浅草のモンマルトル? いま「裏浅草」が人気の理由とは?

特集

やっぱり浅草っておもしろい!

2017/12/07

浅草のモンマルトル? いま「裏浅草」が人気の理由とは?

渋いイメージの強かった「裏浅草」が、オシャレなグルメエリアに進化中。古くからこの地に根をはる店と、浅草以外からやってきた若いオーナーの新店、新旧入り乱れての相乗効果で美食レベルがUPしているともっぱらの噂なのだ。裏浅草でオススメの3軒を巡りつつ、人気の理由を探してみた。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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【今回紹介する裏浅草の店は】

1.パンケーキ女子に大人気「cafe michikusa(カフェミチクサ)」
2.浅草っ子が腕を振るう「フレンチダイニング coffret(コフレ)」
3.靴を脱いでくつろぐ和風BAR「FOS(フォス)」

裏浅草=浅草寺本堂の裏エリアで
オススメの3軒を巡ってみた

東京の西側より東側、イーストサイドの下町が注目され始めて久しい。今やすっかりトレンドエリアとなった清澄白河や蔵前のように、今後一気に化けそうなポテンシャルを秘めたエリアが浅草にあるのをご存知だろうか?

そう、それこそが、裏浅草!

グルメ誌や情報誌で、そのエリアの名を目にする機会も増えてきた。

と言われても、いったいどの辺を指すのかいまいちピンとこない読者が大半だと思うので、まずは道案内から。

\まずは浅草寺本堂(観音堂)へ/

こちらは観光客でごった返す、浅草寺本堂。別名、観音堂

その観音堂横の道をまっすぐ歩くと見えてくるのが……

浅草観音堂裏の信号機と交通量の多い1本の通り
通りの名は、「言問通り(ことといどおり)」。ここを渡った向こう側に、裏浅草(もしくは奥浅草)と呼ばれているエリアが広がっている

\地図だとこの辺!/

   

1.パンケーキ女子に大人気「cafe michikusa(カフェミチクサ)」

おおよそのエリアを把握したところで、さっそく3軒の扉を開いてみよう。まずは、インスタ映えするパンケーキを目当てにやってくる女性から、ベビーカーを引いたママ、地元のおじいちゃんおばあちゃんまで幅広い層に愛されている「cafe michikusa(カフェミチクサ)」

赤いレンガの外観が目を引く。従来の浅草のイメージからは遠いオシャレな雰囲気で、思わず住所を確認したくなる
白を基調とした明るい店内には、木目テーブルと椅子。Wi-Fiはもちろん、お客が自由に使えるiPadもありついつい長居したくなる空間だ

\インスタ映えするパンケーキは素朴なお袋の味/

こちらの看板メニューはパンケーキ。全部で3種類ある中で、特に女性に人気なのが、SNSで「いいね!」がたくさんもらえそうな、果肉感たっぷりの「クラシック・パンケーキ Wベリー」だ。

ストロベリーコンポートとブルーベリーソースの手作りWベリーソースが鮮やかな「クラシック・パンケーキ Wベリー」(900円)は、やさしい酸味と甘みのハーモニーが絶妙

一口食べると、ホッとする。お母さんが小さい頃に作ってくれたパンケーキを思い出した。生地の粉を一からオリジナルブレンドし、オーダーを受けてから一枚ずつ丁寧に焼き上げる、作り手のあったかい思いが染みてくる。

\脱サラ夫婦が裏浅草で夢のカフェをオープン!/

「cafe michikusa(カフェミチクサ)」のオーナー夫妻。パンケーキを焼き上げるのは紀弘さん(写真左)の役割。妻の夏美さん(写真右)は接客担当で、浅草のおじいちゃんたちのアイドルだとか
紀弘さん
紀弘さん
「パンケーキはこだわりの味なので、お店の中で僕しか焼けません。いたずらにオリジナルのブレンド粉を混ぜすぎず、サラッと焼くことでサクふわに仕上がるんですよ

癒しオーラ全開のお二人を前にすれば、ついつい世間話をしたくなってしまうから不思議だ。裏浅草について聞いてみよう。

——最近、裏浅草が盛り上がっているなという実感はありますか?

夏美さん
夏美さん
「ありますね〜。私たちが新婚時代に思い切ってサラリーマンを辞めカフェをオープンした6年前は、こうして注目されるようになるとは想像もしていなくて。ご近所さんたちに『こんなオシャレなカフェを裏浅草に作って大丈夫かい?』なんて心配されたほどでした(笑)」

——どうして裏浅草は、活気づいてきたのでしょうか?

