん
「モモは小麦粉をこねて薄く伸ばした皮で、具を巾着状に包み、加熱したチベット発祥の蒸し餃子です。ネパール人がよく昼に食べる定番の料理で、ダルバートと並んでネパールの食卓に欠かせませんね。水牛、チキン、野菜を具材に使っています。蒸すのが一般的な食べ方ですが、焼いたり、揚げたりしても食べられます。私のイチオシはスープでいただく一皿です」
皮は通常の餃子よりもずっと厚めで、小麦の風味を存分に味わえる

流暢に日本語をしゃべり、テキパキと解説してくれるバララムさん。国際弁護士とあって相当ヤリ手な方と見ました。普通のネパール人にとって日本語を覚えるのは大変ではないのでしょうか?

バララムさん
バララムさん
「多くのネパール人にとって言葉のハードルは予想以上に高いですよ。働きに来る人たちのほとんどは日本語を習得しないまま、日本に来ています。もちろん、行政システムもわからないですから、生活に困ってしまうんです。そんな問題を解決するために発展したのが新大久保のコミュニテイ。日本人は個人ベースで生活していますが、もともとネパール人はコミュニテイベースで生活しているんですよ」

多くの仲間同士で情報を共有する。みんなで助け合って見知らぬ地での社会を生き抜く、そんな知恵がこのコミュニテイには詰まっている。そんな彼らが通う店なのだから美味しくないわけがないだろう。

ネパールの2大民族料理を楽しめる「アーガン」

新大久保駅から明治通り方面へ向かって4分ほど歩いた4階にあります

続いてはこちら。ネワール族、タカリ族の本格民族料理店、アーガン。様々な楽器やネパールの伝統的な家庭様式を再現した釜戸など、内装も本場そのもの。もちろん味も本格的。では、行ってみよう!!

本場ネパールを思わせる内装で気分も高まる
バララムさん
バララムさん
「ここにきたら、まずネワール族、タカリ族のセット料理をそれぞれ食べ比べてもらいましょう。では、ネワールセットから食べてみましょう」
サールの葉っぱのお皿に乗った「ネワールセット」
バララムさん
バララムさん
「まず食べ物が乗っているお皿にビックリしていませんか? これはサールという葉っぱで作られたお皿で、まだお皿が製品として作られるようになる以前から使われています」

セットの食材は、硬いパリパリした食感の米から作った干飯、豆の炒め、骨つきのチキンカレーとマトンカレー、辛口のたけのこと豆とジャガイモのカレーやトマトの煮込み、グリンピースや魚。そして、大根ときゅうりと人参、グリンピース、漬物、ヨーグルトなど。ネワール民族の料理は一皿で全ての栄養が取れるようになっていて、このような大きいサイズはパーティー料理として現地の人に愛されているという。

バララムさん
バララムさん
「オススメは干飯にチキンスープをかけることですね。パサパサな食感がトロッとした食感になってとても食べやすく。美味しいですよ!」
干飯はチキンスープをかけると美味

そして、もうひとつはタカリ族のセット。

こちらがもう一つの民族、タカリ族のセット。こちらもすごいボリューム

真ん中にあるのはそばの粉から作ったおもちのようなデドと呼ばれる食材で、ネパールでは昔から食べられているという。その周りに豆のスープ、骨つきのマトンカレーとチキンカレー、大根とジャガイモとブロッコリーと枝豆の炒め、大根の葉っぱの漬物にヨーグルトなどが並ぶ。またこのセットには牛乳から作った脂がついているが、これを指につけてデドを手に取り、カレーにつけて食べるのが本場のやり方。これが非常に美味なのだ。

バララムさん
バララムさん
「日本人はあまり手で食べたがらないんですが、手で食べると食感が全く違って美味しいですよ! カレーなどの汁物はどれもお代わり無料なので、ぜひ手で食べてほしいと思います」

こうした料理とあわせていただきたいのがネパールのお酒。最初にいただいたのは、これはそば粉のお酒「ロクシ」。

見た目は日本酒。アルコールは28度でかなり高く、味は紹興酒のようなお酒

お次にオーダーしたのは、マッコリのような白濁したお酒「チャン」。お米から作られている。飲めばわかるが酸味の効いた味わいが特徴だ。

酸っぱい味の酒「チャン」を飲みながらご満悦のバララムさん
バララムさん
バララムさん
「いかがでしたか。ネパールは農業が主産業で、皆が農作業をするから、1日の肉体労働に耐えられるようにと腹もちが良い食材が主食になっています。ここでご紹介したセットは、日本の方からすれば多すぎると感じられるかもしれませんので、複数人で頼むのが良いと思います」

“ネパール風お好み焼き”が味わえる「ナングロガル」

お店は大久保通り沿いのJR大久保駅にほど近い建物の3・4階にあります

バララムさんが「ネパールのお好み焼き、チャタマリを食べてもらいたい」とのことで、最後にやって来たのは、ネパール居酒屋として名を馳せるナングロ。

愛想の良い店員さんにバララムさんもリラックスした様子
バララムさん
バララムさん
「ここに来ると、いつも愛想の良い店員さんが笑顔で出迎えてくれます。タパスとドリンクの種類も豊富なので、いつもそれでついつい一杯いってしまうんですよ(笑)」
まずはこちらで一杯。マトンのピリ辛煮込み。スパイシーな味でネパールビールが進む

一杯やったら、お待ちかねのチャタマリだ。ネパール式ピザとも言われ、米粉の生地に具を乗せて焼き上げている。

彩りも鮮やかなチャタマリ
バララムさん
バララムさん
「これは日本でいうお好み焼きやピザのようなものですね。ネパールは四方を陸に囲まれた国なので、昔から山に生える天然のハーブが薬として使われ、料理にも使われてきました。これもアーユルヴェーダのハーブが入ってるから、身体にもとても良いんですよ」
実食するとハーブの香りが口いっぱいに広がる

口の中に入れるとサクサクした食感とふんわりした食感の両方が絡み合い、ふんだんに使われたハーブやスパイスが華やかな香りを運んでくれる。日本人が食べたら、今までに出会ったことがない新たな味だと感じるはずだ。

最後にバララムさんに日本の魅力を聞いてみた。

バララムさん
バララムさん
「やっぱり、平和で安全な国であるところですよね。本当にこれは魅力です。それと同じアジアで、ネパールからの距離もさほど遠くないところも大きいですね。日本は私にとって第二の祖国になっていますよ」

今、新大久保という街は一時期のコリアンブームも落ち着きを見せ、替わりにこのようなネパール料理店が増えてきている。日本におけるネパール人の人口は増え続け、現在はおよそ7万人のネパール人が住んでいるそうだ。南アジアの新たな文化発信拠点として進化し続ける新大久保に一度足を運んでみてはいかがだろうか。


取材・文/高柳淳(50 storm)
写真/吉田佳央(50 storm)

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