家のカレーが激変!<br />
160種以上が並ぶスパイス専門店に潜入!

特集

いますぐカレーが食べたい!

2016/03/28

家のカレーが激変!
160種以上が並ぶスパイス専門店に潜入!

スパイス好きがこぞって集まる専門店が自由が丘にあるという。挽きたてスパイス専門店「香辛堂」さんに無類のカレー&スパイス好きのホフディラン・小宮山雄飛が潜入! 難しそうに見えて、実はスパイスを使うのって意外とカンタン!? 

Yahoo!ライフマガジン編集部

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いざスパイスの聖地へ!

今回、スパイスのことを教えてくれるのは自由が丘にあるスパイス専門店「香辛堂」の店主、勝又聖雄さん。若いころから世界中をめぐり、世界のスパイス文化を知る香辛料の達人だ。

聞き手は、無類のカレー好きとして知られ、「音楽会のグルメ番長」の異名を持つ音楽ユニット・ホフディランの小宮山雄飛さん。実は今回、小宮山さんのたっての希望で「香辛堂」を訪れることになりました。

スパイス専門店には何がある?

小宮山雄飛(以下:小宮山) (入り口を開けながら)こんにち……わっ! すごい香りですね。

勝又聖雄(以下:勝俣) どうもどうも、こんにちは。これでも店頭にあるのは、サンプルで時間のたったスパイスか、挽く前のものなんですよ。毎日挽いているから、その香りもあるのかもしれませんね。

小宮山 こちらの店には全部で何種類くらいのスパイスがあるんですか?

勝又 単品のスパイス&ハーブのほか、独自調合のミックススパイスも合わせると、160~170種類くらいですね。

実際に瓶をあけて香りを確認することができ、ミックスされた香辛料のレシピも詳細に記されている

小宮山 (目の前の棚を見回して)これ、全部違う種類なんですよね……。

勝又 シンプルなハーブソルト系から、かなり複雑に調合しているミックススパイスまでいろいろですね。ジャンルで言うと多いのは、肉や魚に使えるシーズニング系のミックススパイスだと思います。

小宮山 チキン用だけでも「和風チキン」に「ハーブチキン」……。「ジャークチキン」に「香辛堂チキン」……「香辛堂チキン」ってなんですか?

勝又 オリジナルの甘辛ミックスですね。日本人が好きな味わいに仕上げています。ほか、ローストビーフ用のようなメニュー専用スパイスからひき肉用、白身魚用、ピクルス用ともう種類は無数にあります。

小宮山 ちなみに僕、無類のカレー好きなんですが……。

勝又 もちろん、知ってます(笑)。カシミールやマドラスなどいくつか調合済みのものもありますよ。
でもせっかくだから小宮山さんオリジナルのブレンドを作ってみませんか?

小宮山 ぜひとも!

「香辛堂」の勝又聖雄さん。店頭のスパイス&ハーブは世界中を旅して得た独自ルートで入荷

用途と好みを伝えるだけで
調合魔法発動!

小宮山 カレーって掘り下げるほど謎めきますよね。スパイスは何種類使うのか、ミックスさせてすぐ使うか、調合後に寝かせて熟成させるのか……とか。考え始めたらキリがない。

勝又 でもなんだかんだ言っても、基本は4種類なんです。

小宮山 レッドペッパーコリアンダークミンターメリックですね。

勝又 さすが! その4種類を合わせるだけでカレーができちゃうのはご存じのとおりです。あとは足し算と引き算ですね。好きなスパイスはなんですか?

小宮山 クローブ! あ、でもいつも入れすぎるくらい入れちゃうから、どうしようかな……。

調合の話になると、テンション急上昇

勝又 じゃあ控えめに入れておきましょう。あとはこのあたりかな……(と数種のスパイスを計量しながらスパイスミルに投入)。

小宮山 ほかには何が入ってるんですか?

勝又 ジンジャーパプリカカルダモンあたりですね。

小宮山 ちなみに配合は……?

勝又 それは教えられません。商売上がったりになっちゃう(笑)。

小宮山 やっぱりカレー将軍、鼻田香作(※)としてはそうですよね!

勝又 えっ?

小宮山 や、いいんです。気にしないでください。こちらのお店では、一度注文するとそのレシピは取っておいてくださるんですよね?

勝又 そうですね。そのベースをお好みに合わせて、調整していく。オリジナルの配合は、お客様の許可がなければ、他の方にも作りません。

小宮山 えっ。そうなんですか?

勝又 そうしないと飲食店さんなどは味を盗まれちゃいますから。ちなみに今日の小宮山さんのミックスがほしいという問い合わせがあったらどうしましょう。

小宮山 もちろん、ユウヒミックスとして大々的にお譲りください!

※昭和の名作料理マンガ「包丁人味平」に登場するスパイス使いの天才。ちなみに小宮山さんの所属事務所のオフィスには「包丁人味平」のコミックスが全巻そろっている。

お客さんの好みを聞き、その場でミックス
「『ユウヒミックスください!』で同じものが調合してもらえる(はず)」(小宮山)

スパイスとの上手なつきあい方

小宮山 ちなみにスパイスの保存、いつも困るんです。よく使うものと使わないもののムラが多くて、使わないものは気づけば香りが飛んじゃってる。

勝又 それこそうちの店を……というのは半分冗談ですが、いちばんいいのは密閉できる瓶を直射日光の当たらない冷暗所で保存すること。

小宮山 冷蔵庫とか?