紀弘さん
紀弘さん
「もともと裏浅草は、革や鞄の職人さんが多く暮らす職人町で、芸妓さんが出入りする見番も点在していたことから、落ち着いた渋い雰囲気のエリアでした。おまけに裏浅草のちょっと先には江戸時代から続く吉原があって、吉原帰りの方が立ち寄る居酒屋などが多かったんですね。しかし、最近は浅草に古くから住んでいる方々の高齢化に伴い、空き物件が増え、そこに僕たちのような浅草以外の土地からやってきた若いオーナーたちが建物をリノベーションし、ビストロやカフェ、お菓子屋さんをオープンするようになったようです。新店も増え、おしゃれでグルメな街に変わりつつあります
写真左から宇治抹茶とまろやかなミルクで仕上げた「抹茶ラテ」(550円)と、「特製スコーン プレート」(520円)
「特製スコーン プレート」はメープル、チョコ、クランベリーからお好きな2 個のスコーンをチョイス。イギリスでは定番のクロテッドクリームと、林檎からひたすら煮詰めて作る自家製ジャムが付いてくる
夏美さん
夏美さん
「これまでは、浅草寺の観音堂でお参りすれば浅草散策は終了でした。でも最近は言問通りを渡ってこちら(裏浅草)まで足を延ばしてくれる方が増えていて、うれしいです。裏浅草で新店を開くオーナーたちは、若い女子たちの心をつかむインスタ映えメニューを作ることに長けているから、裏浅草を歩く方の年齢層がぐっと若くなりましたね!」

店名の「cafe michikusaカフェミチクサ」には、浅草から裏浅草へと足を伸ばして散歩する途中で、気軽にミチクサをしてほしいという夫婦の思いが込められている。食べ終わったからといって、店を出なければいけないというプレッシャーは皆無。「むしろ、長居ウェルカムです!」と微笑むオーナー夫妻と話すと、疲れた心がゆるゆるとほどけていくのを感じた。

Yahoo!ロコカフェミチクサ
住所
台東区浅草4-6-5 岩岡ビル 1F

地図を見る

アクセス
浅草(TX)駅[A1-1]から徒歩約10分
浅草駅[6]から徒歩約10分
浅草駅[東武線正面口]から徒歩約10分
電話
03-3876-2004
営業時間
月~木・土 11:00~19:00(L.O18:30) / 日 11:00~18:00(L.O17:30)
定休日
金曜日+不定休
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

2.浅草っ子が腕を振るう「フレンチダイニング coffret」

続いては、浅草で30年近く愛されるBAR「オレンジルーム」の創業者の次男でもあるオーナーが、4年前に裏浅草にオープンさせたカジュアルなフレンチへ。

「coffret(コフレ)」は、言問通り沿いから、すぐの場所にある
店内にはカウンターもあるので、一人客でもフラッと入りやすい。実際、お一人さま女性も多いとか

「フレンチダイニング coffret(コフレ)」の強みは、がっつり食事を楽しむもよし、ちょい飲みBARとして利用するもよし、使い勝手をお客が自由に決められる選択肢の広さだ。気負わず頼めるフレンチ料理は豊富だし、実家のBARでカクテル修行を積んだオーナーがシェイカーを振る一杯はどれも個性的にして美味。

浅草育ちだけに、浅草の飲食店の店主たちとの結びつきも強いオーナーの遠藤さん

遠藤さんのイチオシ料理は、「coffret名物 自家製煮込みハンバーグ」(1600円)だ。

牛肉多めのひき肉で作ったハンバーグにマッシュポテトの付け合わせ。プラス500円でフォアグラを、プラス200円で目玉焼きをのせられる
オーナーの遠藤さん
オーナーの遠藤さん
「ワインとフォンドボーを一緒に煮詰め、タマネギ、トマトピューレ、粒マスタード、最後に煮汁を加え4時間以上かけて作るソースをぜひ味わってみてください」

\裏浅草にフレンチが多いのはなぜ?/

——裏浅草には、新旧含め、カジュアルフレンチのお店が多い印象ですが、一体なぜでしょうか?

オーナーの遠藤さん
オーナーの遠藤さん
「やはり、裏浅草のフレンチレストラン『Hommage(オマージュ)』がミシュランガイドで東京1つ星を獲得したのが少なからず影響しているかもしれませんね。グルメな方も出店したい料理人も裏浅草に集まってきて、美食レベルがアップしている印象です

——なるほど。浅草で長年働く遠藤さんですが、裏浅草まで足を延ばす観光客が増えましたか?

オーナーの遠藤さん
オーナーの遠藤さん
「そうですね、特にインバウンド効果で明らかに外国人観光客が多くなりました。もともとご近所の三谷エリアにはゲストハウスが点在していて、外国人が集まってきていましたが、最近は裏浅草にもオシャレで安い宿がオープンしていて。よく大きなリュックを背負った海外からのバックパッカーを見かけます」

——外国人も、ですか!

