全国に名をはせる奈良の「三輪素麺」を、風流な竹の器でいただく

全国に名をはせる奈良の「三輪素麺」を、風流な竹の器でいただく

2016/05/21

糸のような細さとコシの強さを併せ持つ三輪素麺。その発祥は1200余年も前にさかのぼる。江戸時代には、お伊勢参りの途中に三輪を訪れた人々にも、そのおいしさを絶賛されていたのだとか。伝統の味を風流な器使いで楽しめる、地元の名店を紹介する。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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まずは「冷やし」で喉越しを堪能

今から1200年余り前に、三輪(現在の奈良県桜井市)の大神神社の神主の次男が、三輪の土地が小麦栽培に適すると知って種をまかせ、収穫した小麦で麺を作らせたのが、三輪素麺の始まりとされる。その後、三輪から全国へ製造技術が広がっていったため、この地が素麺の発祥の地と言われている。

現在、地元桜井市には、三輪素麺の製造を手がけるメーカーが多数あるが、なかでも「池利」地元を代表する老舗メーカーの一つだ。麺のコシと喉越しのよさには定評があり、特に手延素麺「山の辺の道」は、地元では贈答品として人気が高い。

趣きのある和風建築の「千寿亭」外観。店を運営する「池利」は、1850(嘉永3)年創業の歴史ある地元企業

「千寿亭」は、1980(昭和55)年に、池利が社屋北側の国道169号線沿いに造った素麺茶屋。明るい光が射し込む落ち着いた雰囲気の店内では、三輪素麺を中心に、会席や和食の豊富なメニューが楽しめる。

初めての来訪なら、まずは定番の「冷やし素麺」(810円)をオーダーしたい。白、卵、抹茶の3色の素麺が、涼しげな竹の器に入れられ、錦糸卵やシイタケ、飾り切りのキュウリ、スイカととも供される。淡い色合いが目に優しい。

よく冷えた麺は、カツオやサバ節からダシをとった上品な味わいの麺ツユとあいまって、格別な喉越しだ。

「冷やし素麺」に使われている玉子素麺、抹茶素麺は、池利が業界で初めて製造に成功した色素麺なのだそう

肌寒い季節には、にゅうめんもおすすめ

「おいしく茹でるコツは、まず、素麺1束に対し1L以上のたっぷりのお湯で茹でること。次に、麺に芯がなくなったら素早くざるに取って、氷水で冷やしながら流水でもみ洗いして、しっかり締めることです」と、料理人の齋藤さん。プロの料理人の手際のよさが、品質に優れた三輪素麺を最高の状態に仕上げる。

素麺といえば、夏に冷やして食べるものというイメージが強いが、奈良の人は、秋冬にも、素麺を温かいツユで煮た「にゅうめん」をよく食べる。コシの強い三輪素麺は、煮ても崩れにくいため、にゅうめんには最適なのだ。

千寿亭では、大ぶりのエビ天を2尾のせた「天ぷらにゅうめん」(982円)が人気。食事のあとは、三輪素麺のおみやげを忘れずに。

バランスよく素麺や具材を盛り付けていく料理人の齋藤さん。プロの手で茹で上げ、きりっと冷やされた三輪素麺は、自宅で味わうのとはひと味違うおいしさ

※掲載の内容は2016年5月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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