勝又 もちろん冷蔵庫でも構いませんが、そこまでシビアに考えなくても大丈夫。アジアや中南米では路上で売っているものですから。それより、早く使い切ることを心がけてほしいですね。

小宮山 湿気と直射日光を避けて、早めに使い切る。

勝又 挽く前の状態ものでも1年以内。一度挽いたら、きちんと保存しても3カ月、保存状態が悪ければ1週間持たずにダメになります。

小宮山 例えば最悪の保存例で言うと……?

勝又 ラーメン屋さんのテーブル胡椒です。もともと湿気も多いし、温かい。何より最悪なのが、湯気の立った丼の上で何度も振られ続けること。

小宮山 肝に命じておきます!

挽きたてこそスパイスの醍醐味

小宮山 ひとつ、気になることがあるんです。スパイスの熟成ってどう解釈したらいいんでしょうか。「挽きたてが鮮烈でいい」「いや、挽いたらブレンドして数日は寝かせたほうがいい」など、いろんなことを言う方がいらっしゃるから、解釈が難しくて……。

勝又 一般的なスパイスの熟成って、挽いた複数のスパイスを合わせて寝かせることを指しますよね。するとスパイス同士のとがった部分や強すぎる部分が、互いの香りでマスキングされて、熟れた香りになる、と。

小宮山 どう思われます?

勝又 好みだとは思うんですが、僕は挽きたて派ですね。昔は食料の保存に使用しましたが、今はスパイスやハーブは香りを楽しみ味を引き立てるものになっていると思います。

挽いた状態で寝かせると香りが抜けていく。しかも、抜けきらなくても、含まれる精油成分が酸化しやすくなり、味がにごりやすくなる。もちろん最後は好みなので、角の取れた香りが好きな方もいらっしゃるとは思うんですが、それなら量や調理法で調整するほうが僕は好きですね。

店頭の瓶入りはすべてサンプル。実際の商品は、通販も含めてすべて挽きたて

こんなものにもスパイスが?

小宮山 それにしても店内をよく見ると、調理用のシーズニングカレーだけでなく、チャイの素ホットワイン用のスパイスミックスまであるんですね。

勝又 チャイを作るのはめちゃくちゃカンタンですよ。鍋にミルクと茶葉とスパイス入れて3分煮出せばできあがり。

小宮山 このサンプルだけでもすごいいいにおい! 分量はどれくらい使うんですか?

勝又 カップ1杯に対して、スパイス小さじ1/4くらいですね。

小宮山 うわ。いいにおいしてきた! これをベースにオリジナルの調合も……。

勝又 もちろんできますよ。

小宮山 うわぁ、いいなあ。「自由が丘でオリジナルのチャイミックス挽いてもらってるんだ」なんて、すごくカッコいい! うわっ。このサングリア用のミックススパイス、ボトルもかわいいなあ。

赤・白用サングリアのほか、モヒートシロップのベースも

こだわり不要! 
スパイスはざっくり使えばOK

小宮山 そういえばさっき作ってくださったカレーミックスはどういうカレーに合わせるのがいいですか?

勝又 チキンが合わせやすいと思います。あとはもうざっくりで!

小宮山 スパイスの話って、よく北インド風がどうとか南インド風がなんたら……みたいな話にもなりますけど。

勝又 そこまで行くとインド料理になっちゃいますからね。カレー粉にしたらその先はもう好みです。「ざっくりかんたんに使える」がミックススパイスのいいところ。僕だってカレー粉をいつ入れたかとか、調理手順の違いなんてわかりませんもん(笑)。

小宮山 やっぱりプロでもわかんないんだ! 勇気出るなあ。

勝又 それくらい、適当に使っていったほうがスパイスと仲良くなれるんですよ(笑)。

取材後もスパイス談義は終わらず。最後は自腹で数種類のスパイスを買って帰った

スパイス専門店 香辛堂

扉を開ける前からスパイシーな香りが漂ってたまらない

店主が世界中を巡って集めたスパイスが並ぶ、挽きたてスパイス専門店。

香辛堂シーズニング、ハーブチキンなど定番系のミックススパイスは800~1000円程度が中心価格帯。チャイの素(800円)、自由が丘サングリア(1296円〜)。調合料500円+スパイス&ハーブ代などの実費。ネット通販などでも同様の対応可能。

初訪時には、用途や好みなど何かしらの手がかりを。「お客様の情報が何もなく、『なんでもおいしくなるヤツください』という注文が一番困る(笑)」のだそう。

小宮山雄飛

小宮山雄飛

1996年バンド「ホフディラン」のボーカル&キーボードとしてデビュー。 食通として知られ、“音楽界のグルメ番長”の異名を持つ。 2015年渋谷区の観光大使兼クリエイティブディレクターに就任。

取材・文=Tatsuya Matsuura、撮影=野呂美帆

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