オーナーの遠藤さん
オーナーの遠藤さん
最近の裏浅草はフランスでいうと、モンマルトルっぽいなと、個人的に感じています。パリの中心部から少し外れた家賃の安いエリアに、若いアーティストやシェフたちが好んでやってきて、愛すべき下町の雰囲気を作り出しているモンマルトルに」
フランスのアルベルソースを玉子に応用した「coffret式コンソメのだしまき玉子 トリュフソース」(1500円)。濃く煮詰めたコンソメに、トリュフ、生クリーム、バター、トリュフオイルを加えたソースが◎

「coffret」に来たなら、ぜひ遠藤さんの実家、BAR「オレンジルーム」仕込みのオリジナルカクテルを楽しんでほしい。

写真中央が洋ナシのマリネ、ライチリキュール、ホワイトラム、ミントライム、ソーダで作った「洋ナシのモヒート」(900円)。この時季は洋ナシだが、季節によって旬のフルーツを選んでいる

フレンチだけど気負わない雰囲気は裏浅草ならでは。浅草に根をはるオーナーからにじみ出る下町人情を心地よく感じながら、“浅草のモンマルトル”で自慢の料理&カクテルをカジュアルに楽しみたい。

Yahoo!ロコフレンチダイニング コフレ
住所
東京都台東区浅草3-9-10 キャピタルプラザ104

地図を見る

アクセス
浅草(TX)駅[A1-1]から徒歩約6分
浅草駅[6]から徒歩約10分
浅草駅[東武線正面口]から徒歩約10分
電話
03-3875-2175
営業時間
【月・水~日・祝・祝前】17:00~03:00(L.O.02:00)
定休日
火曜日
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

3.靴を脱いでくつろぐ和風BAR「FOS(フォス)」

夜の帳(とばり)が降りた後なら、思わず通り過ぎてしまうほど控えめな看板が浅草の住宅街にほんのりと灯っていた。そこが、11年前からこの場所にある古民家のBAR「FOS(フォス)」だ。

FOSと小さく書かれた入り口の看板が目印だ

なんと、玄関で靴を脱いでから中へ入りカウンターに座る、外国人観光客ならずとも心浮き立つ造り。思わず心の靴も脱いで自宅気分でくつろいでしまいそう。

築約50年の古民家の柱や壁をできるだけ生かしてリノベーションした落ち着く店内

カウンターの後ろには500種類近いお酒のボトルがズラリ。お客のリクエストや好みを聞いて、200種以上のバラエティの中から、オススメのカクテルを作ってくれるという。

カクテルを作ってくれたのはバーテンダー歴5年、「FOS」で働いて3年目の早川さん。シェイカーを振る姿が決まっている
(左から)シソと桜のパンチの効いた和風カクテル「初雲雀」(1200円)。果肉感たっぷり、ウォッカベースの「フレッシュのシャインマスカットのカクテル」(1200円)※別途一人チャージ800円
「僕のイチオシのカクテルです」(早川さん)

\料理もおいしいBAR/

——裏浅草が盛り上がりを見せていますが、実感はありますか?

早川さん
早川さん
「はい、外国人のお客様も急増しましたし、新しいビストロなども増えて、グルメなお客様が2軒目として利用してくださるようになりましたね」

早川さんの言う通り、食後の2軒目として訪れるお客が多いが、実は「FOS」、食事もいただけるBARなのだ。オーナーの森さんは同じ浅草エリアに「カルボ スパゲッティストア」をオープンしているくらい、料理も達者。

例えばチーズオムレツなどのガッツリ系メニューや、ブロッコリーのオーブン焼きやいぶりがっこなどのおつまみ系メニューまで、計9種類の料理を注文できる。

「自家製ハムステーキと目玉焼き」(1200円)。自家製ローストハムを塩漬けして燻製し、シンプルに塩と胡椒で味付けしている

浅草らしい和風BARで靴を脱ぎ、和風カクテルを飲みながら、楽しい浅草エリアの町歩きを振り返るのもオツなものだ。

Yahoo!ロコFOS
住所
台東区浅草3-37-3

地図を見る

アクセス
浅草(TX)駅[A1-1]から徒歩約7分
浅草駅[6]から徒歩約11分
浅草駅[東武線正面口]から徒歩約11分
電話
03-3872-8804
営業時間
19:00~翌2:30(ラストオーダー)
定休日
火曜日
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

取材メモ/私も浅草観光は、浅草寺止まりだった一人。今回初めて裏浅草へ足を踏み入れたが、観光客で混雑する雷門周辺とはまったく異なる落ち着いた時間が流れていた。派手さはないが、道を歩けば、ポツポツといい店との出会いがある。もしかしたら、数年後には蔵前や清澄白河のような、古くて新しい下町のトレンドアドレスになっているのかもしれない。なっていてほしいけど、変わってほしくもない。東京にまた一つ素敵な宝物を見つけた気持ちになって、そっと裏浅草をあとにした。

取材・文=城リユア(mogShore)/撮影=榊原亮佑、城リユア/イラスト=Kimie Fujitsuna

\まだある浅草遊び/

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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