地元・福岡で絶大な人気を誇る炉端焼き店「炉端 百式」の2号店として誕生した「めしや コヤマパーキング」。オープン後1カ月もたたないうちから、業界人や食通たちが集う店として注目度急上昇中だ。スタイリッシュな店構えからこだわりのお酒&料理まで、その魅力を探ってきた!
Yahoo!ライフマガジン編集部
福岡で人気の炉端焼き店が2号店をオープン
10月13日、福岡が誇る炉端焼きの人気店「炉端 百式」の2号店が福岡市中央区警固にオープンした。その名も、「めしや コヤマパーキング」。名前からなんとなく伝わるように、こちらでは炉端焼きは出していない。
では、いったいどういうお店なのか。両店の店主を務める上山さんに直接お話を伺った!
\店主はこの人!/
ステンドグラスの回転ドアに巨大な円形カウンター! スタイリッシュなデザインに目を奪われる!
「めしや コヤマパーキング」は福岡の繁華街である天神・大名エリアのすぐそば、飲食店が多く立ち並ぶ通称“上人橋通り”から一本入った細路地にある。
一面がガラス張りで、店の灯りが暗い通りを明るく照らす。入り口には、飲食店ではあまり見かけない“手動の回転ドア”を採用。その理由を尋ねると、上山さんは気さくに答えてくれた。
- 店主の上山修さん
- 店主の上山修さん
- 「回転ドアって実はかなり機能的で、風の吹込みがほぼゼロなんです。人の出入りが頻繁にあったとしても、外気による室内の温度変化はほとんどなし。だから、ドア近くでちょっと寒い…なんてことなく食事を楽しむことができますよ」
店に入ると、店内スペースのほとんどを占める大きなカウンターに目を奪われる。卓上は奥行き約1メートルと広く、円形状に組まれたその姿はかなり個性的だ。
- 店主の上山修さん
- 店主の上山修さん
- 「実は京都の老舗喫茶『イノダコーヒ 三条支店』(京都府京都市中京区)さんに、大きな円形カウンターがあるんです。カウンターの真ん中にはアールのついたガス台があって、それがものすごくかっこよくて印象的だったんです。それで今回、参考にさせていただきました!」
巨大カウンターを設置したことで、調理や収納に使えるスペースがかなり限られてしまったという。しかし、そんなウイークポイントがあったからこそ、コヤマパーキングの特徴の一つでもある“見せる厨房”が誕生した。
- 店主の上山修さん
- 店主の上山修さん
- 「広いカウンターはお客さんが食事をする場であると同時に、調理する場としても利用しています。僕自身がそうなのですが、料理人の調理風景って見ていてワクワクしませんか? 完成した料理はもちろんですが、目の前で料理ができていく“ライブ感”も一緒に楽しんでもらえたらうれしいですね」
“ぬる燗~上燗でおいしい日本酒”と、和のテイストを取り入れた料理がズラリ
こだわりの日本酒(グラス500円~、一合900円~)とそれに合う多彩な料理をそろえており、メニュー表を見れば炉端焼きメインの一号店との違いは一目瞭然。煮物、焼き物、揚げ物、ご飯ものなど幅広いラインアップで、その数は50品以上。「パリパリピーマン」(180円)や「雲丹の炙り肉巻」(420円)といった「炉端 百式」の人気メニューも数品用意している。
- 店主の上山修さん
- 店主の上山修さん
- 「子供のころからの夢だった炉端焼きの店をやっていくなかで、炉端焼き以外の“もっと凝った料理も作りたい”という気持ちが芽生えてきました。ここではそんなフラストレーションを解消するかのごとく(笑)、いろいろな料理に挑戦して、提供していきたいと思っています」
- 店主の上山修さん
- 店主の上山修さん
- 「ミシュランで一つ星を獲得された『味 竹林』(福岡県福岡市中央区)さんで、柿の種を衣に使っている料理を食べたことがあって。『和食の世界でもこういうのはありなんだ!』と衝撃を受けて、ソフトシェルクラブと組み合わせてみました」
日本酒に合うようにと、ほとんどの料理に和のテイストを取り入れているという。それは素材だったり、調理法だったりとさまざま。福岡の名店で修行し、全国各地の飲食店を巡り、また自身の店でも腕を磨いてきた上山さんならではのセンスが光るポイントだ。
- 店主の上山修さん
- 店主の上山修さん
- 「ワインセラーはお隣の『(食)ましか』さんのものをお借りしている形です。店主の山尾さんはシニアソムリエの資格を持たれていて、わかりやすくいえばワインの達人。そんな山尾さんが選ぶワインは、本当にどれもおいしいものばかりなんです!」
ワインはグラス500円~、ボトル2500円~。ワインリストは都度変更があるため、メニュー表には記載がない。詳しくはスタッフに尋ねよう。
2号店誕生のきっかけともなった“お隣さん”とのコラボにみ期待!
2号店を出すきっかけについて、「『(食)ましか』さんの存在は大きいですね」と上山さん。そもそもこの場所に2号店を出そうと思ったのも、隣で「(食)ましか」が営業するからだったとか。近い将来に予定している、両店のコラボ計画もあるという。
- 店主の上山修さん
- 店主の上山修さん
- 「うちと『(食)ましか』さんとの間にある壁には、小窓が3つ付いています。オープンからまだあまり時間が経っていないこともあって今は実現できていませんが、落ち着いてきたらこの小窓からお互いの料理をやりとりするとか、そういうおもしろいことができたらいいなあと考えています」
目指すは「いい意味で中途半端な店」
- 店主の上山修さん
- 店主の上山修さん
- 「僕にはちょっと天邪鬼なところがあって(笑)、もし2号店を出すなら最初から『炉端焼き以外がいいな』と思っていました。『炉端 百式』が成功したからといって同じことをしてもつまらないし、飽き性なので続かないかもしれない。それなら今までと違うことをして、それをどうやって成功させるかを考えるほうがやりがいを感じるし、何より楽しいんですよね。そしてその経験は、いつか必ず役立つと思うんです」
日本酒と料理を出すコヤマパーキングについて、「居酒屋でも料理屋でもない、いい意味で中途半端な店にしたい」と語る上山さん。
オープンしてまだ1カ月もたっていない新店舗。お隣さんとのコラボを含め、今後の展開にも注目したい。
めしや コヤマパーキング
- 口コミ・写真など
※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。
取材メモ/スタイリッシュな店構えで日本酒と料理を出すからこそ、敷居を上げすぎないよう店名はキャッチーに、スタッフの服装はTシャツにしているそうです。料理やお店のことを話すときの上山さんの楽しそうな笑顔が印象的でした!
取材・文=廣田祐典(シーアール)、撮影=菅 祐介